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42.屋上

「紗代行くぞ〜」

「ま…雅斗…」


そういって迎えに来た雅斗に、囚人を引き渡すかの如く私の腕を手渡ししたのは言わずもがな、朱音である。

朝から雅斗を避けに避けた結果、逃げられない約束を取り付けられたのである。

4時間目前の休み時間、雅斗を避ける為に非難した中庭で、こんなメールを受信したのである。


------------------

FROM:越高雅斗

------------------

昼休み、屋上な。

------------------


さすがの私でもわかる。

雅斗…怒ってる…。

そして胃がキリキリと悲鳴を挙げる中、時間が止まるわけもなく、先ほどその瞬間を迎えたのである。

そして処刑台にでも登るような心地で雅斗に手を引かれて屋上へと歩く中、一言の会話もなく、何よりも一度も目を合わせることのないまま、重い扉の向こうに連れて行かれたのだ

そして――沈黙…。

――――。

――…。

――…そんなに怒っているんだろうか…。

一向に話し出そうとも、目を合わせることもしない雅斗に不安ばかりが募っていく。

それはもしかしたら自分の中にある後ろめたさがそうさせるのかもしれない。

そう思いつつも、紗代はまだ雅斗に打ち明ける勇気が持てずにいた。


「…ぁの…雅…」

「…ずっと考えてたんだ」


私の呼びかけを遮るかのように雅斗は紗代を見ずに話し始める。


「俺、なんかしたのかな…って」

「…ぇ、あ、ちがっ」

「そしたら、孝樹が教えてくれたよ」

「…ぇ…」


ドクンと心臓が跳ねる。

それが緊張から来るものなのか、恐怖から来るものなのかは、今の紗代にはわからなかった。

ただ、金縛りにあったかのように紗代の身体が動かなくなる。

上手く呼吸が出来ずに息も苦しくなっていく。


「…な、何…を…?」


心臓が煩いぐらいに鼓動を続けている。

このままの状態で行けば、そのうち心臓が壊れてしまうのではないかと思えるほどに。

雅斗が紗代を見て、安心させるように笑う。


「聞いてないよ、何も」

「え?」

「紗代から直接聞きたかったからな」

「……」


その言葉に紗代の中で安堵と落胆が入り混じる複雑な感情が湧き上がる。

そんなことになっていることなど知るはずもない雅斗は紗代と視線を合わせる。


「なぁ紗代。俺を信じて?俺はどんな紗代でも受け止めるし、手放す気なんてないんだから」

「…ま…さと」


きっと雅斗は気付いたんだろう。

私が恐れていることがなんなのか。

例え、理由は分からないとしても。


「ずっと傍にいるんだから、いつでもいいぞ」


そういって私の頭を撫でる雅斗は…どれだけ大人で、私はどれだけ子供なんだろう。

大きな手が暖かい。


「――雅斗、ありがと…。…ゴメンね」


そんな私の感謝と謝罪の言葉も、雅斗は何も言わずに笑って受け止めてくれる。

私はこんなにも良い友人達に恵まれてる。

孝樹も朱音も、まるで自分の事のように私の真剣に考えてくれているし、雅斗も私の事をこんなに心配してくれる。


「あのね、雅斗――私ね、雅斗の事がす……」

「あれ?紗代ちゃん!!」


紡ごうと思った言葉は大声で名前を呼ばれたことで口から出て行く事はなかった。

微妙に区切られたその言葉は雅斗が紗代に正面から言われたい言葉のようで、その人――北条帝(ホクジョウ ミカド)を雅斗が凄い目で睨んだのはしょうがない事かもしれない。


さて、紗代と雅斗が仲直りしちゃいましたね(^_^;)ずーっと喧嘩しっぱなしは嫌だったようです(笑)特に「雅斗が!」ですね。

今回雅斗と帝が初対面の癖にかなり険悪なムードになりそうな感じです。

ちょっと…ってかかなり話の流れがおかしい気がしてしまうのですが…作者の力量不足と言うことで許してください。。。

また来週ぐらいに更新できたらと思っています。

ではまた。



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