魔法使い先輩
勢いで書いた。
「くっ…強い…!!」
戦士は瀕死状態だ。
「ハーハッハッハ!くらえサンダー!!」
敵の魔法使いによる容赦ない攻撃が戦士を襲う。
「うわああああああああ!!!!」
俺もすでにMPが枯渇し、敵のバインド魔法によって身動きがとれずにいる。
「ま、魔法使い先輩!助けてください!先輩の魔法で…!!」
身体が震え、ガチガチと歯を鳴らす魔法使い先輩は言った。
「で、できない。」
「!?」
できない?どういうことだ?魔法使い先輩も敵の魔法にやられてしまったのか!?
次の瞬間、とんでもない言葉を耳にする。
「お、俺は魔法使いと呼ばれているだけで魔法なんて使えないんだ。」
「どういうことですか!?」
「わ、わからない。村の連中が俺のことを笑いながら魔法使いと言うんだ。でも魔法なんて使えやしない、ただの農民さ。村で唯一の魔法使いなんて言われているけど、うちの村で魔法なんて使える奴はいない。俺だってどういうことか聞きたいぐらいだよ。」
魔法使い先輩は続ける。
「いつからか、詳しくは覚えていないが俺は魔法使いなんて言われるようになった…そう、確か30歳を超えたぐらいの頃から―――――」
「!!!」
俺たちは全滅した。
魔法使い先輩は経験豊富じゃなかった。