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1 プロローグ

昨日のお誕生日お祝いコメが嬉しくて、ついつい投稿します。




「あら、丁度良かったのではありませんか?」


 水を打った様な静けさのなか、場違いな程に明るい声で発言するのは、この国の第四王女マデリンだった。



「ふふふ。だって、王家には王女が数人おりますもの。でも……そうね、あの国ならお姉様がお嫁に行けばよろしいのではなくて? あんな岩と砂だらけの、なぁ〜んにも無い国ですもの。役立たずの……ふふふ『花を咲かせるだけ』のお姉様も大切にしてくださるんじゃないかしら? あら、でもお花じゃお腹は膨れませんわねぇ〜うふふふ」



 困ったわぁ……ねぇ? と、豊かな金の髪に吸い込まれそうな蒼い瞳を瞬かせ『美』のギフトを持つ妹が、心底意地の悪い笑顔を歪めながら楽しそうに言う。それでも美しく見えるのだから、器用な事だ。


 同じ年の妹は特に私のことが……平民の母から生まれた私のことが嫌いなのだ。


 

「ふむ。確かにあの国であれば、花だけでも貴重であろう。本来なら第一王子の『水を操る』様な素晴らしい力を求めておるのであろうが……」


 父である王はチラリと私の方を見てから馬鹿にしたように鼻で笑い、また全体に宣言するように話し始めた。


「かの国の此度の討伐成功報酬は、食料支援と王族の嫁だ。今回はかなりの数の大型魔獣が含まれていた為、向こうの犠牲も大きかった。

 成功報酬は我国であっても金貨ではとても賄いきれまい……かと言って我が国に必要なギフト持ちである第一王女は出せぬ。さらに、第二王女は白夜の国に先日嫁入りが決まったばかりであるし、他の姫はまだ幼くギフトも不明だ。二人の内どちらかに嫁いで貰うつもりじゃが……」



 とうとうこの時が来た。緊張でゴクリと喉がなる。

 どうか、どうか、うまくいきますように……。



「お父様! 我国にも帝国にも花はたくさんありますわ! でも私の美しさを以てすれば、帝国の正妃も夢ではありません!! それにあんな魔獣が出る様な野蛮な国なんて嫌ですわ! まだこちらにどんな姫がいるのか知らないのでしょう? 特に希望も書かれていないのですから、この国の為にも、役立たずのお姉様が行くべきですわ」



 フンと息も荒げて話しているけれど、こんな態度ではいくら美しくても帝国の正妃にはなれまい。よくて側妃がいいところだろうに、わかっていないんだろうな。

 まあ……わが国は帝国に縁づく事が出来て結納金がたくさん入れば、それでも良いのだろうけれど……。そして帝国でも政治バランスを崩す様な、そんな大きな(ギフト)も望んでいないだろう。だから、妹は丁度いいのか。お互いに。




 暫しの沈黙が重苦しい空気を纏って緊張感が増していく。王はこめかみをトントンと叩いている。「花か……しかし、最上位……」その呟いた言葉を聞いて妹の美しい顔が更に歪む。

 嫌な沈黙が続き、永遠の様に感じる。


 この建物は私の()()()()()古代のパンテオン神殿の様な、開け放たれた解放感のある建物なのに息苦しくてしょうがない。







「まぁ、花も咲かない様な北の大国に相応しいのは第三王女か……」


「それでは、そのようにお返事させて頂いてもよろしいでしょうか」 


 いままで沈黙を貫いていた宰相が確認とばかりに発言する。そこで王を中心に、そこに並ぶ王妃や側妃そして王子と王女が皆一様に父王を見つめた。



 王は目を閉じたまま、しばらく沈黙した後答える。


「此度の褒美として、第三王女フローラをバルバドスへ嫁がせる事、また結婚祝いと合わせて一年間の食料支援とする。これは王命である。わかったなフローラ」





「はい。仰せのままに。

 そして皆様に私から最後のギフトの祝福を」



 そう言ってテーブルの上いっぱいに、黄色の薔薇を溢れんばかりに咲かせた。


 父である王は、花がたくさんあってもしょうがないとばかりに首を振り……そして、改めて嫁に出すのは私と判断した事に満足そうだ。


 また他の妃や王女や王子達の反応もそれぞれだった。花の好きな王女は一輪手にとっていたし、王子はなんの関心も示さない。

 第四王女マデリンとその母は「こんなにゴミを散らかして嫌だわぁ〜」と私の方を見てにやにやしている。




 私はそれぞれが退出するまで、部屋で頭をさげたままでいた。目を閉じるとあの黒い髪の彼を思い出す。やっと……会える。









 こうして、呪われた北の大国バルバドス国への褒賞の一つに……私の結婚が決まった。












できたら、今日はもう一話あげたいなと思います ( *´艸`)


黄色い薔薇のネガティブの方の花言葉は「嫉妬」「愛情の薄らぎ」「不貞」「不誠実」

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― 新着の感想 ―
王族だから、開化結実という農家にとって当たり前の知識、無いんですね。 “美”のギフトって、何の実利があるギフトなんでしょうね?
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