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春の風は優しく強く颯爽と


入学式から2週間以上は過ぎた。


少しは新しい生活にも慣れてきた頃。


いつものように透と歩く朝の通学路。



(――っ!?)




横を歩いていた透が身を低くした途端、黒い影がブンっという風を切り透の頭上ギリギリをかすめる。



「相変わらず、芸が無いな!千星!」



黒い影の正体は千星ちゃんが持つ鞄。


その鞄を胸に抱き締め、顔は怒気で赤く、肩で息をしている千星ちゃんはすらっと背の高い美少女。



「し、白澤!!五十鈴から離れろ!!」

「イヤだね」



むぎゅう!!



「ぎゃああああああああ~~~!!」



この悲鳴はわたしのものではなく、千星ちゃん。


っていうか、透~!往来で抱きつくな~~!!



「私の五十鈴が穢れるでしょう!!」



と言ってわたしの手を強引に引っ張り、今度は千星ちゃんが



むぎゅう!!!



「こんなに可愛い五十鈴が、あんなケダモノの餌食にされて黙っていられないでしょう!!」



(え、餌食って…)



千星ちゃんはわたしの手をぎゅっと握って走り出す。



「五十鈴!私が今まで以上に守ってあげるからね!」



なすがまま、今日もわたしは引き摺られるように学校へと向かう事になってしまった。

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