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絶滅種族の転生譚《Reincarnation tale》  作者: 記角麒麟
神々の企み Die Handlung der Götter
86/159

「03」面

(あぁあ。冷炎、持って帰れたら良かったのに)


 持ち帰って、いろいろ研究したかったのだが。


 解明されれば、おそらく巨万の富が得られたろうに。


 しかしまぁ、今は仕方がないかな。


 俺は、扉を潜ると、そこに続いていた廊下をひた歩く。


 しかし、この姿で廊下を歩くといつのは、変質者感が半端ではない。もうあの空間は過ぎたんだし、魔法使っても問題ないよな。


「Make clothes of the magic」

(魔法の服を作れ)


 呪文を唱えると、俺の体に、黒いワンピースが着せられた。


「もっとまともなのが良かったのだが、ここの魔力濃度と現在の精神状態じゃ、これが限界か」


 まぁ、あるだけましだろう。


 俺はそうため息をついた。


 ダメだ。


 おそらく、俺は今、恐ろしく不安定なのだろう。ここが何処だかわからないというのは、実に恐怖と不安を与える。


(レイリーの奴は、そんなところを見せなかったな)


 俺はふと、そんなことを思いながら、廊下の突き当たりに見える丁字路を、どちらに曲がるか検討していた。


(分身をつくって、先に行かせるか?)


 俺はその思考に行き着いたとき、あることを思い出した。


(それなら、向こうにも分身を置いて来れば良かったんじゃないのか?)


 俺は急いで後ろを振り返る。


 と、三十メートルほど向こうに、白い面をつけた、黒いモヤモヤとした何かが、こちらに迫ってきているのに気がついた。


(俺が気配に気づかなかった?!)


 俺は瞬時に臨戦態勢に移行する。


(あれは、おそらく物理攻撃は効かないだろう。当たり判定があるとしたら、あの面か)


 俺はふーっと、息を吐く。


 ティータニアの能力で、脚力を増強させる。


 体重との比率は、1:50だ。


 刹那、俺は思い切り横に跳んだ。


 すると、俺の元居た場所に、モヤモヤした黒く鋭い触手が突き刺さっていた。


(ちっ、予備動作が見えないとは、これまた厄介な!)


 面がこちらを向く。


 俺は、相手の前方、少し斜めよりに距離を詰める。


 頬に触手が掠め、浅い切り傷を作る。


 そして、俺はそれを無視して、発勁を面に叩きつけた。


 パカン、と音がして、面がモヤから分離する。


 モヤがぶるぶると振動して、ブクブクと泡立つ。


 とっさに危険を感じた俺は、遥か後方へと待避。


 直後、それから無数の刺刺しい触手が全方向へと伸びて、かと思えば、一点に集まり、小さくなって、黒いビー玉のようになって、コトンと音をたてて落ちた。


「なんだったんだ、あれは」


 俺は、思わずそう呟く。


(持って帰りたいのは山々だが、無理そうだし、今回はやめておくか?)


(しかし、またいつあれに会えるかわからない)


(ポケットでも作って、そこに入れて持っていくか)


 俺はそう思い、そのビー玉のようなものを拾って、ポケットに入れた。












 その後。


 俺は分身たちを利用して、周囲の探索を行った。


(しかし、広いな。ここ)


 俺も、分身と同じように探索をしていると、ここの広さがよくわかった。


(そうだ、今のうちに、異能を進化させておこうか)


 たしか、次は従者間固有情報共有パーソナルイデアだったか。


 召喚している従者、及び分身たちの座標以外に、彼女らが見ているものや、認識しているものを共有し、いつでも望めばそれを閲覧できる能力らしい。


(便利だな)


 俺は、近くにあった扉を開け、中に入る。


 そこは、小さめの部屋だった。


(ここなら、安全だろう)


 俺はそう思い、一応一人だけ護衛に分身を置いて、部屋の真ん中に居座る。


 目を閉じる。


 そして、意識する。


(分身共は皆、俺自身と同じだ。同じなら、俺がそれを操れない道理はない。それらの一切合切を掌握できない筈がない。なら、わかるだろう。理解できるだろう。それらの全てを!)


 俺は、心の中で、能力に問いかける。


 そして、次の瞬間。


 俺は、全ての分身たちの状態を、把握した。


 そして、知った。


 俺は、今。


(俺は今、ひとつの巨大な魔術の中にいる!)


と。

次回「04」


ティータニアの進化表


分身

分身転移

変身

変型

従者召喚

従者間固有情報共有(personal idea)new

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