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25.カップル対抗障害物レース説明

会場には同年代ぐらいのカップルから、大体20代後半ぐらいのカップルまでが集まっていた。

人数は大体40組、80人ぐらい。

参加手続きを済ませるとそれぞれの名前が書かれた2枚の名札と、2枚の紙を渡される。


「この紙何にも書いてないね?」


紙をいたる方向から眺めてみたり、日に透かしてみたりしながら、朱音は不思議そうな顔をする。

それに相槌を打とうとしたその時。


「Ladies and Gentleman!本日はウォーターランドへようこそ!そしてこの、『カップル対抗障害物レース』にご参加ありがとー!」


マイクを使った大音量とともに競りあがってくる舞台の上。

そして、その舞台が見え始めた瞬間が沸きあがる歓声。


「…うっわ、金かかってんなぁ」


とボソリと呟いた孝樹の呟きに同意しながら、舞台の上を見る。

日本中で知らない人はいないんじゃないかというぐらい有名な男女二人組のユニット――AGEHA(アゲハ)――が笑顔でそこにいる。

芸能人では珍しくあの二人は本物のカップルでもあり、一緒に住んでるとかなんとかテレビでやっていたような気がする。

確か今年の≪こうなりたいカップル≫第1位に選ばれていて、今最も熱いアーティストとかでも上位に食い込んでいたっけ。


「まずルールを説明するわね。ルールは簡単♪必要事項をクリアしてゴールすれば勝ち♪」


満面の笑みでそういうKARINのその姿に、会場から『可愛ぃ〜〜!!!』との歓声が上がる。


「ってか、説明になってないし」


っとかボソっと呟いた孝樹の足を朱音が思いっきり踏んだのは…見なかったことにしておこう。


「KARIN〜それじゃ大雑把過ぎるって。んじゃ俺の方から細かく説明しよう。受付時に皆さん名札を貰いましたね?それは正面につけといてください。隠し持ったりしてはダメ。ではコースの説明をしましょう。こちらをご覧下さい」


HIKARUが指した方向にあるモニタにランド内の地図が映し出される。


「カップル対抗って事で、このレースはカップル二人力をあわせて行って貰う。コースの障害は全部で5つ。まずはここのボートエリアから二人でボートに乗ってもらう。ただし!!漕ぐのは女性のみ!男性諸君はいかに的確に女性に教えられるかがミソになるということだ。両方知らない場合はあーでもない、こーでもないといいながら進んでくれw」


HIKARUがウインクを決めた瞬間に『キャー、HIKARUに手取り足取り教えられたいー!!』とかいう声が至る所から聞こえる。

何人かは彼氏の横でそう叫んだらしく…我に返って平謝りしている人が数人見受けられる。


「朱音〜、ボート経験は?」

「…あるわけないじゃん」

「孝樹あるんだろ?教えてもらえばいーじゃん。紗代は?――ってあるわけ……」

「ぇ?あるけど」

『えぇ!?』

「…3人揃ってびっくりする事ないと思うんだけど…」

「…ぁーそういうタイプに見えないし。何処でやったんだ?」

「んーと川とかかなぁ?お父さんに連れられて釣りに行った時に…」


アウトドア好きな父に連れられて、キャンプに行っては釣りをして、海水浴に行っては海釣りをして…とかしてるうちにもうスッカリ私の中ではそれが普通になっていたりする――のに。


『釣りするの!?』

「ぇ…あ、はぃ…」


やっぱりそういうタイプには見えないらしい。


「続いて第二の関門は…ボート降り場から150メートルほど続く街道――あ、ちなみに観客いるから♪――を彼女を姫様抱っこで運ぶ事だ〜!」

『え゛っ!?』


綺麗に女性陣の声がハモったのと同時に、その場で真っ赤になる人も数十名。

そりゃ…人様の前で…ってのは恥ずかしい…よね…。


「ま、説明は要らないだろうが。男たるもの惚れた女一人運ぶぐらいの身体作っとかなきゃな♪ちなみに途中休憩で彼女を降ろしていいのは2回までだ!」


チラッと雅斗と孝樹を見ると二人とも余裕そうで、朱音を見ても辞退しよう!っと考えてるようには見えない…。

…どうやっても抜けられないかぁ…。


「続いての第三関門!ここまでが体力で来てるからな。この関門は知力だ。それぞれに示された問題を二人で時間内に答えられたら突破だ。続いてその場所のまま第四関門に入る。第四関門では二人の絆を確かめさせて頂きます。確認方法は辿りつけてからのお楽しみ♪」

『えーイヤーHIKARU教えてー!!ww』


もうさすがに慣れちゃった観衆の声はこの際キレイにスルーすることにしてっと。


「んーなんだろうね?4つ目」

「あの感じじゃ4つ目が一番キツイかもなぁ…。ってか、これ方法によっては別れるカップル出るんじゃね?」

「あーあり得るww」

「…3人とも余裕ね…(汗)」


上から順に、朱音、雅斗、孝樹、私の発言。

…なんでこのメンバーこんなに自信があるんだろ…。

私だけ異質………――考えないようにしよう…。


「さぁ!そして最終関門は…宝探しだぁ〜〜!範囲はこのアトラクションフィールドの中全て!ヒントとなるものは最終関門時に提示します。宝を探し出してゴール地点であるココにたどり着いたペアが優勝!ちなみにルール違反はその場で失格だ!皆!ルールは分かったかぁ!?」

『おぉー!!』

「では残り1分でスタートする!全員の健闘を祈る!」


そうして、怒涛のうちにスタートの合図が鳴らされようとしていた。

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