表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶滅種族の転生譚《Reincarnation tale》  作者: 記角麒麟
復讐と山羊 Revenge and goat
6/159

「06」弟子と才能

 翌日。体育館でいつものように型の練習、改良をしていると、扉を叩く音が聞こえた。


(そういえば、今度コナタとかいう人が来るんだっけ?)


「キミがチホちゃんね?私はコナタ。これからよろしくね」


 コナタというのは、黒い髪をショートボブに整えた、しかし、髪が黒いのに関わらず、顔は暗くは見えなかった。


 目鼻立ちは綺麗に整えられていて、所謂美人顔と呼ばれるようなものだった。


 身長は俺より頭5つ分高い。まあ、5歳の子から見れば、そんなものなのだろうけど。


「そうだ。この体育館で、我流の武術を教えることになっている。この武術を俺くらいにマスターできれば、マロックスを2秒でほふれるようになるから期待してろ」


 と、俺は先日の出来事に浮かれているのか、そんな事を彼女に話した。


 すると、彼女はフフフと笑いだした。


(やっぱりどうも、この体だと調子が狂うな。それにイラつく)


「ごめんね、おかしくって」


「油断禁物、ですよ?」


 俺は体育館の中心に立った。


「どれくらいできるか知りたい。本気で来てくれ」


 俺はニヤリと笑いながら挑発すると、コナタは、かわいいものを見るような目で、ハイハイ、と言って歩いて近づく。


「えーい!」


 コナタは、カタツムリのような鈍さで拳を振り下ろしてきた。


(完全にナメられてる!)


 その事に俺はちょっと痛い目にあわせたくなった。


 俺は、その手を右手で受け止め、慣性制御と移動の魔法を同時に使って、相手の体を180度反転させ、背中からおもいっきり地面に降り下ろした。


「ぐはっ!」


 コナタは叩きつけられた衝撃で、肺から空気が抜けた。


「それは本気か?」


 俺がそういうと、彼女は目を見開いた。


 瞬間、視界の上に爪先が映った。


 目の前に腹をさらけだすので、俺は彼女の腹に捻りを加えて打ち付ける突き、我流武術『針』一番、旋天を食らわせた。


 捻りを加えることで、固いものにダメージを通しやすくするのだ。


 主に筋肉を潰すときに使う。


 コナタが回転しながら飛んでいく。移動の魔法を同時に使用しているので、その飛距離はすさまじいことになる。


 移動の魔法とは、設定したベクトルの方向へ対象を加速させながら移動する、減速させながら移動する、同じ早さで移動する、の三つがある。


 これは、速度と距離が大きくなるほど使用する魔力を多く消費する。


(あいつは最初のリーシャより弱いな)


 俺はそんなことを思いながら、コナタのところへ向かった。












 案の定、コナタは地面に伸びていた。


「どうする?ここで俺の我流を習い、マロックス秒殺できるまで鍛えるか?」


 俺は彼女に回復の魔法で治療しながら、彼女に聞いた。


「おねがい....します、師匠....」


 幼女にボコられて伸びている中学生位の少女。その少女が幼女に師匠と呼んでいる。


 それはとても滑稽に見えた。


 そこから数分の間、俺は笑い転げ続けたのだった。


 次回「07」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ