トイレから庭
前の話を読まないと良く分からないと思うので。
できれば読んで下さい。
便器に腰掛ながらアレだけど、あの後は、生きた心地がしなかったね、
まぁマサシの命だけどさ
何か言ってきたのに対してどもると、スイッチをいじくり回し、
何か言ったのに対してつっかえると、スイッチを押す素振りを見せ、
何もしてないのに、ボタンを半押しにしたりする。
父親と母親の質問に対して全然挙動不審では無い様に気をつけ受け答えしつつ、横目で
チラチラとスイッチと、斉藤のご機嫌を窺う。そんな事をやられていた、
まぁ、自分で挙動不審じゃないと思っていたけど、汗が真夏のデブの様に止めどなく溢れ、
目を絶えず、キョロキョロとあっちへ行ったり、こっちへ行ったりさせて、
息がハァハァで、鼻息がフーッフーッだったと思うね、だって母親や父親が何度も、
「如何したの?気分でも悪いの?」「気分でも悪いなら客室に行って休んでもいいんだぞ。」
「何か、持病を持ってるの?」とか言ってきやがる、こいつらの答えに困ったせいで何度
我が愛犬マサシに怨まずに逝ってくれと心の中で般若心境のサビを唱えたと思っているんだ。
しかも斉藤は、横目でソレを見ながらニヤニヤしっぱなしだぞ。何度自制心を失いかけたか。
その後、母親がお茶入れると言い席を立ったので、ソレに便乗して俺もトイレに行くといい
二階のトイレにわざわざ時間を稼ぐために行ったのだ、
それで今この場所、便器の上なのだ。
ところで俺はこの後如何すればいいのだろうか、一番いいのがこのまま丸く治めるのが一番
イイのだろう。そうすればおそらく一番被害が少ないな、
「んっ」そのとき下からドアを開ける音がしてきた、
あんな様子だったから、吐いてるとでも思って様子を見に来たのだろうか?
「じゃあ、ちょっと私はマサシに餌あげてくるわね。」
チョット待てあそこは、おそらく市内で一番危ない
そして廊下を歩いてる音が聞こえた、コレはかなりマズイ。
「おぉぉぉぉおおおぉおぉぉおおおぉぉぉぉぃぃいいぃぃ!やめろっ、行くなぁぁぁぁ!」
そのまま玄関を歩いていく音が聞こえた、まじでやばわぁい、止めなければっ!
パンツとズボンを上げる間も惜しくトイレのドアを開けにかかった、
『ガチャガチ…ドン』
クソッ、なんで開かないっ!こうなったら
『ドン、ドン、ドン…バキッガタッ・・・・・・・・ゴタッ、ガタガタガタ ドンッ』
体当たりで開けにかかった、ソレで開いたものの何分、格好と言うか足で足枷状態に成った
パンツどもが悪く、そのまま転がりながら目の前の階段から転げ落ちた。
「ッう・・・クソッ、全部斉藤のせいだっ!」
だがココで怪我してないか確かめたり、斉藤を呪ってる暇などなかった。
俺はそのまま走った、パンツやズボンなど上げる暇など勿論なかった、
そして、このままだと玄関から出た母親に追いつくのはムリっぽい、
だからこのまま父と斉藤が居る居間を突っ切って行こう。
そして、俺は走ったアソコがスースーしたが気にしてる暇はなかった、パンツとズボンの
せいで足が20〜30cmぐらいしか開かなかったがそんな事には気が付かないぐらい焦っていた、
おそらくは、俺と同じ格好をしたモーリスグリーンに対抗し得るスピードだったに違いない。
だって俺は素チンで何の恥ずかしげも無く、足が開かないから凄まじい勢いで足を動かし
走った、きっとモーリスでさえコレほど堂々と走れなかったに違いない、なのでそこら辺
で差がつくと分析しているのだ、なんという事だ!こんな状況でも俺はとてつもなく
冷静だな。
そしてそのまま、トタタタタタタッと激しく足を動かし走り居間の襖を開ける間も惜しく
襖に体当たりをかました。
『バンッ』
だが、それまでこんな状況で、パンツを履く暇がないと、とても冷静に判断したり。
居間を抜けると早いはずだと、とても冷静に判断したり。
モーリスとの戦力差をとてつもなく冷静に判断したりした、今世紀最大に冷静だった俺が
ありえないポカをやってしまった、ソレは襖の向こうにはすぐ側にコタツがあったと言う
事だ、そうそして今俺は、慣性飛行中だから急には止まれないということだ!
アレ?俺ってやっぱりこんな事に気付くとは冷静じゃないか!
「うわっぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁあぁあああぁああっぁぁぁぁぁぁ!!」
『ドンッ!・・・ガッシャ―ン!』
そのまま、慣性に身をゆだねて飛んでいったら予測どうりにコタツとガチでやり合って
しまった、さらに運が悪いことに、丁度母親が茶を持ってきた後だったので、熱湯をもろ被り
してしまった、ついでにミカンも飛んできやがった、ちなみに悪いのは全てこの事態を今横で
腹を抱えて見ている斉藤である。
だが今、斉藤に掴み掛って行く時間もないし、いきなり居間に下半身半裸で、襖を
突き破り、コタツを引っくり返してお茶を浴びてる俺に驚いて、茫然自失な表情でただ俺を
見ていてる父に、説明をする時間もない。ちなみに悪いのは斉藤その人である。
そして再び立ち上がり、庭に面している窓を見た、そこには今まさに、マサシに餌を上げんと
する母がいた。
「やぁぁぁああぁぁぁっめぇえええっぇぇぇろぉぉおぉおおおっぉぉっ!」
母が、こっちを見て固まった、俺が叫んだからか、俺の格好のせいだか分からんが
好都合だった。
俺は走った、こんなに頑張って走ったのは生まれてこの方記憶になかった。
『ガッシャ―ン!』
そして俺はそのままの勢いで、庭に面した窓を突き破って庭へ飛んだ。
飛んだ勢いのままに、母を道路と家の間にある生垣に突き飛ばし、俺もその辺に転がった。
あぁ、さよなら、父上、母上、とても幸せでした、僕が居なくなって寂しいでしょうが
二人で仲良く頑張ってください。マサシよ不甲斐ない飼い主で悪かった、大人しく俺と
成仏しようね。俺は、飛行機のハイジャク犯でテロリストの烙印が押される前に旅立ちます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・あれっ。
周りを見てみると、母は生垣の上で伸びており、父は状況についていけなくて、
斉藤は、腹を押さえて痙攣していた。笑いすぎだな。ちなみに俺は服を着てない下半身が
血まみれだった。
「おっ・・・おいっ、何をしてるんだっお前は、裸で現れたと思ったら、おかーさんを
突き飛ばして、なっ、何がしたいんだ!!」 おっ、父が復活。
「そこに置いてある、犬小屋の隣の小さいダンボールに爆弾が入っているんだっ!」
ああ、ココで死ね無かったか、このままテロリストだな。
そんなことを俺が叫んでいると、斉藤が立ち上がってダンボールのとこまで歩いて行った。
そして、何も入って無さそうに軽々とダンボールを持ち上げ、
何も入って無さそーに、軽くフリフリと振りやがった、そこからは実際に、カラカラとも、
ガタガタとも聞こえてこなかった。つまり・・・
「何も入ってませんけど?」
爆弾も何も入ってなかったということだな、で俺はどう収集をつければいいのかな?斉藤
斉藤、何度も言うが殺してやりたい。
俺ってこの後どうなるんだろう?親族だから警察は無いよね?
完
また汚い話ですみません。
読んでくださってありがとうございます。
できれば酷評ください。
ありがとうございました。