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13.迷宮に潜る者たち3

冒険者たちが生活の糧を得ているメインの場所、『迷宮』を見ています。


周辺の生物が生息域を広げて入り込むのも、冒険者たちが糧を得るために入り込むのも、同じようなものかもしれません。

 


 迷宮の産物というのは魔物だけではない。

 採取できる鉱石は燃料や宝飾品になる。

 土や水でさえ、肥料として有用な場合もある。


 生息する魔物がある以上、食われるものも当然あり、魔物がいる付近では小動物や昆虫、草花なども確認されている。

 だがこれは迷宮の浅層を超えて、中層に入ってからの話になる。




 浅層では陽光のない暗がりをさまようことになる。

 道に穴が開いていることもあり、その下は泥沼や水没している場合もある。そこから大量に湧いて出る虫や、それを餌にする大ガエルの鳴き声にうんざりする場所だ。


 得られる鉱石もあるが価値は低く、迂闊なことをすると崩落する危険さえあるため、旨味も少ない。

 複雑に道が絡み合っているため、迷っているうちに力つきる者も少なくない。



 しかし中層以降では鉱石が、あるいは天井が光を放っている。


 選んだ道によっては周囲の様相は一変し、地下であるはずなのに空が見えるなどの不条理も起こる。

 そうした不可解、不思議に魅力された者たちは、より多くより深く迷宮を調べ、様々な現象に遭遇していく。

 その中で奇譚や物語、詩が生まれ、語られ唄われるようになる。



 近年この迷宮から発祥した一つが、『迷宮精霊』の存在である。



 それは薄く輝く衣を纏った子供のような姿で、冒険者たちの前に現れる。

 傷ついた者には癒しと帰還への導きを。

 求める者には問いの答えを。

 襲いかかる者には死を。

 幾許いくばくかの品を代価として受け取り、迷宮の奥へと消えていくのだという。





 自分がそんな風に唄われていることを知らないシロイは、中層にある小部屋でハーブを採取しながら鼻歌を歌っていた。






『迷宮精霊』の逸話は冒険者たちのノリも入っているため、どこまでが事実なのか定かではありません。

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