75.蹂躙と報復3
今回も短いです。
※注意:「蹂躙と報復」では若干の性的な表現が含まれています。不快に思われる方は飛ばしていただくようお願いたします。
明け方、着替えを済ませたシロイは、タライを片付けてタオルを干して寝室を訪れた。
昨夜は初めての体験がいくつもあったため、身体も心もまだ落ち着いていない。
しかし、寝室で呻いている姿を見ると、気分が落ちた。
昨夜の艶姿は幻覚だろうかと思えてくる。
薄い毛布にくるまって頭を抱えているカリアは、二日酔いで呻いていた。
油断すると鮮烈にフラッシュバックする記憶が、酒の勢いで残されたものだという不満はシロイの頬を膨らませる。しかし蘇る記憶による頬の赤みと、緩みかけた口元のほうが目立つ。
それは自覚する以上にカリアの呟きに反応していた。
「…………うぅ……途中の記憶が飛んでる……全部忘れたくないのに……思い出せない……」
「忘れてくださいっ!」
「っっ! ……うぅ〜……」
どうやら昨夜の行為、というかシロイの痴態を反芻しているらしい。
それが部分的に抜け落ちているのを嘆き、痛む頭を抱えて反復している。
時折その中身が口から溢れて「シロイ、可愛い」「もっと続けてほしい?」など、昨夜聞いた言葉が耳に届く。
反射的にシロイが叫べば、頭に響いたのだろう。
びくり、と身体を硬直させてぐったりと倒れ伏し、荒い吐息をこぼす。
それがまた昨夜の艶姿を想起させて、シロイは視線を逸らして声を荒げた。
「だ、だいたい! なんの同意もなしで、あんなこと…………反省してくださいよ!」
思い出すだけでも恥ずかしさで身悶えるような記憶を反復されて、シロイの叱責は強い。
身悶えるカリアを見ても蘇る記憶は、語気を強めても宥める要素がない。
昨夜、散々蹂躙された分、報復は続いた。
後に、この時のことを経験として。
「……いじめられるのもありかもしれません……」
と、カリアが方向性を広げたことや。
「……後半、ちょっと楽しくなってたのは反省しよう……」
と、シロイが嗜虐心に目覚めて反省したことは、それぞれの秘密である。
ちょっとバカップルっぽい二人がいちゃいちゃしているだけだから、問題ないよね?
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