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絶滅種族の転生譚《Reincarnation tale》  作者: 記角麒麟
日常の螺旋 Daily life to continue forever
80/159

「06」出発

 翌日。


 俺たちは、バス停に来ていた。


 しかし案の定、そこは武道会を観戦、または参加する人たちで込み合っていた。


「思ったより人が多いな。どうする?ルート変えるか?」


 俺はケントに提案する。


 この様子だと、乗ることは出来ても、席が空いていないだろうし、それに全部埋まっていたとしても満員で入ることは叶わなそうだ。


 何より、はぐれそうで怖い(理由は察してくれ)。


 まあ、それを言えばリレルも同じなんだろうと思っていたけど、彼女はなぜか、人混みの中でもすいすいと普通に歩くことができる。


「解せぬ」


 これが五百年生きた古代種のエルフの成せる業か。


 俺はそう呟いて、彼女の後を追う。


「そうだな。あ、今思ったんだが、チホの空中庭園、あれを移動させてメリゴまで行くことは出来ないのか?」


「あれを?無理無理。まず、必要なエネルギーがないし、そもそもあれにそんな機能はない」


 たとえ、あんなに大きな土地を丸々移動させようものなら、それこそ、ジェットエンジン並みの出力が数個は必要だろう。


 それほどのエネルギー資源は、家には無いし、そもそも、それを買うにしても、白金貨が2,3枚は必要だろう。


 買えないことはないが、この移動のためだけに買うとなると、往復で必要になるからな。


 買う方が無駄ということだろう。


 それに、買えることは買えるが、今はそんな余裕はないし。


 という旨をケントに返すと、そうか、と頭を捻るのだった。


「今から飛行機で、と言っても、そこも込み合っていそうだしな」


 言っても仕方がないので、予定通りバスで移動することになった。












 バスを乗り継ぎ、金貨一枚分で、ようやく北メリゴについた。


 朝の六時から出発して、今はもう夜の八時になっている。


 俺たちはひとまずホテルで一泊して、翌日電車でメリゴ山脈の麓まで行く予定だ。


「はぁ、疲れたわ。こんなにも疲れたのは何年振りかしら」


 ククルんがそう言って、ベッドの上に転がり込む。


「そうだね。もうここまで来るのに金貨を一枚使っちゃったよ」


 リレルは首を回して、リラックスすると、異次元生成を使って、中から水筒を取りだして飲む。


「何飲んでるんだ?」


 フレアがシャツをあおぎながら、横目に彼女を見る。


輝桃酒きとうしゅだよ。エルフの間では、疲れたときに飲む物として結構人気だったんだ。下で売ってたから買ってきた」


「へぇ、輝桃酒か。それってお酒なのか?」


「いや、酒って言ってるけど、エルフにはそもそも酒に該当する飲料がそもそも存在しないんだよ。ヒューマンとはまず体の機能から全く違うしね」


 リレルはそう息をつくと、巻き服を取り出した。


「ボクはそろそろお風呂に行くけど、チホたちはどうする?」


「そしたら、俺もそろそろ風呂に行くかな」


 俺はそう言って立ち上がり、鞄から必要なものを取り出す。


 フレアとククルんも同様に、準備を終えて、俺たちは風呂場へ向かった。













 一方その頃、チゼはというと。


「ケントさんもやっぱり武道会出るんですね」


「ん、ああ。そうだな。少しチホと闘ってみたかったんだ。俺の腕が、あの妹にどこまで通用するかね」


 ケントは、剣の手入れをしながら、そう答えた。


「なんか、変な響きですね、それ」


「そうだな」


 と、こんな風に駄弁っているのだった。

 次回「07」


ティータニアの進化表


分身

分身転移

変身

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