告白の方法
「すごく感動しました・・・っ!綾人さん、すごいです・・・っ!!」
やっぱり何か通じるものがあったのか、エリアは目をきらきらと輝かせてひたすらに綾人の事をベタ褒めしている。
そして、予想外の賞賛を受けた綾人はまんざらでもない様子で、ただエリアにでれでれと頬を緩ませるばかりである。
そして、そんな二人を冷めた目で見つめる俺。
昨日もこんな感じで俺は蚊帳の外だった気がするな・・・。
だいたいあの告白文で落ちる女がこのちょっとおかしい天使の他に誰がいるっていうんだ・・・?
あんな言葉を贈られても普通に考えてドン引きだろ・・・。
「お前、これのどこが素晴らしいって言うんだよ・・・。だいたい心いっぱいのコスモスっていうのがそもそも俺には理解できないんだが・・・。」
「真崎さんにはこの素晴らしさがわからないんですか・・・っ?心いっぱいのコスモスっていうのはこれから幸せを二人で増やしていこうって意味なんですよ・・・!」
そう言って、妙に力を込めて力説を始めるエリア。
「そういう意味なのか、綾人?」
「ああ。そうそうそんな感じ!エリアちゃんの方こそあれがわかるなんて本当に凄いよ・・!」
・・・・・・ったく、なんでエリアは分かるんだか。こいつらの思考回路は本当に摩訶不思議だ。
あれが分からない俺の方がいたって正常なんだよな?
・・・なんだか悔しいが、少し自信がなくなってきた。
俺は長いものには巻かれろを信条としているからな。
・・・しかし、こいつらに巻かれたら余計にレベルが下がりそうなのは気のせいじゃないに違いない。
「というか真崎!なんでこんな可愛い子が家にいることを今まで言ってくれなかったんだよ!俺ら親友だろ?」
「都合のいい時だけ親友を出してくるな。こいつは昨日家に来たばっかりなんだよ。」
そう、それは事実だ。全くそんな予定も無かったのに、勝手に落ちてきて、勝手に居座ることになってしまった。・・・・まぁ、全てはシスコンなエルアのせいとも言えるんだが。
「え、そうなのか!?」
「はい、実は私昨日からお邪魔することになって・・・。」
「へー。そういえばこの前ここに遊びに来た時にはいなかったもんな。って事はエリアちゃん日本に来たのも昨日ってこと?」
「あ、はい。いちおうは。」
「にしちゃあ日本語ペラペラで凄いじゃん!見た目完璧外国人なのになぁー!」
「え・・!?ほんとですか・・・っ?嬉しいです。」
こちらも予想外な言葉に思わず赤面するエリア。
・・・というかなんでこの二人はさっきからお互いを褒めあっているんだ。
・・・何故か自分だけ除け者にされているような気がして少し不快だ。
さっきから、綾人とエリアが楽しそうに談笑する度にイライラする気持ちを止められない。
エリアが来てから俺の優等生としての仮面がどんどん剥がれ続ける一方な気がして、それも俺のイライラを加速させる一因となっているのだった。
「とりあえず秋桜に告白するんだろ?その告白の言葉以外のやつをちゃんと考えた方がいいと思うんだが。」
「おいおい真崎これちゃんと考えたやつなんだぜ?一日くらいかかった力作なのにそりゃないだろ。」
こんなものに一日かけてしまうなんて、どう考えてもこいつ時間配分きちんと出来てないだろ・・・・。
その分を試験勉強に費やした方がずいぶんと有益だと思うんだが・・・。
「というか、だな。そういうのはうだうだと考えなくてもただ一言好きって伝えるだけでもいいんじゃないか?相手もお前のことが好きなら勝手に向こうも好きだって言ってくるだろ。」
「・・・・確かに、真崎さんの言う事も一理あるかもしれません・・・。」
俺の正論に、女の子代表のつもりなんだろう、エリアがおずおずと口を挟む。
「って事はとりあえず俺が美優ちゃんに好きだって言えばいいだけって事か?」
「まぁ、そうだけどな。お前がちゃんとそれを言えるのかが問題なんだよ。」
「だ・・、大丈夫だって!俺だってなぁ・・・・・・まぁ告白成功したことなんてないんだけど・・・な。」
最後ら辺は周りに聞こえるか聞こえないかの小声で綾人がそっとぼやく。
強がってはいても、やっぱりこいつに勝算なんてものは残念ながらほとんどないのかもしれないな・・。
まぁ、だからといって俺にどうしてやる事も出来ないんだけど。
「とりあえず言うだけいってみればいいんじゃないか?ほら、よく言うだろ。当たって砕けろって。」
「ちょ、真崎・・・っ!縁起悪いこと言うなよ・・・。」
「大丈夫です、綾人さん!私も陰ながら応援していますから・・・・っ!」
「いやー、そう言ってもらえるとなんだか上手くいきそうな気がしてきたよ。」
そう言って、照れくさそうに頭を掻く綾人。
っていうか、何だこのエリアと俺との態度の差は・・・!
どう考えても変わり身が早すぎるだろ・・・・。
「でも、どうやって秋桜を呼び出すんだよ?お前アドレスとか知ってるのか?」
「いや、実はアドレスも住所もわかんないんだよな。大体どこら辺に住んでるのかは聞いたけど、詳しい住所までは・・・。というかあんまり詳しく聞いてしまうと変に思われそうだったからさ・・・。」
「・・・・ということは、学校でなんとかするしかないわけだ。」
「それで、真崎にお願いがあるんだけど・・・。」




