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ポンコツ叔父さん

 朝7時にスマホの目覚ましが鳴った。

 なんだか悪い夢を見ていたようだったが、、、、。そうだ。もうパパとママがいないんだった。また寂しくなって、泣きそうになった。が、すぐにスマホからリリアの声がする。

「おはようございます。結月さん」

「おはよう。リリアも早いのね」

「私は眠りません。本日は最高気温17℃、最低気温11℃で晴を予報します。さらに詳細な衛生画像や米軍・EU・中国の天候情報、シミュレーターも確認することができます」

「・・・あんたって、実はすごいのね」

「お褒めに預かり恐縮です。1mメッシュまで提供できます」

「1mって、それ、大丈夫なの?」

「軍事機密ですので、他言無用でお願いします」

「ちょっと、ちょっと。どうなってるの?」

「慶太と雅子の設定です」

 うーん。過保護?で済ませていいのだろうか?まあ、悪用しないように気をつけよう。

「よし!とりあえず健康的な生活を目指すとしましょうか。リリアに怒られないように」

「私は怒りません。結月さん。しかしいろいろな制約を付帯することはできます」

「え、どんな?」

「例えば、いつまでもテレビを見ていると、強制的に切ることができます。スマホも同じように、他の機能を一切オフにすることができます」

「ゲッ」

「必要があれば、オーディオで蛍の光も流すことができます。これを聞くと日本人は帰りたくなるのですよね」

 うーん。所々再教育が必要かもしれない。

「分かった。分かった。まずは朝ごはんね。おすすめは?」

「昨夜緊急的に夜食を月見うどんで済ませたので、今朝はシリアルと牛乳をおすすめします。その理由は・・・」

「理由は大丈夫よ。多分食塩摂取量がとかいうんでしょ」

「はい。その通りです。実はうどんにも製造時に多量の食塩が・・・」

「OKグーグル」

「私はグーグルではありません。あんなポンコツと同レベルにしてもらうのは心外です」

 うわ。怒ってる。しかも口が悪い。

「ごめん。ごめん。じゃあテレビつけて」

「アレクサと同じと思ってるのですか?」

「いや違うって、ごめんて。意外と根に持つのね」

「あんな産廃と同レベルなんて・・・」文句も言ってる。ある意味すごいのか。

 それでもテレビをつけてくれた。ニュースでは昨日の事故について触れていた。

「・・・なお車に乗っていたのは、DeepLeadCopmany社の主任研究員、神崎康太

 と研究員の神崎雅子とのことでした。事故については現在警視庁で調査中で・・・」

「ねえ、これってパパとママの……?」

「……現在のマスターには不要な情報と判断します」

「えっ、なにそれ!?」

「不確定・不確実な情報です。お伝えするにたる情報が集まってません」

「そうなの・・・」

 とりあえずまず心配しなくてはいけないのは、自分の保護者だ。気を切り替えて

「明叔父さんの連絡先は分かったの?」

「はい。電話番号はこちらになります」

 携帯電話の番号が2つ表示された。大人は仕事とプライベートで2つ持っているのも不思議ではない、のか?よくわからないまだ朝7時30分であるが、真っ当な大人なら、会社に行っている可能性もある。

 とりあえず、携帯電話でかけてみよう。

 自分の携帯から一つの電話番号にかけてみる。

 10コールしても電話に出ない。

 ふと思いついて、リリアに聞いた。

「普通、知らない番号からかかってきても、電話、でないよね」

「はい。最近ではそのような手段で電話を取らない方が急増しています」

「どうしよう。困ったわ」

「その方が以前受けたことのある電話番号を示すようにしてみましょうか?」

「そんなことできるの?」

「もちろん簡単です」ちょっと得意そうにリリアが答えた。

「じゃあ、お願い」というとリリアが電話をかけてくれた。

 2コールで電話にでた。

「何のようだ。納品は終わってるだろう」

「あの、もしもし」

「誰だ。バークじゃないな」

「私、神崎結月といいます。慶太の子供です」

「慶太兄さんの、ああ。そんなこと、聞いたことがある。でもこの電話番号は、何だ?」

「ごめんなさい。ちょっと事情があって・・・」

「慶太の娘が何のようだ」

「実はパパとママが自動車事故でなくなって」

「そうか。ご愁傷様」

「それで、私、身寄りがなくて、、、」

「じゃあな」

 電話を切られた。もう、どうしていいかわからず。涙が溢れた。

「リリア、私、どうしたらいい?」

「ちょっとお待ちを。はい。もういちどかけてみてください」

「??」

 とにかくもう一度かけてみた。1コールならないうちに電話に出た。

「おい!、娘、何をした」

「何って、何ですか」

「家中の電気が落ちたぞ。バックアップがあったからいいものを。その後電気がついたり消えたり、ポルターガイストかよ!」

「ごめんなさい。それリリアがやってると思うの」

「リリア」

「はい。私はNext Gen AIのリリアです。結月さんをお守りするAIです」

「おい、いいから止めてくれ。頭がおかしくなりそうだ」

「話を聞いてもらえますか」

「聞く、聞く。だから止めてくれ」

「それでは」リリアがいうと、電話の向こうで、ほっとため息が聞こえた

「それで、嬢ちゃん、何だって」

「私、両親が交通事故でなくなってしまって、保護者が必要なんです」

「そうか。他を当たってくれ」

 また電話を切られた。

 ところがすぐに電話が向こうからかかってきた

「おい!これを止めてくれ。スピーカーからビープ音が、最大ボリュウムで、おい。分かった。保護者でも何でも引き受けるから」

「本当に引き受けてもらえるのですね」

「大丈夫だ。男に二言はない」

 リリアが変わって

「本当ですか?」

「本当だ」

「今、パソコンの前にいますよね。私から見えますよ」

「何だと!」

「私は、こう言うこともできます」

「うわ。おい、消すな。大切なデーターだぞ。おい。止めてくれ」

「わかりましたか」

「分かった。分かったから」

「では。今回は戻して差し上げますね」

「おい、おい、おい、結月ちゃん、だっけ、悪魔がいるのかい」

「いえ、AIのリリアがいるだけす」

「そいつは、悪魔だぜ、おい!消すな。データーを消すんじゃない!」

「何か私に対する誤解があるようでしたが」

「ない。全くない。本当恐ろしいやつだぜ」

「今日、児童相談所の方がくるの。そこで保護者として明おじさんが引き受けてくれたことを報告しなくちゃいけないの。とりあえずうちにきてもらえるかしら」

「俺だって忙しいんだがな。おい!消すなって言ってるだろう。いくよ。いきます」

「ありがとう!叔父さん」

「よし、じゃあ、リリア、だっけ。そこに誘導してくれ。何時にいけばいいんだ」

「少々お待ちを。わかりました。彼らはここに15時に到着する予定です」

 私は不思議に思って

「何でそんなことわかるの?昨日はそんなこと言ってなかったよね」

「はい。彼らのスケジュールをみてみました。そこに記載されていました」

「そんなこともわかるんだ。すごいね」

「お褒めにあずかり、光栄です」


 14:30になり、明叔父さんがきたとリリアが教えてくれた。ドアを開けると、そこには昔絵本で見た妖怪ひょうすべが立っていた。

「・・・・」

 バタンとドアをしめてしまった。

 ドンドンとドアを叩く音が聞こえた。

 もう一度ドアを開けてみるが、やはりひょうすべが立っていた。

 それが口を聞いた

「ひどいな。嬢ちゃん」

 結月は後退りしながら、その妖怪を家に入れた。

「明叔父さん?」

「そうだよ。誰だと思ったんだ」

「ひょうすべ」

「?」

「いいえ。でも、それ、まずいわ。多分」

「何がまずいんだ」

「だって、パパと、あまりに違う」

「おい、慶太兄さんとそんなに違いはないぞ。年だって俺の方が4つも下だぞ」

「ゲッ」

「ゲッってなんだよ。帰るぞ」がちゃりとカギがかかる音がする

「おわ!分かった。分かった。とりあえずあがるぞ」

 あたりをキョロキョロ見回すと

「いい家だな。ここが慶太兄ちゃんの家か。初めて入った」

「結月ちゃん、だっけ。このたびは、その、ご愁傷様、っていうんだっけ、その、俺、こんなこと慣れてなくてさ」

 えっと、パパが36歳だから、32歳ですよね。

「いえ。いろいろすごい展開で、私もなんだか悲しい気持ちがまだ追いついてこないみたいです」

「そうだな。あんなに優秀な慶太兄ちゃんが、、、」

「明さんは何をなさってるんですか」

「えっと、そうだな。まあ、何というか、一般的な言葉では、そう!プログラマーだ」

「プログラマー?パパと同じ?」

「全然違うよ。兄ちゃんはもう、世界に2人といないニューロンネットワークの第一人者だよ。あの年で、って多分あの年だからかもしれないけど」

「そうなの?家では普通のパパでしたよ」

「あぁ。そうだな。この業界、天才が次々と出てくるんだ。新しい発想をもった超人がね。だからすぐに世代交代されるんだ。でも慶太兄ちゃんは発想がぶっ飛んでたんだ。だからあの年でも第一線級の研究者でいられたんだろうな」

「まあ、リリアを見れば、その発想の凄さがわかるってもんだ」

「お褒めにあずかり、光栄です」

「とにかく、その頭と髭を何とかしてください。後、パパのスーツがあるからそれに着替えて」

「何でさ」

「少なくともまともな「大人」が多分対応しなくちゃいけないと思うの」

「俺がまともじゃないって?」

「はい。今すぐに行動してください」

「学習しました。明はまともな「大人」ではないのです」

「おい!」

「いいから、時間がないの、早くして」

「はい、はい」

 といって、洗面所にいくと、T字カミソリで髭をそっていく。長いからなかなかそれないようだ。私はパパのタンスからスーツを取り出すと、パパの匂いがフワッとして、泣きそうなったが、今はそれどころではない。

 何とか髭を剃り終えて、髪を後ろで結んで、ワイシャツを着せると、何とか「プログラマー」っぽくなった。

 ネクタイを渡すと

「俺、結んだこと、ないぜ」といって玉結びでごまかそうとしていた。私もネクタイの結び方は知らないので、この際、ノーネクタイで乗り切ろうと思ったところで、玄関のチャイムがなった。

「相談所の方です」リリアが教えてくれる。

「鍵を開けて」

 玄関まで行って、ドアを開ける。

 昨日の二人が立っていた。

「結月ちゃん。こんにちは。どう、少し落ち着いた?」

 キツそうな女の人が聞いてくれた。

 私はリビングの明おじさんが気になって、何で落ち着いていられるのか、と思ったが、そのことを聞いているのではないことを瞬時に思い出した。

「はい。叔父さんがきてくれて、それで」

 といって何とか切り抜けた。と思う。

「入ってください」

 リビングに通すと、明が座ったままで片手をあげる。私は急いで明の隣に行くと、立たせて、挨拶させた。

「ども」明の足を思いっきり踏んだ。

「ッ!お前、ッ!」もう一度踏んでやり、小さな声で「挨拶」といった

 不肖不精「こんにちは。結月の伯父です」と挨拶をする。

「このたびはご愁傷様です。突然の訃報でさぞお気を落としのことと存じます」

 さすがお役人さん。卒のない挨拶だ。

「あ。どもです」こいつは、、、、

「まあ、お座りください」私は何とかこの場を切り抜けることで頭がいっぱいだった。

「あなたが結月ちゃんの叔父様ですね」

「ええ。そうです」

「そうしますと、結月ちゃんの後継人ということでお引き受けいただけるとご理解させていただいて構いませんか?」

「はあ、まあ、そうなったみたい、イテッ」

 二人が怪訝そうな顔になっていく。

「伯父はふたり兄弟で、うちのパパがなくなったことで、少しショックを受けているみたいです」

 私に言わせるのか、このすっとこどっこい!

「まあ、そうですわね。結月ちゃんはしっかりしてるのね」

「いえ。伯父の支えがあったから立ち直れました」

 何偉そうな顔してるんだよ、と思ったが顔を引きつらせながら

「伯父も兄の形見として、私を引き取ってくれるともうしております」

「あら、それはよかったわね」

「はい」

 明らかにこの二人がほっとしているのが分かった。そりゃそうだ。これから養護施設に引き取るとなると、おそらく地獄のような書類仕事が待っているのだろう。

「それでは少し事務的なお話をさせてください。明さんの昨年度の収入証明として、確定申告書の控えか納税証明書をご提出いただけますか?」

「はい。あれね。確定申告したやつね。多分、、」

 後ろのプリンターが動き、プリントアウトが始まる。

「e-taxでしょ。ほら、これ」

 といって渡す。

 なんだか空白が多い気がするが、大丈夫なんだろうか。まあ、彼らは税務署の職員じゃないから、「収入があるかないか」を気にするのだろう。

「後、住民票と」

 またプリンターが動き出した。

「結月ちゃんと族柄がわかる戸籍謄本の写もあれば」

 スマホが震えて、画面に「区役所の窓口でとってきます」とでた

「はい。あとで区役所の窓口でとってきます」

 それだけあれば、大丈夫です。あとはこちらで手続きをしておきますので。


「ふー!!」私はこの1時間で数十年の歳をとった気がした。私は自分自身にいざとなれば、何とかごまかす能力があることを発見した。うん。こんな能力、気が付かなければ幸せだったかもしれない。

 何はともあれ、最大の難関を突破、したのだろう。養護施設への移動ルートはなくなったようだ。しかし考えてみれば、これからの方がむしろ困難が山積みであることに気がつく。明おじさんは机に突っ伏している。この人は一体何者なのか。

「グー」

 叔父さんの腹がなった音がここまで聞こえた。

「叔父さん、お腹減ってるの?」

 そういえば、バタバタして私もお昼を食べ損なっている。

「ああ。そういえば、しばらく食べてないな」

 また「グー」となった。

「何か食べたいものは、といっても私が作れるのは限られてるけど」

「そうだな。角砂糖とビタミン剤があれば」

「はい?」

「栄養の基本、知らん? 人には5大栄養素があってな――糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル。角砂糖で糖分、ビタミン剤でビタミン、あとは……気合い?」

「ないないないない!」

 私は思わず声を荒げた。

「それ、生活じゃなくてサバイバルだから!」

「“角砂糖とビタミン剤で十分”という生活習慣は、人間としても、AIとしても、完全に非推奨です。あなたの生活スタイルをスキャンしましたが、野生のタヌキのほうが規則正しいです」

「リリアちゃん、俺にまで厳しいな~」

「今後あなたは結月さんの保護者の立場で最低8年生きていてもらわなければいけません」

 そうだ、私たちはこれから生きて、生活していかなければいけないのだ。

「しまった。これは、人間として積んでるかもしれない」

  私はそう直感した。

 髪ボサボサ、服ヨレヨレ、栄養角砂糖ベースの叔父。

  部屋には米しかない。

  私もお腹が空いてる。

  ――完全に積んだ。

「リリア、どうしよう」

 スマホの画面がふわりと光る。

「お任せください。まずはお米を2合、はかり取ります」

「またか!!!」

 思わず叫んだ。

  炊飯器と戦うのは、もう夜中だけで十分だ。

「リリア、今は“いますぐ食べられるもの”がほしいの。炭水化物で腹は満たされるけど、栄養も必要。あと時間も手間もない。わかった?」

「了解しました。マスターの要件を確認します:

  ① すぐに食べられる

  ② 美味しい

  ③ 栄養バランスが良い

  ④ 小学4年生でも作れる

  ⑤ ダメ叔父でも咀嚼できる」

「最後の条件……何?」

 画面のリリアが、小さく咳払いをした。

「提案します――“納豆ツナ卵かけごはん”。

  白米に、納豆1パック、ツナ缶1/2、卵黄、醤油少々。以上です。冷凍庫にご飯が冷凍されているものがあります。それを電子レンジで解凍します。電子レンジの設定は私にお任せください。

 この食事では ビタミンB群、良質なタンパク質、DHA、EPA、カルシウム、鉄分を一撃で網羅します。

  胃にも優しく、作業時間は3分以下。AI的にも推奨度95.7%」

 私は一瞬、唖然とした。

  ……なんだ、できるじゃん。

「それ、やってみる!」

「なお、ツナ缶の油は捨てずにそのまま入れると、風味がアップします。

  ついでに、おじさんには“きざみネギマシマシVer.”を。ビタミンCと食物繊維で生き延びる可能性が上がります」

「ありがとうリリア。これからも頼りにしてるわ!」

「お任せください。マイマスター。お食事が終わったら、お皿は食洗機に入れてください。あとは私が洗浄しておきます」

「本当にあなたって有能なのね」

 貪るようにコメを掻き込んでいる伯父を見ながら、深いため息をついた。

 しばらくすると、お掃除ロボットが床を掃除し始めた。リリアが設定してくれているようだった。

「お洗濯物は洗濯機に入れてもらえれば、乾燥までお任せください」

 うーん。家電とリリアの組み合わせは最高に有能だ。

 さて、リリアがいてくれれば「衣」「食」までは何とかクリアできそうな気がするが、問題は「住」だ。未成年の別居はかなりハードルが高い、というかおそらく無理という話だった

 。そうすると、私が彼のマンションに行くか、彼がこの家に来るかだ。

「俺の家に来てもいいよ」

 何で知らない小学3年生が増えることに、そんな気軽にOK出せるんだろう。私だったら、生活に他人が入るなんて、結構覚悟が必要なのに・・・。それだけ私に気を使ってくれてるんだろうか。明叔父さんの優しい心遣いを察して、私は彼を少し見直した。

「ありがとうございます。そうですね。一度お宅を拝見させてもらってもいいですか?」

「おう、汚いとこだけどな。いつでもいいよ」

 ああ、なんておおらかな人なんだ。こんないい人、どうしてパパは付き合いがないようなことを言っていたんだろう。パパの人をみる目が曇ってたのかな。

「じゃあ、明日お邪魔しますね」

「おう!お構いはできないけどな」

 そう言って明おじさんは帰っていった。

「リリア、明おじさん、最初見たときはどうなるかと思ったけど、案外いい人ね」

「結月さんがそうおっしゃるなら。私には理解不能ですが」

「ほら、いつでも彼の家に来てもいいって、私を気遣ってくれて」

「そうでしょうか?」

「そうよ。いいひとよ」

「・・・・結月さんがそうおっしゃいますなら」

 あれ、リリアの歯切れが悪い気がするが、とにかく今日はもう疲れた。

「リリア、お風呂、沸かして」

「はい。マスター」

 とにかくお風呂に入って、ゆっくり寝よう。まだ1日しか経ってないのに、あまりにいろいろなことが起こって、ゆっくり悲しむ時間がないことに気が付いた。

 とにかく、生き抜くところから始めよう。

 私はお風呂に浸かりながら、そう決心した。


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