表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/55

それは、もっと好きになる――おまじまい 3

side:透

――あの後。


あの話って、いつの頃の事なのか、気になったので羽澄に尋ねてみた。



「え?初めての“ちゅう”がいつだったかって?」



少し、え~っと、と言って考える羽澄。



「あ!あれはね!3歳の時だったかな~?」



3歳の時?じゃあ、憶えて無くても仕方ないか。



「最初は良かったのよ~。あんたも機嫌良く五十鈴ちゃんと“ちゅう”なんかしたりして。でもね…」



羽澄が“でもね…”と言った途端、この場の雲行きが怪しいものになってくる。



「私も楽しくって“もっと見せて~!”なんて言ったもんだから、五十鈴ちゃん、あんたの事追い掛けてまでするようになっちゃってさ~」



そ、それで。



「でも、透は鬼ごっこだと思ったみたいで笑いながら逃げるし、でも五十鈴ちゃんは、おまじないの“ちゅう”が足りてないんだと思って。そりゃあ、懸命に追いかけて…。ね~」



な、何が“ね~”だ!ニヤつくな!!



「結局、捕まえる事が出来ない!!って、五十鈴ちゃん大泣きに泣いて、透もそんな五十鈴ちゃんを見て自分が泣かせたと謝ってたっけ。で、そのまま二人で泣いたまま寝ちゃって。それなのに、次の日にはケロっと忘れてるんだも~ん!!」



それって、どういう…?



「だ~か~ら~、子供って寝ちゃえば、ヤな事って忘れてしまうんだな~っと」



羽澄は当時の出来事をケラケラと笑い飛ばしている。


し、信じられないっ!そんな事があったなんて!!


初めは微笑ましい幼い日の思い出が、途中から痛い話に変わってる。


羽~澄~っ!!


幼い日の俺達をからかって、楽しんだな!!


この話、五十鈴には絶対秘密だ!と心に誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ