「17」到達と疑問と怪訝
第二浮遊城。
それは、巨大な柱の上、さらには雲の上に建つ、巨大な古代遺跡。
その姿は、さながら城塞の様であり、その高さは天をつくような高さである。
と、いっても、すでに雲の上なのだが。
第二浮遊城は、推定30階層もの円盤形の層が積み重なって作られており、その階層は10階層毎に奥に封印されているとされているマジックアイテム、ティータニアを守るための仕掛けがなされているらしい。
俺は、オリガヤに回復の魔法をかけ、城を見せた。
「これが、浮遊城....なのか....想像以上だな。っていうか、エルボ山いつの間にかショートカットしてるし」
「全くその通りだな....」
俺はそう感嘆の声をあげた。
しかし、ショートカットできたはいいが、他の二人が見当たらない。
城塞の周りをぐるりと回ってみたものの、周囲には彼女たちの痕跡すら見つからなかった。
オリガヤには橋の方を見てもらったが、エルボ山山頂付近にも見当たらなかったらしい。
これは当分、二人きりか....。
まあ、そのうち見つかるだろう。
分身を手に入れれば、それに捜索させればいいし。
しばらく歩きまわったが、何も見つからなかったので、とうとう浮遊城に踏み込むことにした。
「いいのか?オルメスたちを放っておいて」
心配そうに、彼が聞いてくる。
「大丈夫だろ。仮にも、あいつらは学校で実力二位と三位だ。リーシャには遠く及ばないとしても、それでも大人の集団のひとつや二つ、あいつらにとっては、ゴミ箱に鼻をかんだティッシュを放り捨てるようなもんだ」
「それ、逆にちょっと難しくないか?」
二人はそんな軽口を叩いて、城の石製のアーチ門を潜り抜ける。
すると、目の前にはどこまでも続く草原が現れた。
「「....はい?」」
次回「18」




