23.ウォーターランド
また数日開いてしまいました。。。
最近精神的に絶不調な作者です。。。
あぁどうして世界はこんなにも暗いんでしょう。。。
って愚痴ってもしょうがないですね。。。
でも人は何故生きるんでしょう?
人は何を求めるんでしょう?
幸せを求めるといいますが、何故幸せを求めなければいけないの?
そーんな捻くれた事を堂々言いきってしまう作者でふ。
気軽に、「これはどうかと思うぞ!?」ってところがあったらご指摘お願いします。
ついでに作者は人間どう足掻いても一人だと思ってます。
近くにいたって、好きあっていたって、結局は一人。
それは変えられない。
だからこそ体温を求めるんですかね?
まぁそういう考えの反動で書くのが物語なんですけどね。
でも結構その世界観が反映されてる所がたまーに垣間見えるのですが…。
出来れば彼らには幸せになってもらいたいなーっと思いつつ、その逆に波乱万丈にもしたいと思う作者でした(笑)
ではどーぞ、お楽しみ下さい。
容赦する事無く照りつける日差しと、煩いほどに泣き喚く夏の風物詩――蝉。
周りを見渡せば人、ひと、ヒト、HITO!!
若干その人の多さにうんざりしながらも、そこかしこで聞こえる水のせせらぎが遠退こうとする足を留まらせている。
「んじゃ、私達着替えて来るからー」
「おぅ、迷子になるなよー」
「紗代じゃあるまいし…ありえないね」
「え゛っ、ちょっ、朱美!?」
親友の言動に驚きながらも、全く悪気なんて持っていない親友に苦笑を返すと、二人で『女性更衣室』と書かれた建物へと入っていく。
「へぇ〜綺麗じゃない♪」
更衣室という場所は髪の毛が落ちていたり、濡れていたりであまり綺麗なイメージはなかったのだけど…ここは違っていた。
多分定期的に掃除が入っているのだろう。
床は乾いているし、ゴミも落ちてはいない。
どちらかというと温泉の脱衣所に近いような雰囲気でなんとなくホッとする。
手ごろなロッカーに手を掛けると、それぞれにカーテンの中に入って着替え始める。
今回の水着は淡いピンクが基調のビキニ。
本当は青とか水色がよかったのだけど…この身長にこの童顔だと似合わないことこの上ないので可愛いビキニにしてみたって事。
「紗代ー?終わったー?」
着替え終わって鏡を見ながら最終チェックしてる最中に、カーテンの外から朱美の声が聞こえる。
んーこんなところでこうやって声を大にして叫べるのは冗談抜きに凄いと思う。
「ん、そろそろ出るよー」
脱いだ服などを纏めてバッグに詰め込むとシャッっという軽やかな音を発ててカーテンを開く。
そこには、赤いビキニを着て仁王立ちする親友の姿。
「…派手」
「そっかな?似合わない?」
いや…どっちかっていうとそれが似合っているのが羨ましい…。
どっから見ても高校生には見えないです。
朱美はもともと身長あるし、運動部だけあって無駄な贅肉もなく、引き締まる所引き締まってる。
――の割りに出るところはちゃんと出てるから、ビキニが似合わないわけがない。
んー顔立ちに若干幼さはあるものの…『大人の女性』顔負けのスタイル。
それに比べて私は…いや、止めておこう――悲しくなるから…。
「いゃ、どっちかっていうと似合いまくってる。いいなぁー朱音は。スタイルよくて」
ぶつぶつと愚痴りながら手に持った鞄をロッカーの中に仕舞い混む。
鍵は暗証番号と鍵の二重ロックらしく、お金もかからないらしい。
最新式だなぁーなどと思いながら二つの鍵を掛ける。
「そ?紗代だってスタイルいいじゃん。ほらっ」
と、訳の分からない掛け声とともに身体に違和感――。
むにゅ…っと音がしそうなぐらい、背後から朱音に胸を鷲づかみに…○×☆△っ!?
「――に゛ょう゛ぬ゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
私の声に反射的に朱音は手を離すが、やっぱり悪気はないようで。
「――なんて声出してんのよ」
なんて私の方が悪いような発言をぶちまける。
「なっ!そりゃいきなり――む…胸なんて掴まれたら…っ!」
「じゃぁ断ればいいの?」
「そういう問題じゃなーーーーーーぃっ!!!!!」
「ちっ、面倒だな」
ちょ、今この人舌打ちしませんでした!?
ねぇねぇ、しましたよね!?
え!?これ私が可笑しいの!?
そんなだって、今まで誰にも…○×☆△っ!!
「はぃはぃ、わかったって。ほら行くよ?孝樹達待ってるだろうし」
私の心の葛藤をあしらうと、朱美…いや、――私の親友様はガッシリと私の手を掴み、更衣室をスタスタと歩いていく。
…私に人権はないような気がする…。
そんなことを思いながら更衣室を出た途端――。
こ、これは…何!?!?!?!?
「んー孝樹達何処いるんだろ?」
っと周りを見回す朱音は気付いていないのかも知れないけど…視線がっ!!!
すっごぃ集まってるんだけどっ!!!!!!!
その視線の先は言わずもがな私達だったりするわけなんだけど、私はというとピンクと白のパレオ着てたりするから、きっと全部朱音なんだと思うんだよね。
だから…。
「朱音…パレオとかないの?」
っとか控えめに尋ねてみたのに…。
「ない。暑いじゃない?」
あえなく撃沈…。
うぅ…この針で突付かれているかのような視線の嵐…どうにかならないわけ!?
私って引き立て役かな?
そうですよね引き立て役ですよね!?
っとか言ってる間に…。
「――朱音の姿がなぃ…」
右を見れど、左を見れど、何処にもその姿が見えない。
…あぁ…多分これは…迷子だ。
超が付くほどに場所の判別が出来ない私だ。
ここまでの道のりを覚えているわけもなく…頼みの綱の朱美も見失った。
(…もう迷子しか辿る道はないな――)
なんて思っていると。
「かーのじょ♪」
と、やけに明るい声。
反射的に振り返ると…金髪に近い茶髪に、ほんのり日焼けした一言でいう遊んでそうなお兄さんが二人。
「逸れちゃったの?」
「あ、はぃ」
んー容姿は…カッコよくないわけでもないかな?
雅斗の方がカッコいいのは確かだけど。
「んじゃ俺らとあそぼ♪」
「あ、はぃ…ってえぇ!?ちょっ!」
思考に耽っていたのがいけないのだろう。
気付くと腕を掴まれて近くのプールサイドに向かって引っ張っていく。
「ちょっ…!!は、離してくださっ…!ぃ、痛ぃ…!!」
腕を振り解こうと試みては見るが、強く掴まれるみたいで振りほどくことが出来ない。
多分今腕から手を離してもらったら、掴んでる部分が赤くなってるんじゃないだろうかと頭の隅で考えたその時。
「俺の女に何の用?」
と、待ち望んだ言葉。
「は?お前の……っ、す、すいませんでした!!」
その言葉で私の背後を振り返った男は何か言いかけてのち見る見る顔が変わり、私の腕を離してどこかに走っていく。
「大丈夫か?」
っと間近で聞こえる、またしても知らない声。
「えっと…あの…?」
振り返ると背の高い落ち着いた雰囲気の男性で、頬にある傷口が目立つ。
切れ長の目も、その顔も一言で言って怖い人――だが、その雰囲気はとても優しいものだった為、恐怖はない。
「連れが探していたぞ?あの売店の辺り」
「え?ホントですか!?ありがとうございます!」
「どういたしまして。もう迷子になるんじゃねーぞ?お嬢ちゃん」
「はい、気をつけます」
お礼を言って指差された売店へと向かう。
心配させちゃってるかな?っと考えると自然に足が早足になる。
そんな私の後姿に。
「――ふっ…不思議なガキだな」
と言いながら男が見ていた事など、私が知る由もなかった。