第20話 反撃の時
修正数カ所有ります
「……え?」
それは唐突だった……
目を覚まし、レオンを見たウルの瞳が一瞬の内に真っ赤に染まり、光が消えた…
そして、まるでそれが合図だったかの様に再び『戦闘』……否、蹂躙が始まった。
瞬間、ドカンッという音と衝撃と共に、キメラの足元……ウルの真下が盛大に爆ぜた。
「ガッ!?」
「「「っ!?」」」
そして煙が晴れた後に残っていたのは…片足を失いバランスを崩し、前方に倒れ込んでいるキメラ。
「……ウ、ウルは…」
っとその時、呆然と呟くレオンをゾクッとした感覚が襲った。全身に悪寒を感じ大きく身震いする。
少し離れた場所に影を見つけ、恐る恐る上空へと目を向ける。
キメラの上空、悪寒を感じるその場所に……
『九本』の尻尾を持った『金色の狐』の姿があった。
レオンがそれを視界に入れたと同時、一瞬振れ、霞の様に消えた。
と、次の瞬間、再び地面が爆ぜた。
今度は少し強風が吹くなんて甘いものではない規模だったが、それは何かに遮られる様にして上空へと流された。
だが、それでも流しきれなかった突風と熱気がレオン達を襲う。
間近にいたレオンは突風により、地面を転がる様にして吹き飛ばされ、グレン等は元々木陰に隠れていた為になんとか凌ぐ事が出来た様であるが、彼等が次に目にしたものはとても残酷なものであった…
地面や木々が焦げた臭いが辺りを包む…
砂煙が晴れた後…爆発が起きた場所には巨大なクレーターが出来ていた。
そしてその中心部…そこには、真黒に焦げ、一部が灰となりかけている……元はキメラのものだったのであろう肉片が無惨にも散らばっていた……
そして、とんっと…静かに地面に降り立った『九本』の尻尾を持つ『金色の狐』…
その時、誰かが呟いた…
「伝説の…『金狐』……」