領主クロード・メシーナ伯爵
みんなぁ~!!
今日も来てくれたありがとうぉ~♪
楽しんでってねぇ~!!!
此処も朝のハトンプ市と大した違いが無いですね。
町の規模が大きいだけに、本当に残念に思いますと、アースンが感想を述べる。
きっと、ここもメシーナの重税が影響しているのでしょうねと、セレスが感想を聞かせてくれた。
ルイネとエレンは町は大きいのに、意外なほど静かに感じます。
その、もっと景気の良い物売りや怒鳴り声、それに、子供のはしゃぎ声が聞こえても良い様に思いますと言う。
バニーは耳を器用に動かし何かを探っているように感じる。
今度は私とルイネとエレンで邸の方へ行ってみますから、アースンとセレスにバニーは、市民から話を聞いてみてください。
と、言う瑠璃の指示に、バニーが「こっち、こっちに行きたい」とセレスとアースンの手を引いて、治安が良くない方へどんどん進んで行くので、無駄な騒ぎは起こさないようにと瑠璃が言い二手に分かれた。
ルイネはあの丘が見えるでしょう。
あの丘に転移してくださいと、言う瑠璃に指示で丘に転移すると、そこが嘗てのメシーナ伯爵邸だった。
ハトンプ男爵邸と違いさすがは伯爵邸とでもいうのか広かったし、瓦礫の量も人力で片づけるとすると、軽く見積もっても1か月は裕に掛かる量だ。
「この邸に特に変わった物は残っていないようですね」と、言うエレンの言葉にルイネが言った。
「ルリ様、この邸ほどの規模になると私は隠し部屋の様なものが有ると思いますが」と、言う。
そして、エレンに向かって「あのジューク邸に在った隠し牢とかエンドルフ邸の地下室が何処かに在るように感じるんです」と、ルイネが言う。
「ルリ様、探す事は出来ませんか」と、ルイネが聞いてきた。
少し待ちなさい、今探してみましょうと、言う瑠璃の言葉にルイネもエレンも安心したようだ。
「やはり何も無いようですね」と言う瑠璃の言葉にルイネは不思議に思った。
その後は広い屋敷跡をくまなく探したが、メシーナ伯爵の生活をうかがい知ることができる遺物は殆ど発見できなかった。
日が傾いたころネットワークで、アースンから中央広場に戻ったと連絡があり、瑠璃達もルイネの転移で中央広場に戻った。
「聞いてください、ルリ様。
メシーナと言う奴は本当に金に汚い奴で、他人を全く信用しない精神異常者の様に感じます。
奴は家臣よりも自分の命令にだけ忠実に動く奴隷を重用し、今年も社交界に奴隷を多く連れて出たそうです。
日神様が話されたアイテムボックスですが、奴隷のアイテムボックスにメシーナ伯爵は金品を常時持たせ、特に長期にわたって邸を留守にする時は奴隷を今回の様に全て連れて出るのだそうです。
その女たちは正規の奴隷ではなくて、メシーナが領地の検分と偽ってメシーナが気に入った女や少女を勝手に性奴隷にするというのですから私は絶対に許しませんから」と、セレスが怒った。
「あの時迷って私はルリ様の話を聞いたのですが、ルリ様が最初に言われたように私が出て、メシーナを10ベイとは言わず思い切りの全力で飛ばしたかったです」と、セレスが怒るがその顔も美人なのだ。
エレンは「奴隷紋を入れた者もついでに始末したい」と言い出した。
アースンは呆れて、「領主の中にもおかしなのが居る事が今回の事で良く分りました」と、感想を話した。
バニーは面白い事を話した。
「ルリ様のお力で、私が持つ護身用の杵同様に奴隷のアイテムボックスから全財産を奪いましょう」と。
「まだバニーに話していなかったですが、それを私がやると私が暇になりますからね」と、言う瑠璃の話にバニーは良く分らなかったので、アースンとセレスがバニーに説明するとバニーが呆れてしまった。
「王都での社交界の場で機会があれば私が後悔させてやります」と、アースンが言い出したが、まぁ、私に任せてください。
と言う瑠璃に押し切られる。
今日はここ迄としてアースンの私室にルイネさんにお願いします。
お任せ下さい、ルリ様。
ルイネの転移で瑠璃達はアースンの私室に戻った。
「アースンは今日貴重な体験が出来たと思いますが、領主として如何でした」と、問う瑠璃にアースンが答えた。
「ハトンプ領もメシーナ領も、幾人かの代官を置いていると思いますが、私はそっちも興味がありました。
それにしても本当に酷すぎますね。
仮に今どこかの国が攻めて来ると、王国軍で対抗出来るか不安を感じます。
私の軍は絶対に負けませんし、こちらには優秀な作戦参謀が付いていますし、私も前線に出ますから」とアースンが言う。
エレンも「領民に皆兵を敷いたハトンプ軍の実力に驚きですよ。
あれじゃ、話になりませんね」と、言う。
それに対してバニーは「普通に軍隊は冒険者と違い、特に強いと評判の軍隊でも実力は知れています。
要は、如何にその軍隊を指揮し、指揮官の意思の下で迅速な集団行動がとらせる事が出来るかでしょう。
普通に冒険者が強いと言っても、それは1対1での事ですから。
特別なAとかAAにSランクの冒険者が多く居ると、大きく変わってきますが、それでも絶対的優位は魔法が使える勇者を抱える軍隊が最強と私は思います」と、バニーが話した。
「バニーさんは良い事を言いますね」と、アースンが喜んだ。
我がナルディア軍には偽物ではなく、ルリ様がお認めになった本物の勇者がいますから。
それに、その勇者は気分屋の冒険者と違い衛兵ですからね。
そうそう、私は未だ実力を見てはいませんが、魔法使いですし攻撃魔法の威力が凄いと聞いていますと、アースンが喜んだ。
バニーはアースンが熱く話す迫力に呆れた。
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