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第7話 脱出

もはや、説明の必要は無かった。カミラは鬼の形相で正面を見詰めている。何をそんなに一生懸命見ているかと言うと、それは......真っ赤に燃え盛るキッチン。やはり、そこだった。


3人の狩人は、間違いなく玄関で待ち受けてるに違いない......だからこそ、ここは多少のリスクを負ってもキッチンの勝手口を目指すべき。家の外へ出てしまえば、村人達だって居るんだからきっと助けてくれるに違いない。


でも......何でなんだろう? これだけ大きな火が上がっていれば、村人達だって絶対に気付いてる筈だ。でも騒がしいのはこの家の中だけ......外は驚く程に静かだ。


まさか、誰も気付いてないって言うの? そんな事、ある訳が無い。もしかして、外の3人が既に村人達を?!


ダメ......今はそんな事考えてる場合じゃ無い。とにかく、一刻も早くこの家から出なくては!


カミラは1回大きく深呼吸すると、


「ベーラ、しっかりあたしに掴まってなさいよ! 走り出したら、頭を引っ込めてね!」


「わ、分かった......」


「じゃあ行くわよ? はい3、2、1......GO~!」


ザッ、ザッ、ザッ! カミラは遂に炎の中へと突撃を開始する。身体が焼け付いたとしても、この心臓が止まったとしても、絶対に足だけは止めない!


そして、この家が無くなっても、あたしが帰らぬ人となっても、ベーラだけは、絶対に救ってみせる! なぜなら、たった1人の大事な妹なのだから......


そして、5メートル。カミラは一気加勢にリビングを駆け抜けていく!


やだ、髪の毛が燃えてる......なにくそ! 髪の毛なんてまた直ぐに生えて来るわよ!


ザッ、ザッ、ザッ! 怯む事無く、カミラは走り抜けていく。そして、3メートル。いよいよ、目の前は最大の難関たるキッチンだ。ここでスピードを落とす訳にはいかない。ちょっとでも減速しようものなら、ここでローストチキンの出来上がりだ。


ザッ、ザッ、ザッ! そして、残り1メートル。熱い......熱い......でも熱いのはベーラも一緒! ここであたしが挫けてなるものか!


そして遂に、灼熱地獄からの脱出だ。バタンッ! カミラはベーラを背負ったまま勝手口のドアに体当たりする。


気付けば頭上に、星空が広がっていた。そんな無数の星を視界に捉えたカミラは、


やったぁ、出れた......


それはカミラとベーラが1度は渡り掛けた三途の川から今、正に舞い戻って来た瞬間だった。


ハァ、ハァ、ハァ......ベーラを背負いながら、両手を膝に付き苦し気な呼吸を繰り返すカミラ。しかし、休んでいる暇などは無かった。


勝手口から自分らが脱出した事に気付き、いつ狩人の3人がこっちへやって来るか分かったものでは無い。


こうしちゃいられない!



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