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神様になった  作者: 小原河童
領主代理編
251/489

長い夜1

みんなぁ~!!

今日も来てくれたありがとうぉ~♪


本編に登場するエバンスと王族のエピソードは、私が気に入っている中の一つです。


楽しんでってねぇ~!!!

「これはルリ様もアースン殿も良くいらっしゃいました。

この前は紹介が遅れましたが、これが長女のオリビアです」とルチェが紹介するとオリビアは完璧なお辞儀をして見せた。

「この前は、直ぐ後ろの馬車にいたので神様に会う機会を逃しましたが、今日はお会い出来私は感激しています」と、オリビアが言う。


オリビアは次女と違い背が低く、緩く癖の付いた栗毛のボブといった感じのヘアスタイルをしているが、これが彼女に良く似合っている。

次女と違い体はメリハリがあり、もう少し身長があればセンスが良いドレスの着こなしといい目立つ存在と瑠璃は思った。


「今日の用向きは、アースンが話しますからね」と、言う瑠璃にアースンは「うまく話せるか自信がありません。

説明不足のところは後で聞いてください。

私とルリ様で答えますから、はじめに話を聞いてください」と、話しだした。


「まず、私の事を話しますと、私の家はこの先も派閥を持つ事はありません。

理由はいくつかありますが、大きな理由は私は既に地盤が固まっている派閥を無理に切り崩し、4大貴族が不仲になる事を最も嫌うからです。

それで、私が王都に来る馬車に対し、私に会わせろと貴族が私の道を塞ぎました。

私は会う事も無く全て門前払いで通しています。

その者たちは皆王派閥に属する者でした。

王派閥に属する有利な点は後ろに王族が付いていますから、ある程度領内で好き勝手な事が出来ますが、これが派閥を持つ領主に対する大きな罠ですから。

毎年社交界を前に王派閥の中から少数の領主が出ていきますが、あれは捨て駒ですから、ルチェ殿の派閥に決して取り込まないようにと、注意を申し上げに来ました。


エラン殿に話すとエラン殿自身も派閥の勢力拡大と言うよりも、出て行く者に引き留め色々策を弄しておられるようで、この場合は派閥を持たない私が最適となった分けです。


王派閥から出た者は、これまで領地で好き放題してきた者ですから、普通は十分に処刑の対象となる者です。

それを取り込むと事で、派閥の長であるルチェ殿も同様に罰が下るでしょうから、本当に良くできた策謀と私は思っています」と、一気にアースンが話した。

「如何でしたか」と、言うアースンに対し突然の事でルチェは、頭を働かせて一生懸命考えていた。

「今アースン殿が話されて事は、王派閥を抱える王族の誰かが我々を国王から離反させようと仕向けていると言事でしょうか。

わしもアースン殿と同じで、派閥の持つ意味に疑問を持っています。

昔からの繋がりで、わしが領主を継いだ時は既に派閥があり、今は仕方なく現状を維持しているところです。

今年も社交界を前にして王派閥から出た貴族は知っていますし、今話しに上がったメシーナ伯爵がわしの下にやってきました。

わしはメシーナ伯爵の事は前から胡散臭く思っていましたから、相手にはしなかったが、ジェイを呼び「我が派閥の中に居る王派閥出身の者は追い出せ」と、ルチェはジェイを呼び指示を出した。

「賢明な判断と思います」と、アースンが言い瑠璃も同意した。


「私の知る限りで申し上げますが、王派閥からの転向者は居ません。

何代も遡ると王派閥から転じた者がいるかもしれませんが、先代からの方針で新参者は入れないのです」と、ジェイが話した。


「ところで、ひとつお聞きしたいのですが、王派閥を追い出された貴族の行き先ですが、我々が相手にしないと分ると、あの者たちのその後はどうなるのでしょうか」と、聞くルチェの問いに瑠璃が答えた。

「4大貴族の次に多くの貴族を抱える者のところか、捨て駒にもならない役立たずは罰として処刑が早まるかでしょうね」と、瑠璃が話す。

「最近急に派閥の勢力を増している領主というと、旦那様ストング伯爵でしょうか」とアリアが聞いてきた。

「私なんだか怖くなりました。

お父様は御気を付けください」とオリビアが言い出したが、これが普通の反応とその場の誰もが思った。


「ところで、リンウッドのところでは派閥の貴族を監視する目的で、貴族を派閥貴族の監視に当たらせているそうですが、ルチェのところでは対策は取られていないようですね」と、聞く瑠璃にルチェは「私のところでは、誰でも入れるような事はしていませんし、派閥の貴族も代々のチレント領主から引き継いだ者以外はいませんから」と、ルチェが言う。


「領主様、丁度今警護の兵士から知らせが来まして、領主様に面会を求めてレバリン・ハトンプ男爵が一人でやって来たそうです。

警護の兵士は面会について予定が無いので追い返したと、報告が上がってきました」と、執事のジェイが報告に来た。


「わし等もこの先を考えると、現国王ジョージ6世様とは良い関係ですが、代替わりする先の事を思うと心配です。

そこで、我々4大貴族は意思の統一を図らなければならないと感じます」と、ルチェが話すがアースンも同様だと言う。


エレンは話の流れで、配下のケストーナ伯爵に指令を出す事にした。

先ずはケストーナに与えた御札に念じてと。

えっとこうかな、(ケストーナさんに私が指令を出します。

よく聞いて実行に移りなさい。

手始めにレズナー・ストング伯爵について調べてください。

この者が、ナルディア領主と現王に悪意を持つ者の一人ですから、頼みますよ)とエレンが指令を出した。

(エレン様、承知致しました。

それで、調べる前に私が知っている事を申し上げますと、あの者はナルディア領主をはじめとする4大貴族に異常なまでの嫉妬心を持つ者です。

今は強引な手段で派閥の勢力を広げようとしています。

私が知るのは以上ですが、取り急ぎお知らせしました。

あとは社交界中に調べ、またお知らせいたします)

(身の危険を感じた時は、今の要領で私に知らせなさい、宜しいですね。

では、よろしく頼みます)エレンは会話を終えた。

御札の効力が凄い凄すぎると、エレンは感動した。

次は全員に話が伝わるようにし、エレンがケストーナから聞いた事を話した。

(ルリ様、先ほどケストーナにレズナー・ストング伯爵について調べるよう指令を出したところ、知っている事を話してくれました。

奴は4大貴族に異常な程の嫉妬心の持ち主という事です。

それで、今も強引な手段で派閥の勢力を広げているとの事です)とエレンが報告してきた。

(エレンありがとう)と、アースンが言い、好奇心が強いエレンの素早さに瑠璃は感心した。


「ところでルリ様、今日はささやかな食事を用意させていますから、是非召し上がって欲しいのですが如何でしょう」と、アリアが言い出した。

「それはありがたいです」と、喜ぶ瑠璃にルチェもオリビアもルリ様とはじめての食事と喜んだ。

瑠璃達を囲んでルチェ家族はこの間の瑠璃が見せた数々の奇跡について話が弾んでいった。

ルチェがアリアと話す数々の奇跡の場に立ち会えなかったと、オリビアが悔しがるのが、瑠璃をはじめ使徒の皆は面白かった。


その頃、バンドン王国を出て隣のベスカーレ帝国を目指していたエバンスに人生最大の危機が襲っていた。

高く両側が切り立った切通の街道の崖の上に、山賊エンドが網を張っていたからだ。


エバンスは3人の女性を連れ、賊から逃げる事だけに意識を集中ために、崖上の賊を見逃してしまった。

「おい見てみろよ、こいつぁ大物が引っ掛かったぜぇ。

おぉ、これはこれは世界中の冒険者ギルドに店を構えるエバンスさんじゃねぇですか」と、下品に微笑むのはイストランド大陸では皆殺しで恐れられている山賊エンドの若頭ウッドランとその配下140人だ。

エバンスが気づいた時は既に遅く、深い切通しの街道の前後が山賊エンドの手下によって素早く塞がれ、逃げ場が何処にも無くなっていた。


「やはりウッドランさんの読み通り、此処に網を張っていると予想通りの大物が掛かりましたね」と邪悪な笑顔で喜ぶのが幹部で弓の腕が確かな魔人のイーリだ。

「なぁ、エバンスさんよぉ、護衛はもっと腕がたつ者をケチらないで大勢連れてないと、俺たちみたいのが簡単に襲っちまうからよぉ」と、幹部の底意地が悪い猫人がニヤついた顔で言ってきた。

「さて、エバンスさんには悪いが有り金全部と一緒に連れている女たちをこっちに引き渡してもらおうか。

素直に渡すと、まぁお前さんだけなら助けてやらんことも無いがな。

さて、どうするよ」とイーリが勝ち誇って言う。


確かにエバンスが連れていた護衛は少人数だったが、決して弱いわけではなかった、想定外の多勢には敵わなかった。

もっとも腕がたつ者は、ついこの間おかしな者等に襲われた時に大怪我していて使い物にならなかったから仕方がなかった。

助けを呼ぼうにもこのベスカーレ帝国へ通じる主要街道は山賊に抑えられ、今は深い切通を抜け街道を大きく逸れた無人の暗い林の中に連行されていた。

それに、時間的にも夕暮れ間近の今は通行人を期待する方が無理というもので、これからは多くのモンスターが跳梁跋扈する夜になるのだから。

やはり、両国の国境が近い辺鄙な峠越えを前の山麓では、無駄な時間稼ぎでしかない。


主にイストランド大陸の旅人の間の常識として、日中の明るい時間帯にこの山道は通るのが常識という事は、マニス大陸に住むエバンスもよく知っていたが、いざ追われる身になると事情が違ってきたから、一か八かの運任せの賭けが裏目に出て今の窮地なので仕方がなかった。


「分った、今持つ金は全てあんた等にやるからそれで見逃してくれないだろうか」と、エバンスは諦めアイテムボックスから有り金300万イェンを出して見せた。

「おいおいエバンスさんよぉ、テメェ何か勘違いしてねぇか。

この金は勿論俺たちが貰ってやるが、そっちの女も寄こせって言ってんだがな」と、また新たな幹部が言ってきた。

「それなら、このレアアイテムの短剣も差し出すから、この女等は勘弁してもらえないだろうか。

これは滅多な事で手に入らない、S級ダンジョンボス討伐の時のドロップアイテムだ。

なぁ、良いだろう」と、エバンスが頼み込むが、エバンス自身も無理な頼みは良く分っていたが、今できる事はそれしかなかった。


それに、無駄な時間稼ぎをしても、山賊の人数が余りに多すぎ少々の人数では太刀打ちできない事は火を見るより明らかなのだ。

それでも、エバンスは今までのエバンスとは違い、リンス王妃と王女キーンとリンバは何としても守ってやろうと決意していた。

僅かでも神ルリ様に目を掛けて貰ったその信頼だけは決して裏切る事は出来ないし、したくなかった。

エバンスは本当に今までの自分らしくないと思うと少し可笑しくなったと苦笑していた。

面白かったとか続きが凄く気になると感じた方々は高評価、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★と、こんな感じにお願いします。


引き続き宜しければブックマークもお願いします。

お願いばかりで本当に申し訳ないのですがお願いです。

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