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【完結済】傷だらけのGOD MARAの呪い 氷結のサバイバル!  作者: 吉田真一
最終章 аврора(オーロラの審判)
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第32話 MARA

「そう言えばすっかり忘れてたけど......確かウォールは、秋葉秀樹の遺産が欲しくて、マーラさんを追い掛けてたんだよな?」


圭一は記憶を辿りながら、美緒の朗読にカットインを入れる。


「それで秋葉秀樹の遺産は、この『氷の方舟』の中に、あった筈デスヨネ? 確かエマサンがそう言っててマシタ」


「きっと、この手紙の続きにその事が書かれてるんでしょう? じゃあ続きを読むわよ......」


「「お願いします」」


ペコリと頭を下げる圭一とポールだった。美緒は再び、手紙の文字に視線を向ける。その文字はロシア語、しかもかなりの達筆ときてる。とてもでは無いが、男性陣の2人の語学力で解読出来る訳も無かった。美緒の読解力だけが頼りだ。


『父はウォールに、遺産は「莫大な金額」と伝えています。だからこそウォールは、その在り処を知っている私を、死にもの狂いで探していた訳です。


でも実際のところは違います。父の遺産は、お金などと言う卑しいものでは無かったのです。父のそんな遺産は、若かりし頃に撮ったウォールと父2人の写真の中に隠されています......』


「遺産はお金じゃ無い?! だったら何だって言うんだ?」


「どっちに転んでも、秋葉秀樹はウォールを騙シテタって事にナリマスヨネ」


「それと......秘密を写真の中に隠すなんて、本当に父らしいと思います」


「確かに、秋葉秀樹らしいな......」


「僕もそう思いマス......」


「いいかしら? 続けるわよ」


ちょっとイラッとした口調だ。いちいち話を止めるな! そう言いたいのだろう。


「「「お願いします」」」


美緒は再び手紙に目を向け、朗読を開始する。


『もちろん、その事をウォールは知りませんが、図らずもその写真をウォールは宝物のように扱っていると父から聞いています。写真はウォールの茶室の壁に掛けられている筈でした。でもさっき見た限り、茶室の壁にそんな写真は見当たりませんでした。


きっと何らかの理由で茶室が火事になった時、ウォールが慌てて持ち出したのでしょう。なんせ、既に亡くなった親友との大事なツーショットな訳ですから......それと、写真を見ただけでは、遺産の秘密は分かりません。私と父しか知らない秘密のパスワードが設定されているからです。


見ての通り......この船は完全に倒壊してしまいました。私とソフィアは運良く脱出する事が出来ましたが、エマさんとウォールの安否につきましては不明です。エマさんは生きている......そう信じてはいますが、ウォールも知っての通り、しぶとい人間。


ウォールが生きていて、この手紙がウォールの手に渡らないとも限りません。よって、遺産の内容と写真に設定されたパスワードはこの手紙に記さない事にしました。でもきっとエマさんなら、パスワードが分かる筈です。どうか父の遺産を手に入れて、世の中の為に役立てて下さい。


ソフィアの為......そして大好きなお母さんの為に、わたしは今日を持って『無』に帰ります。2度と現れる事は無いでしょう。それが誰に取っても一番いい......私はそう思うんです。


最後にソフィアさん......あなたの事はお母さんからよく聞いています。いつもお母さんを助けてくれててありがとう......私は残念ながら、人間ならざる者としてこの世に生を受けてしまいました。


でも......優しいお母さんの子として生まれて来れた事、それとあなたの『姉妹』でいれた事は、私にとって最高の幸せでした。それだけは胸を張って言える事です。本当にありがとう。


これからもどうか私の分まで、お母さんを助けて上げて下さい。それと私の大事なあなたも......どうか幸せな人生を送って下さい。私は影でいつもあなたを見守っています。応援しています。まだこれからの長き人生を精一杯生きて下さい。それでは、さようなら......大事な皆さんへ。MARA』



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