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人嫌いの少年は異世界で成り上がる〈新たなる神話〉   作者: RARI ~毎日更新中~
戦争と呼べば、闘いと呼べば聞こえは良いが、ただの殺し合いである
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57話 訓練

「あぁアーヴァンクの素材か。良いかもね」


「でも、結局伸縮性って言っても着替えなきゃ駄目だろ?」


「いや、アーヴァンクの素材は……と言うかアーヴァンク自身が特殊な魔術持ちなのさ。うーんと〈詐称〉って魔術。アーヴァンクはサイズを〈詐称〉してるって事。ほら、大きい方が怖いだろ?」


「じゃあ、本当はもっと小さいのか?」


「そうだね。勿論、地球サイズとまではいかないけど」


「それよりも、〈詐称〉を使えば服の着替えをしなくて良くなるのか?」


「あぁ。服が自動で変わるようになる。勿論、実際はそんなこと無いんだけどね」


「まぁ、機能的に変われば良いだろ?」 


「そうだね。着心地が悪く無くて、防具としても使えればだね」


「それなら、アーヴァンクはバッチリだ」


 刀袮達が話している後からローラの声が聞こえる。


「おぉ、ローラ。回収は終わったのか?」


「あぁ、今は解剖中だ。なんせ、あのサイズ解剖には時間がかかるからしばらく待ってくれ」


「じゃあ……余ったら軍の武装強化に使おうか」


「い、良いのですか?」


「うん。他に作る物なんて無いでしょ?」


「えぇ。俺の武器は? それに装備も」


「そうだね。防具は作ろうか……武器は…まだだね」


「なんでだ?」


「他にも試したいだろ? それに、あの2本に絞るとしても……メイン武器は固定しないと器用貧乏になるよ?」


「あぁ、そうだな。私も、補助武器は数個使うが、主武器は、両刃剣のみだ」


「剣ねぇ。ローラって剣は誰から習ったんだ?」


「私は、お父様に剣の師を付けてもらってな。そのお方に教えてもらった」


「師か……俺も、誰かから教えて貰おうかな…」


「それは良い考えだな。これから、私達の訓練に来てみないか? 私は、剣しか教えれないが槍なんかなら、通ずる物があるかも知れない」


「それいいんじゃない。刀袮と羽孔行ってきなよ」


「よし、じゃあ行くか」


「そうだね」


 ◆◇◆◇


 ローラに連れられ、訓練場に来ていた。そこは、完全に小学校等の体育館。


「でも、なんで体育館なんだろうな?」


「さぁ? でも、あいつが作らせたんでしょ?」


「あいつの趣味らしい」


「趣味」


 刀袮が理解できずにいると、羽孔が耳打ちで教えてくれた。


「あぁ、趣味ってそういう事か……変態め」


「まぁ、過ぎた事だ。それより、もうすぐ、集合時間だ」


「訓練って何するんだ?」


「そうだな。まずは軽い運動をして、後は対人戦の練習が多いな」


 そんな事を話していると、入り口からゾロゾロと人が入って来る。こちらに気づくと、だるそうに歩いていたが、キビキビと歩き、ローラの前まで来ると、整列して並ぶ。


「団長。38人、集合しました」


「あぁ。シックは?」


「シック殿は、後に来ます。トラジロウ殿は……」


 団員の中で、1番偉いであろう人が言いづらそうに言葉を探す。


「はぁ。いつもの事だな。では…取り敢えず外周だ。列を組め」


 ローラが、声を張り上げ指示を出す。団員達は、一糸乱れぬ動きで整列する。


「刀袮達も並ぶか? 私と、見学していても良いが?」


「んじゃ、走るか?」


「そうだね」


 刀袮達も団員の後ろに付く。ローラは、懐中時計を取り出すと、時間を見る。


「では、始め」


「「「はっ」」」


 団員達は一斉に声を張り上げ返事をすると、走り出す。数分後には、刀袮達と団員達には一周以上の差ができていた。


「はぁ、はぁ、はぁ」


「疲れたぁ。もう無理」


「おぉ、殿。一緒にやって居られるのか」


「おぉ。いつの間に来ていたんだ?」


「今来たばっかだぜ」


「そ、そうか」


 そして、30分ほど経過して、ローラの声が響いた。


「やめ。皆、歩け」


 団員達は、走るのを止めると一斉に歩き始める。


「はぁ、はぁ、はぁ」


「殿。歩いた方が良いぞ」


「そ、そうか。はぁ、はぁ。でも、皆、早え、なぁ」


 刀袮と羽孔は息が切れ切れで話すのもやっとだった。しかし、団員達は、最初こそ肩が少し揺れていたが、次第に収まり今は普通に歩いている。


「うーん、まぁ、毎日走ればこの位は行けるぞ」


「では、一旦集合」


 団員達が集合し、整列する。刀袮達も習い並ぶ。


「皆、気づいてると思うが、今日は、刀袮殿達が来ている、訓練はいつも通り行うが……取り敢えず、行ってくれ」


 団員達は、掛け声を上げ広がると1対1で、訓練を始める。


「どうするか……取り敢えず、トラジロウと戦って見るか…。まずは、刀袮から」


「おし、殿勝負だ」


「体術か」


 刀袮とトラジロウが見つめ合う。ローラが間に入ると、手を上に上げ、下げる。


「始め」


 その掛け声と共に、刀袮は全身の魔力を足腰重視で全身に流す。〈身体魔法〉だ。


「ん? その魔法……そっちの世界のか。面白い」


「よく気づいたな」


「野生の勘って奴さ。さぁ、行くぞ、殿」


 トラジロウは、手を前に出すと刀袮めがけ突き出す。刀袮は回避しようとするが、避けれないと思うと、前に出して来た手を弾き、空いたスペースに殴りを入れる。しかし、感触は無い。既に、刀袮の後ろに回られている。そして、後から殴られる。限界速度で回避しようとするが、よけ切れず背中に当たる寸前。


「そこまで」


 ローラの掛け声で、トラジロウの拳が止まる。


「ふぅ。あぶねえ。危うく、負けるとこだったぜ」


「いや、無理だ。反応仕切れねぇ」


「では、次。トラジロウと羽孔」


「俺の分も頑張れよ」


「いや、無理だよぉ。刀袮のか僕より強いし」


「技ならともかく力なら行けるだろ。ほら、ガンバ」


 無責任な態度で羽孔に丸投げする。


「始め」


 ローラの合図。羽孔はすぐに全身に、魔力を流すと、〈身体魔法〉をかけ、トラジロウに向かっていく。


 トラジロウと羽孔は手を出し合うと掴み合い、力で押し合う。力では同程度だったらしい。しかし、羽孔には強みがあった。

お読み頂き有り難うございます。

昨日は……色々あって更新できませんでしたが、また、更新していきます!!

感想等々お待ちしております!

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