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第2章 僕と”彼女?”が同居!?

同8月某日。あの事件?の翌日。あの”娘”との奇妙な日常が始まった。

昨日はあの後、例の”ダークデビリューク星”の王(つまり、彼女…”イブ”の父親)の功績?的なものを夜通し聞かされたのだった…。

その結果、17才にして人生初の朝帰り(オール?)をする事になった。正直、眠い…(*_*)

さて、問題はここからだ。自分の宇宙船?が壊れてしまい、住む所が無い彼女。いくら”魔王の娘”という、とてつも無い肩書きがあるとはいえ、さすがに「女の子?」を放っておく訳にはいかないので、とりあえず僕の家に連れてきたのだ。

しかし…いくら「自由」をモットーとした教育方針(放任主義?)な両親とはいっても、さすがに見ず知らずの女の子?を連れて帰って来たら、驚く…だけでは済まないだろう。

事情をどう説明すれば良いのか?「宇宙から来た友達…。」いやいや、信じられる訳が無い。「実は魔王の娘なんだ!」その瞬間、地球は滅亡へ…Σ(゜д゜lll)

そう。彼女が魔王の娘である事は、僕と彼女だけの秘密となっており、もし他人に正体を明かしたら即、地球を滅ぼしてくれるそうです…。まさか、僕みたいな普通の男子高校生に地球の命運がかかってる!…なんて誰も思わないだろうな…(^◇^;)

まあ、それはさておき。(置いてて良いのか?)とにかく今は、この状況をどう打開するか。これが最優先事項である!

『どうすれば〜?何て説明すれば〜?』などと玄関先で僕が慌てていると…突然、「ガチャッ」と玄関のドアが開いた。その先には…「あら、お帰りなさい!ずいぶん遅かったわね?」僕の母さんだ。幸い、怒っている訳では無さそうだ。そして、母さんは僕の右側を振り向き、”彼女”に気付いた。

「あらあら。ずいぶん可愛いお客さんね!どちらさま?」さっそく、この質問が来た…。まさか『彼女は、昨日知り合って、魔王の娘です!』……言えるわけあるか!だったら…『さっき、そこに落ちてたから拾ってきた…』…問題外。さあ、どうする!?などと、僕が無言で悩んでいると…

突然、彼女の口から…「初めまして、おばさま。私は”イブ”と申します。この町に来たばかりで、道に迷って困っていた所、息子さんに助けて頂いたのです。」と、僕と出会った時の印象とは明らかに別人の様な丁寧な口調で自己紹介をした。さらに彼女は、「実は私…両親とケンカをして家出をしてしまったものの、知り合いもおらず、自分で飛び出してしまった手前、家に帰る事も出来なくて…もうどうすれば良いのかわからなくて……」と今にも泣き出しそうなか細い声で続けた。

彼女の突然の変貌ぶりと語りに、思わず感極まって心を動かされそうになった…が、『ちょっと待て!彼女はそんなんじゃ無いだろ!!』と僕は冷静さを取り戻した。『まあ、母さんもこんな出来すぎた話には騙されないだろう…』と思いつつ、母さんの方を見てみると…『号泣』…まさしくこの一言に尽きる状況だった。母さんは彼女の良くできた「作り話」にまんまと乗せられてしまったのだ。

さらに母さんは、瞳に涙を浮かべながらこう言った。「大変だったでしょ…辛かったし寂しかったよね…?」と彼女に完全に情が移ってしまったようだ。「…はい…。出来れば両親と仲直りしたいのですが…何だかちょっと怖くなっちゃって…」と、涙腺崩壊寸前の様な表情、言葉で彼女は続けた。僕は心の中で『お前の方が怖いわ!』とツッコミをしつつ2人の会話を聞いていた。

そして、母さんは何か決心したかの様に、拳を強く握って…「わかったわ…。イブちゃん…、ご両親との気持ちの整理がつくまでウチで一緒に過ごしましょ。」と語り出した。『はぁ〜!?』僕は耳を疑った。母さんはさらに続けた…「大した事は出来ないけど、自分のおウチと思って遠慮なく過ごしてね!」この母さんの言葉に対して彼女は…「そ、そんな。ご迷惑になりますから、私の事は気になさらず…。」と返した。しかし、母さんは…「良いのよイブちゃん!何も気にしないで!それに、困っているこんなに可愛い娘を放っておけるわけないじゃない!今日からイブちゃんも私たちの”家族”よ!」と彼女の肩を軽く叩きながらそう伝えた。

母さんの説得?に彼女は「か…ぞ…く…。」と小さな声で答えた。「…はい。ありがとうございます。ふつつか者ですが、お願いします、おばさま!」彼女は今までに見た事のない笑顔でそう答えた。そして、母さんは「玄関じゃ暑いから、上がって!」と彼女を自宅へ上げた。ウチへ上がる瞬間、彼女がドヤ顔で僕を見た。完璧にやられた…。

『ふつつか者って…嫁入りの挨拶か!しかし…完全に落ちたな、母さん…。彼女の正体?を伝えるべきか…』と僕は心の中で葛藤していた。それはそうだ。見た目こそ、普通の人間の姿をしているが、彼女は《銀河の征服を企む魔王の娘》である事に変わりはないのだ!地球の平和…もとい、この町や我が家の平和の事を考えれば、とてもこんな危険なモノを置いておけるわけが無い!ここで彼女を今返せば、少なくとも我が家の平和は守られ、今まで通りの日常が取り戻せる!それに彼女の真実を知っているのば僕だけだ。全世界の人々の為にも、今ここでこの事実をカミングアウトすべきだ!!と思いはしたのだが…僕は同時にとても大事なことを思い出した。

そう。彼女と会った時の約束(脅迫?)の事である。「彼女が魔王の娘である事は僕と彼女だけの秘密。もしバラしたら…即、地球を征服する…。」そうだった…。僕は危うく、地球を滅亡に導く所であった。『危ない、危ない…。』僕は安堵と同時に言いたくても言えない現実を突きつけられた。『悔しいけど、従うしかないのかな…』と半ば諦めにも似た感情が湧き上がってきた…。だけど、今の僕にはこんな事は言えなかった。さっきの母さんとの会話での彼女の反応である。彼女は、母さんの、”家族”という言葉に、過剰な反応を示していたように僕には感じられたのだ。それに、彼女の見せた笑顔が母さんに自身の事を信じ込ませる為に作った”偽物”の笑顔であったようには思えなかったのだ。

何がともあれ、ここから、僕と”彼女”の奇妙な同居生活が始まった。

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