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コンクール
回鍋肉定食が運ばれてきた。作りたての回鍋肉は、もくもくと湯気を立ていて、食欲をそそる。しかも、650円という、リーズナブルな価格だ。ここのウエイトレスは、アルバイトの大学生で、中国に留学したことがあるから、中国語ペラペラだ。だから、ここに雇われたと思う。
ランチを食べ終わってから、ぼくは、会社へもどった。
今日は残業になりそうだ。たぶん、深夜まで会社にいることになる。営業が、大きな取引を決めたので、仕事の量が半端なく増えたのだ。
ランチに食べた、回鍋肉のにおいが、まだ、残っている。中華は、うまいけれども、においがきつい。ぼくは、におい消しに、ミントガムを口に入れた。
デスクに向かって、コンピュータのキーをたたたいていると、同期の佐藤が、話しかけてきた。
「おい、カモノハシ報告って、なんだ? みんなの噂になっているぞ」