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人嫌いの少年は異世界で成り上がる〈新たなる神話〉   作者: RARI ~毎日更新中~
既に狂っていた歯車の露見
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21話 新しい日常

 ー森ー


「なぁ、今日はどのくらいいるんだ?」


「そうだね。とりあえず二十体ぐらい狩れるまではいるかな。とりあえずこのへんでいいかな。これ飲んどいて」


「エリシキル剤か?」


 そう言いながら刀袮は瓶の中身を飲み干す。ヤルダバオトは杖を取り出した。


「そうだね。【腐臭】【分散】」


「うーん、やっぱり臭いな」


「そうだね。まぁそのうちなれるよ。さぁ来たから構えて。こいつも今の刀袮なら倒せるよ」


 そう言われると、刀袮は、フットマンズ・フレイルを構える。


「お、レッド・ボアちゃんじゃないかしかも雄か」


 ダッダッダッ


 刀袮を見つけるやいなやレッド・ボアは刀袮に突進するべく走り出す。刀袮はフットマンズ・フレイルを大きく上に構えそのまま突進してきたレッド・ボアに叩きつける。 


「よっこいしょぉぉぉと」


「はい、一撃与えたら後退して」


「こ、後退。OK」


 ヤルダバオトに言われた通りに刀袮は後ろに五歩程下がる。


「なぁ、なんで下がるんだ?」


「なんでって生きてたらそのまま突進されて内股に牙が刺さってるよ」


「う、確かに。な、なぁあれ死んでるから?」


「うん。もう死んでるよ」


「うーん。しかし、気持ち悪いだけは消えないな。あ、そうだ」


 そう言うと刀袮は頭の中で「これは気持ち悪くない」と唱え続ける。


「あ、なんかいけるかも」


「お、できたじゃん」


「うん、なんか唱え続けたらできた」


「良かったじゃん。じゃあじゃんじゃん行こう。もうすぐくると思うよ」


「OKOK」


 そう言いながら刀袮はニコニコと笑っていた。


 ◆◇◆◇


「おりやぁぁぁ」


「よいしょお」


「どっこいしょぉぉ」


「ふぅ、疲れた。でもここレッド・ボアしか出てこないな」


「そうだね。この辺は国の管理してる地域だからね」


 刀袮の眼前には約二十匹のレッド・ボアの山ができていた。


「やっぱり、この能力強力かもしれない」


「あぁ、最高だよ」


「な、なんか怖いんだけど」


「そうか?」


「そうだよ。手も顔も血だらけで笑いながら武器振り回してたら怖いよ」


「確かに。でも凄い楽しかったぞ。なぁこれってどうやって戻すんだ?」


「え、知らないけど何もしなければ勝手に戻るんじゃない」


「そうか、とりあえず今日はこの辺にするか。いっぱい狩れたし」


「そうだね、もう暗くなりそうだし。素材の剥ぎ取り時間考えたら今からやったらいい感じだろうね。じゃあ僕が牙やるから刀袮は目と尻尾やってって」


「了解」


 そう言うとヤルダバオトはレッド・ボアの山に近づくと一体のレッド・ボアの牙を【切断】と唱え落とすと刀袮の方に投げる。刀袮は鞄からナイフを取り出すとぎこちない手つきで目と尻尾を取って瓶と皮袋に入れていく。


 〜数十分〜


「あと、どのくらいだ?」


「〈切断〉しながら数えてたけど全部で二十三匹いたからあと十三匹だね」


 そう言うとヤルダバオトはレッド・ボアの目と尻尾を落としていく。しかしヤルダバオトもぎこちない。


「そのうち、革の剥ぎ取りも覚えないとね」


「そうだな。あ、羽孔に覚えさせればいいんじゃないか?ほら参考書的なの借り手ってさ」


「あー、それもいいかもね。でもそれには完全な人化できないとね。あのまま外出たら間違いなく魔物扱いだね。」


「そうだな」


 ◆◇◆◇


「ふぅー、終わった。よし帰ろうか。刀袮武器持って僕は牙の袋持つから」


「おう、わかったぜ」


「このまま、宿屋に行くのか?」


「そうだね。一回宿屋に行って。昨日の分の牙を持ってきてそれから換金かな。」


「了解」


 ◆◇◆◇


 ー冒険者ギルドー


「おぉー、沢山狩ってきましたね。どのくらい狩ったんですか?」


「全部で二十三匹だよ」


「二回目にしては凄いですよ。じゃあちょっと待っててください。今確認しますので」


「なぁ、あの人暇なのか?」


 刀袮達は冒険者ギルドに入るとすぐにレイルに捕まり対応用のスペースに通された。


「まぁ、僕達専属って言ってたしね。それにあの列に並ぶのは大変でしょ?」


 そう言うとヤルダバオトは素材鑑定窓口に並ぶ列を指差す。そこにはかなりの人数が並んでいる。


「そうだな」


「おまたせしました」


 そう言うとレイルが銀のトレーを二枚持って帰ってくる。


「では、ここに目と尻尾を出してください」


「牙はどうすればいいですか?」


「あ、牙はとりあえず置いといてください」


「了解です」


 そう言うと刀袮は目の入っは瓶をヤルダバオトは尻尾の入っは皮袋をだしそれぞれ別のトレーに中身を載せる。


「そうですねぇ」


 そう言いながらレイルは出された目と尻尾を観察しだす。その後レイルは皮袋を取り出すと銅の硬貨を数十枚と銀の硬貨を数枚取り出す。


「これだけになりますね。よろしいですか?」


「はい。了解です」


 そう言われるとレイルはトレーごと目と尻尾を持っていった。


「おまたせしました。では次牙の査定に参りたいと思います。牙は何本ですか?」


「あ、数えてない」


「ん?そんなの二十三×二で四十六本だろ?」


「違うよ。雄と雌でそれぞれ違うんだよ。それに昨日の分もあるし」


「えぇ、全ての牙を取ってこれたんですか?一体何で?」


「内緒です。これは僕達の集落にしかない技術なので。すいませんね」


「そ、そうですか了解しました。ま、まぁとりあえず出してください」


「了解です」


 そう言いながらヤルダバオトは牙の入った皮袋を出すと中身を机の上に出した。


「で、では見ていきますね」


 そう言うとレイルは雄の牙と雌の牙で分けていく。


 〜数分〜


「はい、終わりました。これくらいですがどうでしょうか?」


「はい、ありがとう御座います」


 そう言うとヤルダバオトはレイルの出した硬貨を回収する。


「で、では」


 おかしい、そんな集落あったらとっくに見つかってるはずだし技術なんて、、、しかも牙の切り口は完璧だった。それにあの男の方、あんな複雑な計算を暗算で?何かある。


「この後はどこか行かれるんですか?」


「そうだな。どこ行くんだ?」


「そうだね。何かご飯を買ってそのまま宿屋に戻るかな」


「そうでしたか。ではまたのお越しをお待ちしておりますよ」


 ◆◇◆◇


 〜街道〜


「どうする?どこかに食べに行く?」


「ん?どっちでもいいぞ。あ、でも疲れたから早く宿屋のベッドに、飛び込みたいな」


「じゃあ、その辺の露店で何か買っていこうか」


「あ、俺あれがいい」


「じゃあ、あれにしよう」


 刀袮はそう言って、露店の方に歩いていく。


「おう、兄ちゃんたち。何にする?」


「じゃあ、俺はこれでヤルダバオトは?」


「僕も刀袮と同じのでいいよ」


「じゃあ、これ二つ」


「あいよ、ちょっと待っててな」


「ヤルダバオト?いくらだ?」


「はい、これで足りるよ」


 ヤルダバオトは刀袮に数枚の硬貨を渡す。


「ありがとな」


「はい、兄ちゃん。これ商品な」


「はい、これで足ります?」


「はい、ちょうどですね。毎度あり」


「ありがとう御座います」


 そのまま、食べ歩きをしながら宿屋に帰っていく刀袮とヤルダバオトなのだった。

お読み頂き有難うございます。

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