エピローグ
私の爆弾発言から、会場は上を下への大混乱だった様だ。
納得出来る点も多く、みんなが目から鱗状態だったそう。
ただ、今までの思い込みを今すぐ払拭するのは難しく、すぐに「はいそうですか」と出来るわけではないが……確実に周囲の雰囲気は変わってきている。
真偽の程は、その場では半分半分という感じだったそうだ。
しかし、教会と王家の資料を全てひっくり返した結果……私の言っていることが正しいのではないかと認められた。
なにせ二神の加護持ちだからね! 信憑性あるよね!
……でも、本当のところは私もよくわからない。
ただ、あの婚約式の大神殿で遠目に見た天井画。あそこに描かれたフレスコ画のバルバドス神は、アレックス様にそっくりだった。
そういうと貴族や王都民、はたまたバルバドス中の有力貴族が礼拝に訪れるようになった。
いまや大聖堂はものすごい観光地だ。
開架で調べたところ……信仰も信じられる力が強いと、その神の力が強くなるらしい。
アレックス様やお祖父様の力を知る、軍や地方の助けられた経験のある民たちによって、より信仰の力があがっている。
今、一番加護の力が強いのは王都と、ブロンディールの街だ。アレックス様と私で耕したあの土地は、いまや大いなる加護に包まれて大豊作だという。
そうして、加護の実感により更にバルバドス国内の土地の加護が上がっているらしい。
あれから、私はというと……アレックス様と様々な土地に花を咲かせに行ったり秘密裏に小麦やもろこし、じゃがいもを咲かせたりしていた。
王都では、あれだけ大きく宣言したので、フローラの庭という巨大庭園を作って貰い国民の全てに開放している。
そこには公開告白のような形で、愛のあふれる花言葉満載の花々を咲かせているのだ。
神様に勝つにはこれくらいやらなきゃね!
そういう私に、アレックス様は嬉しそうに笑って抱きしめてくれる。
最近、民や周囲からの反応がかなり変化し愛される自信がついてきたようだった。
周囲の反応は徐々に変わっていった。長年の思い込みは、正すのがとても厳しい。
でもバルバドス神の祝福のせいか、信仰力が上がったせいか、魔物の被害も減り作付けがあがるなど目に見える国土の豊かさに……生活が楽になるにつれどんどん変化していった。
そうそうお祖父様にも春が来た。
習慣となった私の庭園を訪れた時に、知り合った優しそうな御婦人だ。
仲睦まじく寄り添う様子に、王族みんながこっそり涙した。
そして私達の結婚式は、たくさんの花とたくさんの笑顔が溢れる温かなものとなった。
それを見た他国の使者たちは、この話を広め周辺国でも信仰力アップに動いているらしい。
え? しあわせかって?
もちろん! だって、神に愛される程の素敵な旦那様と家族と、お花と笑顔に囲まれてるんだもん!!
こうして、花咲姫と呼ばれた私はしあわせにくらしましたとさ……めでたしめでたし。
ん? アレックス様の魅力に気がついた他の女性はいなかったかって??
そんなの笑顔で(ゴールドとオリビア様と一緒に)ぶっとばしてやったに決まってるじゃない!
もちろん決め台詞は「いまさらもう遅い!」って、転生小説あるあるの決め台詞を言ったとか、言わないとか。
それは……秘密。
長い間お付き合いくださりありがとうございました!
え?「今さらもう遅い」は、ジャンル違いですか?(*´ω`*)ふふふ。いや、流行りに乗ってみたかっただけです。
のれてません(笑)
少し落ち着いたら、普通に花を咲かせながらいちゃいちゃする話と、もっとたくさんの花を調べて咲かせる予定だったので面白く、美味しく(笑)咲かせる話を追加したいと思います!
そして、短編が一つコミカライズも決まっておりますので、そちらも楽しみです!
あとハズレ令嬢の小説とコミカライズもお手にとって頂けたりなんかすると嬉しいです!
次回作は……またお月様の方で一つあげる予定です。
そして、書きかけの「あれ?死ぬのでは?」の方も完結までがんばります!




