「04」神々の企み
聞いたことがある。
固有結界とかいう魔法だ。
あれの解除方法は二つだけ。
術者を殺すか、術者自身が魔法を解くか。
(全く、つくづく厄介だな。本当についてない)
俺は、パーソナルイデアを経由して、分身たちに、それらしきものを探して、捕獲しろと命じた。
「くそっ!」
ダン!と、床を殴り付ける。
殴り付けた手が痛い。
「まずは、考えろ。考えるんだ。なぜ、俺をとらえる必要かあったか」
おそらく、そいつにとって、俺の存在が邪魔だったんじゃないか?いや、それなら殺した方が早い気がする。
たぶんだけど、この結界を作っているのはレイリーだ。いや、必ずしもそうとは限らないか。
誰かに協力していた?
誰だ?
これは俺の勘だが、これまでの俺が見た事件は、おそらく関連している。何者かは知らないが、おそらく、そいつが元凶となって、糸を引いているのだろう。
誰だ?
「リーシャを殺すことも僕の任務の内」
たしか、イザンはそんなことを言っていたな。誰の命令と言っていたか。
たしか、第一位先天使、とか言ってたような気がする。
先天使の中の、第一位階にいる奴は、確か名前は、リュウ・アッザイランドか。
こいつが黒幕か?
ほぼこいつが黒幕だろうが、あくまでこいつは天使だ。
バルスにいた頃、神官は確か、こんなことを言っていた。
「天使は神の傀儡故に、命令がなければ動かない」
しかし、先天使の中でも、リュウは別格だ。
たしか、こんな神話がノルスにあったな。
昔、一人の灰色の髪をした老人がいた。彼は、まつろわぬ神を幾柱と殺め、神殺しの英雄と名を上げていた。
しかし、ある時、彼はまつろわぬ神ではない、真性の神をも殺してみたいと思うようになり、ある日、彼はそれを実行した。
それは、意外にも成功し、彼は神システムより天罰を受けた。
そして、彼は、死んだ。
死んだことにより、その魂は天界へと召されたが、その後、地上での武勇伝が、その魂に神格を与え、彼は蘇り、半分は人、半分は神となるはずだった。
しかし、天罰の影響で、彼は完全に神の位を与えられず、天使の位置に落ち着いた。
結果、半人半天使へと生まれ変わったのだそうだ。
そのため、彼は人としての行動力、つまりは天使の枷を持たない天使として、神の傀儡であることを回避したのだ。
こいつなら、黒幕として充分だろう。
「ひとまずは、こいつの使徒が邪魔だな」
途中でどんな邪魔をしてくるかわからない。居ない方が楽だろう。
ここまで考えると、レイリーがあれの使徒という可能性が出てきたな。
どうする?
見つけて問い質すか?
俺は、その場で立ち上がり、体をほぐす。
「はぁ。よし。まずは、この結界を壊すことから始めるか」
俺はそう言うなり、妖装を展開した。
黒いローブに、フードを着た、黒尽くめの魔術師の姿になる。目は赤くなり、黒い長い髪はさらに色を濃く、漆黒へと変えていく。
妖装、漆黒魔導師。
「さぁ、反撃を始めよう!」
次回「05」
ティータニアの進化表
分身
↓
分身転移
↓
変身
↓
変型
↓
従者召喚
↓
従者間固有情報共有
↓
???
↓
???
↓
???
↓
???
↓
???and???
↓
???
↓
???
↓
???
↓
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