表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様になった  作者: 小原河童
冒険者編
41/496

スーナの白カード

翌朝瑠璃はルイネがあいさつに来たので、昨夜の事を聞いてみた。

「ルイネさん昨夜はよく眠れましたか」の問いに「はい、いつもと同じです」と嬉しそうに答える。

ゴズの所在を確認すると、ゴズは隠れ家に行っていた。

聞いてみると、魔王が植物を少しずつ持って帰るよう庭師に手配させているのだと。

瑠璃は改めて思う、隠れ家に責任者が欲しいと。

確かにゴズは最適なのだが、私の使い魔だからこの場合はやはり人が良いと。

ルイネさん食事にしましょう。

受付に降りるとレスターがルイネを見て驚いた。

「おはようございますルリ様。

昨夜は災難でしたね、なんと言ってもルイネさんが領主館へ呼び付けられたのですから」

「それは、解決しましたから大丈夫ですよ。

あんなおかしな領主令は今後無くなるでしょうし」と言う瑠璃に、レスターは呆気にとられていた。

ゴズはまだ時間が掛かりそうですから、食後はリンツ隊長の家に行きましょう。

食後自室で瑠璃達はお茶をして時間を潰すが、ゴズが帰ってくるまでには、まだ時間が掛かるという事なので、リンツ隊長の家に向かうとゴズに話、転移でウエストランドとの間を流れるスネール川に架かる立派な吊り橋に転移し、そこから歩く事にした。

リンツの家の前まで来ると、リンツ隊長がまた家にいた。

「リンツ隊長、その仕事は放って良いのですか」と瑠璃が聞くと、「死体堀に続き検死と手伝って疲れたので、今日は休みだ」だと微笑んだ。

「おーいスーナよ、ルリが来たぞ。

また何時もの取って置きを頼むぞ」の声にスーナが出てきた。

すっかり背中が透けて見えるくらいの薄着になったスーナは、本当に年齢を感じさせない美人と思った。

「ようこそ、いらっしゃいませルリ様」と言うスーナは本当に嬉しそうで、良い笑顔を見せてくれた。

「そのスーナさん、様は止めてもらえますか」と言う瑠璃にそれは無理と笑顔で言われてしまうと強く言えなくなってしまった。

そこへ、エリスを先頭にジーンにシンと少し遅れてエレンが出てきたが、皆は今日はゴズがいなかったのでがっかりした様子だ。

エリスの「ハンサムなお兄ちゃん、今日は来ないの」の問いに瑠璃は困った。

「今日は別の仕事をしているから、また今度連れて来るからね」と瑠璃は言う。

「ルイネさん、お子達のお相手できますか」と言うと「任せてください。

ゴズさん以上に仲良くなってみせますから」と自信ありげに言う。

「さっ、では中へお入りください」とスーナに促され瑠璃はこの前と同じ簡素な応接室に案内される。

ここは不思議と落ち着く、本当にリンツ隊長家族は素敵だと思わせる空間だ。

直ぐにスーナがお茶と手作りクッキーを用意して持ってきたので、瑠璃はスーナの白カードをスーナに渡した。

「あっ、あなた、これ、私のよ。

本物なのね、これは。

あっ、すみません、ルリ様を疑ったわけじゃなくて、本当に感激で一杯です。

ルリ様本当にありがとうございます」と感謝を言う美しい顔から涙が零れ落ちる、これがまた美人に拍車がかかる。

「感謝してもらって私の方もうれしいです」と瑠璃が言う。

リンツはまさか本当にスーナの白カードを探し出してくるとは、期待半分といったところだったが、有言実行のルリを本当に神と感じた瞬間だった。

不思議そうに瑠璃を見つめるリンツに突然スーナが、「嬉しい事があるのですよ」と言い出し。

リンツはスーナを不思議そうに見ている。

今まで夫婦の間で内緒ごとは一切なかったのだが、何事と思っているとスーナが言った。

「その、リンツが最近痩せてきて、素敵だった昔の体型に戻りつつあるのですよ」と言いスーナが恥ずかしそうに微笑んだ。

「おい、お前何を言い出すのかと、緊張したぞ」リンツは照れて言う。

「そう言われると、初めて会った時と比べると、この辺が随分凹みましたね」と瑠璃が自分の腹をさすって3人で笑っているところへ子供たちが戻ってきた。

「何笑っているんです」とエレンが聞いてきた。

「お父さんのお腹が凹んだと」ルリ様のしぐさがおかしくて、とスーナが笑顔で話す。

「そうそう、お父さんって急に太るし急に痩せてくる」とおねぇちゃんも言っていたし、私も不思議なの。

そう言うエレンは胸がスーナに似て豊かで、瑠璃の見立てでは控えめに見てもFカップはある思うし、それにとても美人だから先が楽しみだと瑠璃は思う。

私とルイネにその楽しみは無くなったが、瑠璃は昔の体を知っている分、なんとなく悲しくなってきた。

この家族はこの世界の縮図と思うと瑠璃は、この家族の笑顔を全力で守ろうと思った。

「また寄らせてほしい」と告げリンツ隊長の家を後に転移し自室に戻ってきた。

昼食の時間が来る頃ゴズが戻ってきた。

「ゴズ、ご苦労様。

それで、あちらの様子はどうなりました」

「それが、少し手間取りました。

と言うのが、専門の庭師のくせに食虫植物の餌にされたと、のん気に笑っている庭師を助け出すと、体中を粘液だらけにして笑っている庭師の服は綺麗に融けていました。

それで、移動が難しいなら私らが処分する事になるかもしれません」とゴズが話してくれた。

なんでも、成長が予想外だったと庭師が言っていました。


評価よろしくお願いします。

それから、宜しければブックマークもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ