第3話 佐藤くんと弁当
完璧美少女って一昔前は弱点は料理ってパターンも多かったですよね。(今もあるのかな?)
というわけでお弁当の話です。
「あれ?ヤバイ財布忘れた・・・(どうしよう・・・昼飯作り忘れたから購買で買おうと思ったのに。誰かから借りるか?でもなー。)」
いつもの教室、いつもの昼休み。
僕は昼を買いにいこうとして財布がないのにきづいて絶望した。
「どうしたの、佐藤くん?お財布ってもしかしてお昼ないの?(ふふふ・・・やっぱり今朝はお弁当作り忘れたのね。おまけにお財布忘れるとはなんて幸運なの!)」
「あ、うん。うっかりね。参ったなー。(ヤバ、和泉さんに聞かれてた。)」
「じゃあ、もしよかったら私のお弁当食べる?実はお姉ちゃんのを間違えてもってきて2つあって困ってたの。(もちろん嘘。お姉ちゃん用にはしっかりと別に用意したけど、これは今日映像で佐藤くんが忘れたのを確認して追加で作ったお弁当。うふふ・・・これならきっと受け取ってくれるはず!)」
「えっ!い、いいの?申し訳ない気も・・・(うれしいけど、いいのかな?お姉さんの分って・・・)」
「大丈夫だよ。お姉ちゃんは忘れたのに気づいて普通に買って食べるだろうしね。それに余っちゃうから是非食べて欲しいんだけど・・・ダメ?(謙虚な佐藤くんも素敵ね!あら?なんか佐藤くんがまた目を反らしたけどどうしたのかな?)」
「じゃ、じゃあ。貰うね。ありがとう。(さ、最後の上目づかいでのダメは計算なのか?めっちゃ可愛かったんだけど・・・それに、憧れの和泉さんの手作り弁当とか・・・なんだか幸運を使いきっちゃいそうで怖いな。)」
「・・・!うん!えへへ・・うまく出来てるといいな。(やった!受け取ってもらえた!佐藤くんてば嬉しそうにはにかんで・・・笑顔も素敵だな・・・)」
「・・・・・!(や、ヤバイ・・・可愛すぎる!なんだよその照れたような笑みは!小悪魔なのか和泉さん!)」
「おーい!佐藤。飯にしようぜ!」
「和泉。ご飯食べよ。」
和泉さんにお弁当を貰うとクラスメイトの田中がタイミングよく入ってきた。
和泉さんの方にも仲のいいクラスメイトが近づいてきた。
「あ、ああ。じゃあ、お弁当いただくね。和泉さん。(うん、まあ、割りきってありがたく食べよう。和泉さんのお弁当が食べられるなんてラッキーを逃しちゃダメだよね。)」
「う、うん。召し上がれ。あ、お弁当は食べ終わったらそのまま返してくれていいからね。(うふふ・・・佐藤くんの使用済みのお弁当箱・・・)」
「えっ?でもそれはさすがに・・・(なんだか申し訳ないような・・・)」
「いいから。ね?(使用済みはプレミヤムな価値があるからね!)」
「えっと、わかったよ。(ほんとに優しいなー。和泉さん。)」
「うん。じゃあ。あとでね。(よし!これで佐藤くんの・・・うふ・・・うふふふ・・・)」
そのあと、お弁当は美味しく頂きました。
和泉さんは料理も上手な完璧美少女だと証明された。