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第3話 パートナー

 うふふ♪

 今私の尻尾は喜びで千切れそうなくらいぶんぶんと振られている事でしょう。何故かって?それは私が森で助けた彼が私に一緒来るか?と聞いてきてくれたからです。

 それはもう嬉しくて、私は街に着くまでの間ずっと浮かれてしまっていました。まぁ、街に入ってからも浮かれていたんですけどね。

 彼は街に入る際に、門番の騎士っぽい人に事情を話して私が街に入る許可を取ってくれました。その時に、従魔と野生の魔物を見分ける為のアクセサリーを私に選ばせてくれました。

 従魔用のアクセサリーは首輪やネックレス、耳飾りなどが有って、私はエメラルドグリーン色の宝石が埋め込まれている耳飾りを選びました。だって彼の瞳の色と同じで、とっても綺麗だったんですもん。

 そしてその耳飾りを彼に右耳に付けて貰いました。えへへ、どう?似合ってますか?


 それから私達は、彼が泊まっている『ねこのしっぽ亭』という宿に行きました。看板に可愛い猫の絵が描いてあります。とても可愛い名前の宿ですが、サービスが良く冒険者達にとても人気の宿だそうです。

 その宿の彼の部屋に行くと、宿としては比較的広い部屋で、ベッドやタンスなどの家具が置いてありました。そこで彼は、私に自分の事を教えてくれました。


 彼の名前はレオン。ランクC冒険者をしているそうです。でも、ランクCと言ってもまだ成りたてでだからあまり期待するなよ?と言っていましたが、私は凄いと思います。だってランクを上げるのはとっても難しいでしょう?だからレオンをけなしたりなんか絶対しませんよ?大切なパートナーですしね。


 それから彼は私に名前を付けてくれました。

 そして私は今日からウルになりました。生命を司る女神ウルティナから取ったんですって!とっても嬉しい!素敵な名前をありがとう御座います!

 それから私は嬉しすぎて彼の顔をぺろぺろ舐めて感謝の気持ちを伝えました。


 そしてその日はレオンが簡単に作った籠のベッドに寝ました。明日は何をするのでしょうか、とても楽しみです。おやすみなさい、レオン……すぅすぅ……











「きゅ〜〜ん」


 目をこすりくぁっと大きな欠伸をします。


 ふわぁ、朝になったみたいですね。

 まだ少し眠いですが、レオンが今日は予定があると言っていたので二度寝はだめですね。

 レオンは……まだ寝ているようです。朝ですよ~、起きて下さ〜い。

 私はきゅんきゅん鳴きながらレオンの顔を舐めます。

 ……レオンの寝顔、かっこいいですね。

 はっきり言って、私が人間だったらやばかったかもしれません。それはさておき、早く起きて下さい~。


 そうして私がレオンを起こす為に奮闘していると、やっとレオンが起きてくれたようです。


「……うん?あぁ、ウルか……おはよう、ウル」

「きゅん!」


 おはようございますレオン。やっと起きてくれましたね。私けっこう頑張ったんですよ~。そんな事を言ってもきゅんきゅんという鳴き声では伝わる筈も無く、レオンはタンスから服を取り出して今にも着替えようとしています。

 ちょ、ちょっと待ってください!私の事忘れていませんか!乙女の前で肌を見せるだなんてへんた〜い!

 私は急いで私用の籠ベッドに飛び込み、中に敷いてある白い毛布に頭を沈めます。

 何も見てないですからねー。


 するといきなり後ろから抱き上げられました。顔を上げると着替えたレオンが優しく微笑んで、朝食を食べに行くぞと言って私を抱いたまま部屋から出ました。


 一階の食堂に行くとレオンが優しそうな女の人に頼んで、私の分も用意してもらいました。ちなみにその女の人はこの宿の女将さんで、リナさんというそうです。

 今日のご飯は柔らかい白パンに温かい野菜スープです。この野菜スープ、いろいろな野菜が入っていますね。キャベツやじゃがいも、にんじんのような野菜がたっぷりと入っています。味は薄めで、味覚が鋭い私でも美味しく食べられます。

 私はぱくぱくと食べていき、お皿はすぐに空っぽになってしまいました。とっても美味しかったです。私がお皿をぺろぺろ舐めていると、レオンが優しく私の頭を撫でてきました。レオンは撫で方がとても上手で、とっても気持ちが良いです。つい甘い声が漏れてしまいます。

 私はもっと撫でてもらおうと、テーブルの上に登ってきゅ〜んと鳴きます。するとレオンは私に応えて優しく撫でます。


「今日は冒険者仲間がフリーだからそいつにお前を紹介したいんだがいいか?依頼のやつはまぁ…期限はまだだし大丈夫だろ…」

「きゅん?」


 本当に大丈夫ですか?レオンの冒険者仲間も気になりますけど、大切な事を後回しにするのも良くないですよ〜!


「あーまぁ、ギルドに報告しなきゃいけない事もあるしなーあはは」


 うーん、本当に大丈夫かしら?どうしてもの時は私がしっかりしなきゃ、ですね!

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