闇市
みんなぁ~!!
今日も来てくれたありがとうぉ~♪
楽しんでってねぇ~!
ヨウコさんに結界を張ってもらい見えなくなった状態で衛兵がやって来るのを待った。
商会の前に見張りが居ない辺りは、すっかり安心しきっている様子だ。
ところで、ルネは転移が使えますよねと、聞いてみるとルイネ様が亜神の時に身に着けられた事は全て出来ると話してくれた。
それは心強い、これからはヨウコさんとルネに期待しましょうと、ルイネが言うと二人は任せて欲しいと言ってくれたのがルイネは嬉しかった。
強襲の指揮は2班班長のラーダが執るようで、ラーダの指示で全ての出入り口を全て塞ぐ形で人員の配置が終わった。
商会の裏手は軽く見ても10台以上に馬車が待機しているのが分った。
ルイネが神眼を使い中を観ると、全ての馬車が空のままなのでまだ競りがはじまったばかりと判断した。
ルネは繋がれている馬を石に変えてくれますか、逃走の足を奪うにはその方が良いでしょうからと、言うルイネの指示で、全ての馬車の馬を石に変えてみせた。
裏はエステさんの班が担当するようですが、勇者の彼女は強いですが他の班員は魔法使いですから、ヨウコさんが加勢をしてくださいと言うルイネの指示で、ヨウコさんはエステ班長と一緒になった。
「困りましたね、ヨウコさんの結界が利いていますから」と言うとヨウコさんが気を利かせて結界を解除してくれた。
私達はラーダ班長の所に移動しましょうと言うルイネに付いてルネも転移した。
突然現れたルイネとルネにラーダ班長は驚き、ネリナとポーラーが可愛いと近寄って来た。
ラーダ班長この少女は何なんでしょうかと、ポーラーが聞いてきた。
「こちらは、ルリ様と同じ神様だ」と言うラーダ班長にポーラーとネリナは驚いていた。
とう突にポーラーが面白い事を言い出した。
「こちらの神様は、ルリ様よりもそのお金持ちなのですね」
それはどういう事でしょうかと、ルイネが聞くと「ルリ様は裸足でしたから」と言うのがおかしく緊張する場面なのに皆の笑いを誘った。
「それは違います。
私の様に靴を履く方が特殊なのですら、恐らくは私だけでしょう。
神は全て裸足ですから」とルイネが話すと、そう言うものかと皆が納得した。
ラーダ班長が指揮を執っていらっしゃるのですね。
逃走に馬車が使われる事を考慮し、ルネに裏の停めてある馬車を引く馬を石に変えてもらっていますから、それともう一つは、私のメイドのヨウコにエステさんの班の応援に付けましたので、お知らせしておきますと、ルイネがラーダに話した。
ルイネ様の配慮に感謝申し上げます。
私とルネは此処で待機しておりますから、何か問題が起きると知らせくださいと、言うルイネとルネを残し、ラーダ班長の指揮の下ラーダ班長の笛の音が静まり返った虚空に良く響き一斉に班員はダキードとイセル兄弟商会の中に突撃して行った。
その後は怒号と少女のものと思われる悲鳴が夜の闇に何度も何度も木霊した。
ネットワークでヨウコさんに様子を聞くと、エステ班長だけで今はする事が無く暇をしていますと返事が返って来た。
ルネは出てくる者は全て捕まえてください、多少の怪我は仕方ありませんが殺しはダメですからね。
良く分っていますから、ルイネ様は此処で見ていてください。
と、ルネが言うので見ていると、それらしいものが次々と出てくるので、「行ってきます」と言い残し出てくる者に手刀で対応し、一人も漏らす事無く気絶させていた。
ルイネが注意して見ると倒れている者の中に貴族がいた事だ。
貴族と言うと衛兵の管轄外になるのでルイネは、コロンの邸の地下牢を当てにする事にした。
ルネもルイネ同様ファシネイトが使えるので、尋問に苦労する事はないが、事情を聴いて痛い思いをさせて申し訳なかったですね、と言って返すわけにはいかないからだ。
自由都市国家連合で餓鬼の餌にしてやろうかとルイネは思った。
ルイネが心配したのは、此処に居る奴隷の処遇だ。
ダキードはこの闇市に関わってるのは確かだが、イセルの方も関わっているとなると、管理を誰に頼むかだ。
面倒事を押し付けるようだが、此処はロンしかいないとルイネは思った。
とか、考えていると出てくる者が居なくなり騒ぎが収まり静かになった。
それでルイネ達も中に行ってみた。
中では、衛兵が活躍して仕事人と競り客を大量に捕まえていた。
その後ろの方にずらりと並んだ檻の中は、ほぼ裸の少女たちが泣きながら隅に丸くなり蹲っているのが見える。
どの檻も同様で、ほぼ同じ髪形をしたほぼ裸の少女に指揮するラーダ班長も困っていた。
アン班長がルイネを見つけて駆け寄って来たので、ルイネもその訳が良く分った。
「アン班長分っています。
少女に着せる服が要るのですね。
任せてください、今ヨウコを呼びますからね。
こんなことも有ろうかと、ヨウコに服を持たせていますから」と言いヨウコさんを呼ぶと直ぐに転移してルイネの傍に来た。
「私が檻を開けますから、ヨウコさんとルネで手分けをして少女に服を配り着るのが不自由な者には着せてください」とルイネが指示すると、ヨウコさんが服を取り出し、適当な数をルネに渡した。
それで、ルイネが檻の鍵は無い物と言った感じで次々に檻を開けていく。
その手際の良さに、アン班長は見入っていた。
次は、ざっとですが、私とアン班長で少女達に怪我を治したいと思いますから、班員に怪我人の有無を聞くよう指示をお願いします。
少々の怪我でもすぐに私が治しますからと、ルイネが話すとアン班長自らが怪我の有無を聞いて回ってくれた。
その間にヨウコさんは班員に混ざって、仕事人らを拘束していた。
ヨウコさんは表に残した貴族が逃げないように、拘束してくれませんかと言うルイネの指示で、直ぐに自由を奪い戻ってくるとルネと一緒に仕事人の拘束を手伝った。
ヨウコさんとルネが衛兵の手伝いをしていると、服を着た少女がルイネの下にやって来た。
見ると唇大きくが腫れているので、ルイネは経験から口の中を観ると前歯2本が折れ口の中を切っていた。
これを見てルイネが動揺してきた。
私は確かに怪我の治療は出来ると聞いていたが、折れた歯が元の戻せるかが不安だったし、日神様も話さなかったと思っていると頭のなかに日神様の声が聞こえた。
ルイネはその程度は簡単に治せるから安心して良いよと、何時もの軽い感じの話し声に安心し、日神様ありがとうございますと、お礼を言うと、ルネの活躍を見せてもらってるよと、後ろの方で馴染みの神様や美神様の笑い声と共に応援する声が聞こえて来た。
そうそう、ルリ様がやられていた様にと、はじめに口を大きく開かせてと、こうだったと黄金の光を出して、歯のあったところに当てると立派な歯が生えて来た。
次は、口の中の傷に光を当てて治し一人の治療は終わった。
少女はルイネに感謝を言い少女たちの集団に戻って行った。
ルイネは二人の少女の怪我を治してアン班長の姿が見えない事に気が付き、近くの衛兵に聞くと奥の方へ向かわれたと聞き、奥の方へ行ってみた。
そこには、この襲撃で傷ついた衛兵が6人が横たわっていた。
その中でアン班長が一生懸命手当てをしていた。
それをルイネが見ていると、気配を感じたのかアン班長が気が付き振り向き微笑んで見せた。
「困った時は何時でも頼ってください」と言うルイネにアン班長はありがとうございますと、返した来たのでルイネはラーダ班長の下へ移動した。
ネットワークでルネに指示し、石に変えた馬を元に戻し使えるようにしてほしいと指示を出した。
それから、ルイネ最大の問題である奴隷を探しに行くと、庭師探しの時に見た奴隷の一人もいなかった。
これを確認しルイネは安心した。
同時に遠くで監視しているロンに様子を聞いてみたところ、ダキードとイセル兄弟商会を取り囲むように配下を配置して様子を見ているが、逃げてくる者は今のところは一人もいないと報告してきた。
今夜は終わりだと話すと了解しましたと返事を返してきた。
ルイネはラーダ班長の下へ行き、裏手の馬車を使えるよう元に戻したから使って欲しいと言い、表で気絶させている貴族について話を聞くと、ラーダ班長が貴族は我々の管轄外だから罪に問えないと悔しがった。
「それは問題ありません。
私が何とかしますからご安心ください。
それで、ナルディア領に文句を言うような貴族や領主が出てくるその時は、私がその貴族の領を徹底的に壊しますから。
それが、私の神としての存在意義ですからね」と、言い微笑むルイネにラーダ班長は一瞬寒気を覚えた。
凡そ終わった様に感じますから私達は表の貴族を回収して帰りますから、リンツ隊長に宜しくと伝えて下さい。
そう言ってルイネ達は表に出て貴族を連れて転移して、コロンの邸の地下牢に来た。
夜も遅くなったので、適当にここを閉じ込めて私達も帰りましょう。
ヨウコさんに朝まで起きないようお願いしますと、瑠璃が言うと一瞬で終わりましたと言うヨウコさんに凄いと思った。
私はコロンに閉じ込めていると伝えてきますと言い、ヨウコさんが転移していなくなった。
私達も上に行きましょうかと、話しているとヨウコさんがコロンさんに話して来たと言い、私達も帰りましょうと言うので転移してルイネの邸に帰った。
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