一般市民
199X年に俺様の先祖が生まれた。
その人には、才能があった。
人を引きつける才能だ。
人を集めてレジスタンスを作り上げた。
人は人を呼びやがて国を支配する程の人が集まった。
A「どうだい、俺達のご先祖様の伝説だぜー。」
B「いい話だろ。俺達のご先祖様は凄いんだからなー。」
C「キィエー。若旦那も俺達と一緒に世界を征服しちまおうぜ。
若旦那が一言言ってくださるだけで世界中のならず者が集まっちまうんだー。」
若旦那「うるせえ。このゴミども、とっとと外に行って働きやがれー。」
ABC「喜んで行ってきやす。」
若旦那「あのゴミどもは、ちっとも役にたちはしねえ。」
俺は若旦那と呼ばれている。
大陸を少し離れた島で暮らしている。
両親は、父は表では流通していない代物を世界中に売りつけている。母は、殺し屋をしている。
俺は、今ならず者達にお世話をされている。
お嬢「お前も少しは、あのならず者達を使えばいんだよ。大抵のことはアヤツらできる。」
彼女は俺の姉貴だ。
ここらの地区では一番強い。
誰もかなわない。
若旦那「ピーピーうるせえゴミが役に立つわきゃねーんだよぉ。」
俺はあのならず者達が嫌いだ。
アヤツらがいるかぎり俺は一般市民になることができない。
お嬢「お前が一般市民になりたいと想うのは勝手だがよう、あいつらをおいていくことができねえ。ご先祖様と一緒に世界を変えようとした仲間たちの子孫なんだぜ。今時モヒカンに肩パッドなんか似合わねえがな。」
ぴぴぴーぴぴぴー
腕時計のアラームが鳴った。
若旦那「時間だ。今から仕事にいってくる。」
お嬢「そんなことしなくても世界中のならず者ネットワークで1秒間に億単位で金が入ってくる。」
若旦那「働くかどうかは、俺の勝手だろ。」
一般市民になるには、いくつかの条件がある。
自分及び先祖の罪の分だけ働く。
100時間の重労働で国に貢献する。
高レベル汚染空間での浄化作業
血液の提供5リットル
のうち2つを達成した場合に一般市民になれる。
一般市民になると、人間として認められて大陸に入ることが許される。
俺は先祖の罪のせいでこんな辺境で暮らしている。
お嬢「一般市民になることがそこまでものじゃないと思うがな。」
その後家を出た。
時間まであと30分だ。このままいけば間に合いそうだ。
さっきの腕時計には、労働時間など一般市民になるための条件の達成を確認するものだ一度つけると大陸に入るまで外せない。
無理に外すと今までの達成した記録がすべて削除される。
職場についた。
現場監督「今から、労働を開始する。
腕時計をこの機械に通してから始めろ。
辺境のゴミども。」
耐えるんだ。どんな酷いことをされても、耐えるんだ、一般市民になるために。
現場監督「作業が遅れているぞドブネズミ
」鞭を俺の背中にふるいながら行ってきた。
今日の労働5時間を終えた。
現場監督「ゴミの分際でよく頑張った。
今日の給料を支払う。受け取れ。」
高い場所から封筒を落とした。
封筒の数は一つ
つまりは、一人分の給料しか用意されていない。
モブ1「どういうことだ。一つしかないぞ。」
現場監督「当たり前だろ。ゴミはたくさん集まって、やっと一人の人間だからな。」
モブ1「ふざけるな。人数分よこせ。」
モブ2「そうだそうだ。」
モブ3「給料よこせ。」
モブ4「この守銭奴。」
モブ5「この人でなし。」
現場監督に罵声を浴びさせた。
やめた方がいいのに、殺されるのに。
現場監督「給料支払いに関する法律1-1経営者及びそれに該当するものは決められたら額を支払わなければいけない。
ただし、一般市民以外にはこの法律を適用しない。
一般市民の権限に関する法律3-3
一般市民は人間以外から危害を受けた場合、そのものの命を奪ってもいい。
貴様ら覚悟はいいな。」
辺り一面を銃を持った監視員が囲んだ。
モブ達「何をするんだ?やめろ、やめるんだー。」
現場監督「打て…」
モブ達「グフ」
モブ達の体に銃弾が突き刺さった。」
現場監督「終わりだ。」
彼らの体がどんどん膨れ上がった。
モブ達「ヒデブ。」
体がはじけ飛んだ。彼らの赤い飛沫を全身で浴びた。
監督は肩を叩いて俺にこういった。
現場監督「我々一般市民に刃向かうからこうなるんだ。君のような文句を一切言わない人は、重宝しているんだ。明日も我々一般市民の為に働いてくれ。」
若旦那「分かりました。これからも一般市民の為に働きます。」
怖かった。さっきまで一緒に働いていた仲間が皆殺された。
こういうしかすべがなかった。
生き残るために。
プライドを捨て、生き抜くために。
腕時計を機械に通して職場を去った。
まるで逃げるように、いや、逃げて居きるために。




