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神様になった  作者: 小原河童
冒険者編
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プロローグ2

プロローグが長すぎて退屈と思いますが、あと1回ありますからご辛抱ください。

縁談話と構えて家の門をくぐると、父母と知らないおじさんが私を良い笑顔で迎えてくれた。

ロマンスグレーの髪をオールバックにした素敵な知らないおじさんは、私を値踏みするように上から下まで見て、これならと納得し、白い歯を見せてまた良い笑顔で私に挨拶してきた。

私の方は何が何だか分からず戸惑い、引き攣った笑顔で返した。

私は結婚をするものだと思っての帰省が、その夜の会食でその見知らぬおじさんから有難いことに職を貰った。

そのおじさんは良く知る大手旅行会社の社長で、橘家家臣団の一人だったとかは、その時初めて聞かされ、3歳ころに私が一度会っていたとかも、その夜の会食で初めて聞かされた。

私は社長さんの秘書と言う待遇で、2カ月遅れの6月1日からの入社となった。

秘書の研修もなく会社に出社するもほぼ毎日が暇な状態で、社内をうろついていると、コネ入社な件が囁かれはじめた事が発端となって、女性社員をはじめ男性社員からも酷いいじめと嫌がらせを受け、焦った私は一応は社長付の秘書なのだが、会社の受付をするようになった。

それでも嫌がらせは収まらず犯罪行為にまでエスカレートし、一向に収まらず社長と相談し会社を休職扱いで休むこととなった。

その間に社長の強権と探偵を雇い徹底的に調べ、この件の首謀者を確定し、しかるべき措置をとる、との話が父と決まったとか。

ドキドキしながらの1年近くの休職明けの初出社の日は、丁度会社の健康診断の日だった。

休職前にわずかな期間受付業務を一緒にした女性社員、名前は四井明美だったかと一緒のグループになり、まずは診断票に記入していく。

歳は21歳と記入し、名前から判断し女なので無意識に女に丸印をつけ、問にツッコミを入れながら診断票をうめていく。

例えば、朝食の時間は?

ほぼ毎日6時と。

たばこの本数?

タバコは吸わないし。

晩酌の量と週何日?

酒は飲まないし、そう言えばうちの家系は酒が強くないな、と思い出した。

明美と雑談をして記入を続けるうち、徐々に質問がくだらなく感じ、答えがおかしな方向へ行く。

診断票を覗き見た明美は「あなた、すごい、本当にすごい健康体ね」と驚くが、21歳だからこんなものだと明美に返す。

明美の方は、酒にたばこの量が異常に多いのが気になったが、そこは指摘しない方が、これからの会社生活上コミュケーションが円滑に進むというものだ。

問題の健康診断の方は、どこの異常もなく最後の問診も終わるが、明美の方は肝臓のγ値の異常と尿検査で血尿が出ていた。


6月第二週に5月に行った健康診断の結果が緑色の封書になって総務から秘書課に送られてきた。

私は健康体そのものでも、何故か再検査になっていた。

運命のこの日は社長秘書の日、非常に心配した社長の了解を貰って、私は社長お勧めの橘家臣団系列の総合病院へ行った。

私が検査に行くという話は既に通っていたようで、病院で待つことはなく非常にスムースに各種の検査が進み、大勢の順番待ちで時間を潰している人に申し訳ない気分になった。

最後の問診までは順調に進み私の予想を超すおかしなことになった。

再度診断票を書くように言われ、今日2回目の診断票の記入をはじめる。

問いを読むのも面倒になって適当に埋めていく。

これが間違いのもとだったのか、それとも人違いなのか緊急に手術を受けることになり、準備が本人の知らないところであっという間もなくすごい速さで手続きが進んでいく。

昼過ぎ空腹に腹が鳴るが、今日3回目の診断票の記入がと思うと、今度のそれは手術の承諾書に変わっていた。

空腹で、しかも診断票から何度かの記入で、機嫌が悪い私を今度は承諾書の記入に次第に腹が立ってきて、適当な記入終えてしまう。

普段は殆ど腹を立てない私としては珍しく、不可解な病院の一連のやり方に腹を立てるが、頭のどこかにこれは間違い、人違いであるという認識があるからか。

午後3時からの手術と決まり、手術着に着替えさせられてストレッチャーの上に寝かされ、これは人違いではなく何かがおかしいと実感するが、既に私にできることはなかった。

ただ、人生で初めての麻酔注射が腰に打たれたが、驚くほど痛かったのを覚えている。

それから、顔にマスクを装着され、言われるままに数を1、2、3、4と数えていると意識が薄れる中、再度問診票が出てきた。

性別は?と記載があるはずが何故か、sex表記になっている。

なんかパスポートの記載みたいと思って女とチェックを入れた。

つもりが、または勘違いか、大好きとの記入にチェックが入っている。

そう言えば四井明美は、朝まで週4日は余裕でいける、みたいなことを言ってたな、と思い出す。

ことがはじまると、アンアンと適当に声を出すと、男が明美の体の上に乗って事が終わる、一連の行為は単純な流れ作業のようなものだと言っていたのだ。

私はしたことがないし、まぁ、まだ私は21歳、この先いくらでもチャンスはあるし、と気楽に考えていた。

好きな男性のタイプは?

快感について、体のどの部分が一番感じる?

****の回数は?

快感について、どの様な体位が一番感じる?

「ねぇチョット、これ何の検査なのよ」、と怒気を含んだ大声が口に出てしまった。

頭の中に、「答えたくない質問には答えないでよい」、と浮かんできた。

その直ぐあとに、「出来ればすべて答えてほしい」、と言うのも頭の中に浮かんできた。

そして意識を完全に失う。


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