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神様になった  作者: 小原河童
冒険者編
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冒険者ギルド1

今朝スズメバチに左手薬指の第二関節辺りを刺さました。

これまで何度かスズメバチを含め蜂に刺されていますが、ブッスリとやられ経験した事がない痛みと、生汗が全身に出ました。

参られるお坊さんにジャガイモを持って帰って欲しくて、手袋を手袋を取ろうとした一瞬のでしたが、手を振ってもハチの奴がなかなか離れてくれないのですね。

先月はムカデ、今月はハチですからね。

田舎に住むものとしては、次はマムシかもしれません、要注意です。

皆様もお気を付けください。

リンツ隊長は神のお告げの「急いで」、を思い出し下へ走っているところへ爆発を連想する大音響に、大事が起きたと全力で走った。

音源の部屋の扉は粉々に壊れ残骸が通路に散らばっていた。

部屋の中には第2班班長ほか隊員は無事で、1人を除いては呆けていた。

それと、神のお告げに出てきた少女の視線が合った。

その視線が示すものは、2班班員のウッドマンをみてリンツは理解した。

そう、幼女バラバラ惨殺事件の犯人だと。

道理で今まで犯人が分からないままであったのかも。

証拠もつかめず、いつも警戒の裏をかかれ、やすやすと犯行が繰り返されたのかを。

「お前ら、ウッドマンを取り押さえろ、こいつが幼女バラバラ惨殺事件の犯人だ」

「へぇ~、能無しリンツにしてはよく分かったじゃねぇか。

だがよっ、まだ捕まる分けにゃいかねぇな。

次はお前の娘エリスで楽しませてもらおうか。

そして、その次はお前だ」と瑠璃を指さし、腰のショートソードを抜いて、扉の近くにいたドールトとリンツを切りかかり、易々と逃走を許してしまった。

リンツ隊長はドールトにウッドマンの指名手配を各衛兵詰め所と6か所の門へ連絡するよう指示をし、ラーダ班長には各班長の招集を急ぎ命じた。

この騒ぎに手すきの衛兵が何事かと駆けつけて来た。

隊長の指示で取り調べ室で2人だけになった。

隊長のリンツは胡散臭そうに瑠璃のスクール水着姿を眺めていた。

なにか吹っ切れた様に一言「付いて来い」、と苦虫を噛み潰したような顔でつぶやいた。

付いて行った先は隊長室で、まだほのかに酒の匂いが漂っていた。

酒の匂いがしなければ、隊長室はなかなかの威厳がある室内、背面と入口ドア側面の2面の壁に備えられた戸棚と、前にある大きな机も頑丈さを表に出しているが、ローズウッドを用いた職責に相応しい立派なものだ。

3本並ぶペン立てと2つの書類を入れる箱には、未決済の書類が積み重なっている。

机の前の深緑色の革張りのソファーに瑠璃を座らせ、リンツは机の引き出しから1枚の白いハガキ大のカードを持って瑠璃の対面のソファーに座った。

リンツが出してきたカードは、ルーノンの世界に生まれたものは誰でも自然に生まれながらに持っているものだとリンツが言った。

「お前が何者でもわしには関係ない。

このカードは末娘のエリスの物だ」

リンツが言うには、この世界で身分を証明する白カードを持っていない者は、例外なく奴隷と決まっていると。

「しかし、お前には奴隷紋が無いので、先ほどのお告げにあった女神なのかもしれないが」

奴隷紋は円の中に三つ巴の黒い文様で、首もしくは背中に入れるよう決めごとがあるのだ。

リンツはまじめな顔で瑠璃に向かい「これからお前にはこのカードを持って、冒険者ギルドへ行き冒険者登録をしてもらう。

その際、名前とスキルを受付に悟られないよう隠せ。

その後、ここに戻ってエリスのカードを返せと。

冒険者ギルドで説明を受けるだろうが一応言うと、1カ月に最低1度は依頼を受けないと冒険者の資格を失うのだ。

勿論、ただ受けるだけではなく成果が要る。

見るからに怪しいお前を監視する必要もあるから、週に3日は衛兵の仕事をしてもらう」と。

「ギルドに指名依頼を出すので絶対受けろ、それでウッドマンの代わりとして、ラーダ班長の指揮下に入れる」

今日を入れて6日以内にウッドマンの奴を捕まえないと、わしは領主様からクビを言い渡されている、と瑠璃に言った。

詳しい話は後でするから、お前は早く冒険者ギルドへ行け、と依頼書と白カードを渡された。


リンツは冒険者ギルドの場所を教えてくれなかったが、瑠璃にはなんとなくわかった。

衛兵本部から出て、町の中へ入って行くと瑠璃のスクール水着が目立ちすぎて、町へ入る時以上の注目を集めすぎる。

その中のおかしな男に手を引かれて行った先の広場に、瑠璃によく似た瑠璃の本当の体型に近い像が建っていた。

瑠璃を引っ張ってきた男は、女神教の信者だと言う。

こちらが女神教の教祖様だと言うと、石造の台座後ろから像と同じスクール水着を着た妖艶な女が出てきた。

「妾に救をもとめるのは其方か」

男は料金が5000イェンいると説明してくれるが、丁重にお断りした。

それと、リル神を騙る詐欺のような真似は止めてほしいと、言った。

今は冒険者ギルドに行き冒険者登録が先、信頼して白カードを貸してくれたリンツを安心させてやりたいからだ。

教祖に会わせたので5000イェン出せ、と追ってくる男を無視して、冒険者ギルドへ入った。


遠目でもギルドの非常に立派な五階建ての石づくりの建物には、大きな看板に剣と盾の下に魔法使いが使うロッドが横に描いてあり、直ぐにわかった。

注意して観ると、その看板が弓を引き絞ったデザインになっている、非常に凝ったものだ。

身元が不安なままギルドのドアを開けると、受付カウンターに担当女性が一人、他の70人くらいは個室風に区切られたスペースで、机に向かい事務仕事をしている。

瑠璃がよく知るどこにでもある会社の風景であった。

暇を持て余している受付嬢が瑠璃をみて、眉にしわを寄せ胡散臭そうに値踏みするように見てくる。

しかし、直ぐに職業柄の営業スマイルで眉を引きつらせながら応対してくれた。

「よ、ようこそいらっしゃいませ。

ギルド員の登録ですね。」

「この申請用紙に記入し白カードと一緒に提示して下さい。

ところで、文字は読めますか、書けますか。」

と、受付嬢がたたみかける様に聞いてきた。

申請用紙の必要事項に記入し、エリスの白カードを参考に前もって自作した白カードを出した。

瑠璃が心配した白カードの材質も問題なく安堵し、衛兵隊長リンツからの瑠璃への指名依頼も一緒に受付嬢へ出す。

いつの間にか、瑠璃の頭から熱したフライパンに油を引いたくらいの煙が出ていたのだ。

「あのぅ、頭は大丈夫ですか。

おかしくないですか、体調が悪いとかないですか?」

「あっ、特に気にしないでください。

私は正気、とても健康ですから」

みるみる受付嬢の顔色が青くなり、それを見た瑠璃の方が色々心配になった。

「でもそのぉ、頭から煙が出ていますよ!」と困惑した受付嬢が大声で叫んだ。

すると机に向かっていたギルド職員の目が、一斉に瑠璃の方へ向けられた。

頭から煙を出し、裸同然の格好をした不審な少女に、気の毒な視線と観てはいけない者をみたとか、かわいそうな者をみた、といった様々なた視線が向けられたが、それは一瞬で、見なかったものとして各自の仕事に戻った。

ギルド受付嬢の指示でカウンター横の分厚い絶対に重いと思う灰褐色をした石板の上に手置くと、石板が薄青色に一瞬の発光の後、瑠璃がよく知る券売機のような感じでギルドカードが出てきた。

灰色をしたギルドカードを手にした受付嬢が、驚きながらギルドカードに示されたことを説明してくれた。

以下は初期の瑠璃のステイタスだ。

冒険者ランク:E

名前:ルリ

年齢:11

職業:※※

スキル1:?※?〇

スキル2:?□□

スキル3:?□※??

スキル4:?$?□

スキル5:?€$

スキル6:??□※

と記入された、表の看板のマークが記されたギルドカードを瑠璃に受付嬢が渡した。

そして、ギルドにはランクがあり初心者はEからがスタート、最高ランクはSSで、現在この世界でSSランク所持者は5人で勇者だけだという。

このナルディ市にも1人SSランクの勇者兼冒険者がいるのだそうだ。

その勇者兼冒険者は領主様の長男、イーライ様だそうだ。

勇者以外で最高ランクはS、AA、SとAA保持者は領主様や貴族の指名依頼がほとんどで、余程の一大事が起きないと初心者が会う事はまずないそうだ。

勇者でもスキルは多くて5個の所持が最高で、それも今は王都に居ると言われる1人だけです。

王族や貴族も多くて3つ、魔王や魔国の貴族でも同じですが、ルリさんはもしかしてアレですか?

本来は登録と直ぐに指名依頼は受けられないのだが、リンツ隊長からの指名依頼だからと、今回は特別と手続きをしてくれた。

最後に、「こちらは、ギルドの表玄関です。

ここでは、冒険者登録とカードの紛失に結婚などで苗字が付く等の他、パーティーの結成と解散などでカードの記載変更がある場合だけです」

「普通は裏の方が冒険者にとっての玄関。

業務は仕事の依頼の掲示板と張り出し期間を過ぎたが、取り消しが無い依頼を扱う綴りの閲覧できます。

そして、依頼の報告と依頼品の検品に買い取り、あとは、居酒屋を模した酒と食事を提供できる場所があります」

評価よろしくお願いします

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