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【完結済】傷だらけのGOD MARAの呪い 氷結のサバイバル!  作者: 吉田真一
第14章 DeathWord(死の合言葉)
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第3話 仮説

「まだこんなに幼いノニ......可哀想ダナ」


一方、アレクは沈痛な表情を浮かべ、そんな黒髪の少女の前で十字を切った。


「しかも......この少女、殺されたみたいだぞ」


少女の首に銃弾の痕がくっきりと残っている。疑う余地は無い。目を瞑り、少女の前で日本式に手を合わせるエマ。南無阿弥陀仏......


残念な事ではあるが、この村に到着してからと言うものの、見た物と言えば死体ばかりだった。死体、死体、死体......とにかく死体ずくめだ。


①肉片と化したバラバラ死体が家の外と中で約10体。

②村人の撃ち抜かれた死体が大人のみで約30体。

③平家のベッドに寝かされた村長と娘の死体が計2体。


大きく分けると、それら死体は3つに分類する事が出来る。エマは少女の前で目を瞑りながら、この難解なパズルを解きに掛かった。まずは一旦、頭を整理しよう......


死体は全部で3種類。時系列でいくと、まず最初に殺されたのはベッドの上の『村長』と『ダリア』だ。村人達よりも後に殺されたのならベッドの上に寝かせる人間が居ない。そうなれば、次に死んだのは村人と言う事になる。身体に撃ち込まれた銃弾がそれを証明していた。撃ったのが肉片と化した『ヴァローナ』である以上、『ヴァローナ』よりも先に死んだ事は明らかだ。


そして最後に殺されたのは。残る『ヴァローナ』。以下はあくまでも仮説に過ぎないのではあるが、まず何らかの理由で『ヴァローナ』がこの村を訪れ、村長と娘のダリアを殺した。次に、再び『ヴァローナ』がこの村を訪れ、今度は村人達が『ヴァローナ』に襲い掛かったものの、逆に返り討ちに遭った。そして『ヴァローナ』も村人の大人を全滅させた後、自らも何者かの手に寄って全滅の憂き目に遭った。


では一体、誰が『ヴァローナ』を殺したと言うのだ? しかもバラバラに......村長親子が死んで、村人が死んで、『ヴァローナ』も死んだ。理論的には、この村に滞在していた別の誰かが最後に『ヴァローナ』を殺したと言うことになる。


エマはポケットから一枚の写真を取り出した。マーラの写真だ。


ソフィア、いやマーラ......昨日、君は間違い無くこの村に居たよな......この村から舟で大陸に渡ったんだろう?

そうで無けりゃ、時間的に大陸の港で、防犯カメラが君の姿を捕らえる訳無いもんな......


『ヴァローナ』を皆殺しにしたのは、君なのか?だとしたら、一体君は......何者なんだ? 何でそんな事が出来るんだ?


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