123.蛇足2 主要人物、概要およびその後
本編は121話が最終話になります。
こちらは蛇足的な、キャラのその後、のようなもの。
なお、大部分のキャラについて記載がないのは作者もどうなったのかよくわかってないから。
キャラの概要というか設定というか、オチのようなもの。
本編のオチでもあるので、これから読む人は注意。
『国族ピトム』
魔力研究を行っていた世界で人為的に作られた子供たちの一人。他者より優越している個体を求められて作られたが、施設の管理ミスにより急遽廃棄が決定。反乱を恐れた管理者たちにより世界から放逐されたが、魔力により異世界へと堕界し生き延びた。
その際に居合わせた七人で遊んでいるうちに集まった信奉者が国家樹立を宣言。支配者として崇められる。
人や街をオモチャにして遊び、暇つぶしに小窓で覗きをする生活を続け、魔力による成長阻害から自らの身体を魔力で維持するようになる。
他の国族がそこまで至らなかったことは彼の自尊心を不動のものにさせた。
だがある日、その存在が消失していたことが判明。
他の国族の調査にて魔力を糧にする魔物に寄生されて自我を失くした姿が確認されたが、救出されたという話は聞こえてこない。
『ボレス』
現在の北街区長兼全街区総長。元『資金屋』家主で、そちらは息子のテオルに譲った。
全国族と周辺国の折衝に尽力し、街を首都へと発展させた立役者。
非常に子煩悩な人物であったとされる。
彼をモデルに孫娘を溺愛した様子を描いた喜劇、『北街の婿取り騒動』は他国でも広く愛されている。
『グヌル』
現在の北街区長補佐官。南街演劇場『シャトレ』支配人。
多忙な生活の中でいくつもの歌劇や演劇を生み出した。『北街の婿取り騒動』の執筆者として演劇界にその名を残した。
本人の遺言により、その遺体は同街の東街区にある集団共同墓地に埋葬された。
家族は持たなかったが、多くの俳優と女優に見送られ、彼の死は演劇界の損失とさえ言われている。
『トロイ』
魔道具『街路灯』や『投光器』などを作成した魔道具師。明確に彼の作品とされるものはその二点のみ。非常に頑固で無愛想な人物だったとされる。『大罪人』の師でもあるとされる人物だが、詳細は不明。
『カリア』
ボレスの一人娘であり、消息不明だった時期がある。その間は各国を巡っていたと言われている。帰国後の彼女は『戦母』と呼ばれるほどの強さを身につけていたとされ、腕試しに現れた多くの武芸者を、子供をあやしながらあしらったという逸話が残っている。
いつまでも若く美しい女性だったと言われ、たくさんの子宝に恵まれる。夫の姿は見られなかったが、子供の一人を夫だと語っていたというボレスの血筋を思わせる逸話がある。
『大罪人シロイ』
国族ピトムに対して暗殺を企てた魔道具師。露見して処断された。共謀を疑われることを恐れた住人たちにより、彼の魔道具や店舗などの痕跡は残っていない。
『迷宮精霊』
ある時期から迷宮で目撃が語られるようになった存在。
吟遊詩人の多くが歌うのは、
それは薄く輝く衣を纏い、君の前に現れる。
傷ついたならば癒しと帰還への導きを。
求めるならば問いの答えを。
襲いかかるなら安らかな死を。
幾許かの品を代価として。
迷宮の奥へと消えていく。
もし君に守るものがあるのなら。
もし君が愛する人がいるのなら。
その精霊に誓うといい。
それが真実であるのなら。
精霊は枯れない花をくれるだろう。
そんな歌である。
しかしそれが実在することを証明するように、精霊から『枯れずに光る花』を受け取ったという話は後を絶たない。
もし皆さんが異世界に行く機会があったら、記載されていない人々が元気にしているのか、会いに行ってあげてください。
……え? 癖毛で割れたアゴの男……?
なんの話だろうか、そんな奴は無いよ。勘違いじゃあないのかい?