自称ラミー
みんなぁ~!!
今日も来てくれたありがとうぉ~!!
本文の中に残酷な描写が出てきますからご注意ください。
楽しんでって下さいねぇ~!!!
昼食後談話室で瑠璃がセレスに言った。
「アースンと一緒にタニスンの邸に行くので、執事を連れ帰るかもしれないので、その時は尋問をしてくださいね。
それから、まだ領主の邸の使用人の方は問題が解決していないので、もしかすると尋問をお願いするかもしれませんが、その時はよろしく頼みます」と、セレスに話すとセレスは快く引き受けてくれた。
「あのルリ様、まだ邸の方は解決していないのですか」と、アースンが不思議気に瑠璃に聞いた。
「はい、まだですね。
私はこの際ですから、徹底的にやりますよ。
JDホリソンさんの話に以前から出てくる、『中立と思った軍』とかもありますし、今の使用人の言葉でも出てきました、『悪うございました』とか、『サンランド以上に』とか、言った言葉が気に掛かります。
使用人は誰に忠誠を尽していたのかが、まだハッキリしません。
それは、ア-スンの見た目若さよりも前、サンランドの時にまで遡りますから」と、瑠璃が話して聞かせた。
「さすがルリ様」と、アースンもルイネもエレンも感激した。
セレスはその辺まで想像していたようで、やはりセレスは賢いし諜報部部長に据えて安心できると瑠璃は思った。
それで、セレスさんの方は如何でしょうか。
あのスラム街で問題を起こす輩ですが、明日でしたら私が捕まえて来ましょうかと、瑠璃が言うと、微笑むセレスはロンさんに頼んだところ直ぐに捕まえて来てくれました。
その手際の良さに、リンツ隊長も驚き感心されていました。
スラム街ですから衛兵に頼むと、気が立っている今のスラムの住民が反発すると大事になりますからね。
今部下が尋問していますから、誰の差し金か知れるのも時間の問題と思います。
そう、それは良かったですと、セレスと瑠璃の話にアースンはついていけないのを感じ取り、ルイネがアースンに説明している。
その補足をエレンが行なう、いい関係が出来つつあるのを瑠璃は嬉しく思った。
それでは、我々はタニスンの邸を急襲しに行ってきます。
タニスンはそろそろ気が付くと思いますから、もし気が付かない時は、セレスさんはあの波動で、タニスンを少し内から温めてやって」と瑠璃が指示を出し、セレスを諜報部へ送り届、その後瑠璃達はタニスンの邸の前に転移して来た。
瑠璃はタニスンの邸を結界で覆い、誰も逃がすことなく誰もいれないようにし、タニスンの執務室へ転移した。
そこは、思ったとおり誰もいなかったが、執務室に備え付けられた戸が付いた作り棚に中は、薬品が溢れていた。
ルイネとレンは女執事を見つけてここへ連れて来てください。
今までと同じように、途中で逆らう輩に一切の容赦はいりませんから、思う様に始末してください。
私とアースンはここに居ますからお願いしますねと、言う瑠璃に良い笑顔の二人はやる気満々と言った感じで部屋を出て行った。
「私はこの邸に居る自称ラミーという執事に会うのが楽しみです」と瑠璃が言う。
アースンはそれを、あぁそうなんだと、思っていた。
瑠璃の感覚で、凡そ1時間経った頃、ルイネとエレンがぐったりした女を連れて戻ってきた。
「その女が自称ラミーという執事でしょうか」とアースンが聞くとルイネとエレンはよく分からないと話した。
使用人に聞くと、この女が執事と言うので連れてこようとしたところ、おかしな術を使い勝手に気絶したと、エレンが話してくれた。
アースンはエレンが言う事を不思議に思ったが、エレンの話の途中でルイネが恥ずかしそうに下を向くので、アースンは余計に訳が分からなくなった。
瑠璃の指示でその女を椅子に座らせ、意識だけ戻すと、瑠璃達を前にして驚き逃げようと何度も何度も試みたが、体が痙攣を起こしたようにピクピクと動くだけで、殆ど動かない事についに諦めた。
「さて、目が覚めたところで、お前は儂等に自己紹介をしてもらおうか。
断っても儂等は構わんが、お前は痛い目を見るし、素直に儂等の言う事を聞かないなら、お前の顔に醜い痣を拵えてやることも儂は出来るぞ。
後はお前の判断だけじゃな」と、瑠璃が言うと、自称ラミーは只ただ震えているばかりだ。
「さぁ、どうした。
儂も領主もお前の様な凡愚に何時までも構ってやる時間はないのでな」と、瑠璃が言い終わると、自称ラミーは青かった顔色が赤くなり苦しみだし、口から泡を吐き白目をむいた状態になった。
お前は他の毒にも耐えそうなので、今度はお前の足を切り落としてやろうと、言い瑠璃は足を切り落とし、焼き鏝で止血して見せた。
ついでに、赤く焼けた焼き鏝を左頬の目立つところに押し当て、ハート形の火傷を拵えた。
そして、ルイネさんこれをというと、ルイネが前に出てきて足を切り落とした傷に、塩と唐辛子を混ぜたものを丁寧に擦りこんだ。
執務室に女の何とも言えない甲高い悲鳴が聞こえるが、アースンをはじめルイネもエレンも一切の動揺はなかった。
「どうじゃ、儂等はお前から自己紹介を待っているのだが、まだする気が起きないなら仕方がないのうぉ」と瑠璃は言い、女の右頬に人差し指で軽く触れ大きく醜い腫れものを作った。
その腫物がみるみる膿んでいき、腫物から流れ出る膿んだ汁が流れ出る女に瑠璃は鏡を出し、今の自身の顔を見せてやった。
さて、どぅする、次はお前のその胸を萎ませてやろうか。
それとも、体中が皺だらけになるか、どちらが良いか選ばせてやろう」
女は自身の今の顔を見て絶叫した。
それから、何でもするから許してほしいと、瑠璃に縋りつこうとするが、体の自由が利かない中で必死になった。
まだ、お前は分からんようじゃな。
儂はお前の自己紹介を望んでいるが、何でもすると言うなら何故儂の言ったことに答えんと、瑠璃が言終わると女は干からびて骨と皺だけの状態になっていた。
また、それを瑠璃によって見せられた女は、何とも言えない獣が死に際に発する様な叫び声を発した。
これは、お前の主が行なった愚かな行為を儂が再現して、お前に体験してもらっているのだ。
そろそろ儂も飽きてきたからな。
次は儂がお前から強引に、お前の記憶を引き出そう。
その後のお前は正気に戻る事はないじゃろうが、それもお前の自己責任じゃ。
どうせお前は、この先生き地獄を見てもらう故、正気でない方が良いかも知れんな。
瑠璃達は暫く待ったが、女は何も答えないままだ。
「もう良い。
これまでじゃ」と、瑠璃が言い、瑠璃は女の頭に手をかざすと、一瞬で終わった。
そして、瑠璃は女を石に変えた。
ルイネとエレンは瑠璃がすることを黙ってみていたが、アースンは瑠璃のする事に震えていた。
瑠璃はいい笑顔を向け、ルイネとエレンに指示を出した。
転移が出来るルイネには、庭と門を守る私兵の始末を頼み、エレンには、ここを出て左側の2部屋にいる冒険者を始末するよう指示した。
ルイネもエレンも瑠璃の指示を待っていたようで、やる気を漲らせそれぞれの指示に従い執務室を出て行った。
「アースンは私がこの女にした事が酷いと思うでしょうが、この女の記憶を見て分かった事は、この女はラミーの前からタニスンの執事です。
タニスンはザンドバルから上の姉二人の毒殺をネタに脅され、仕方なくラミーの執事を引き受けたのです。
ザンドバルはサンランドから流行り病の事を聞き、不思議に思い独自に調べタニスンに行きつき、エンドルフが薬に造詣が深い事を知ったのですね。
ザンドバルが怪しいと感じた元は、この前の青班病の様に、はやり病は多くの人に感染し広範囲に広がるものですから。
直ぐ上の姉二人にだけが、はやり病はあり得ないと、ザンドバルは考えたのでしょう。
ザンドバルという者は抜け目がない男だったようですね。
この女は、イリンダと言いタニスンの幼馴染です。
そして、ここからが重要です。
この女は、出自はカリック王国です。
幼いころの記憶で、誰に頼まれてナルディア家に取り入ったかは知りません。
両親は知っていたかもしれませんが、その両親は既に死んでいますから。
幼い頃からタニスンと一緒に居たと、記憶がありますね。
この女もタニスン同様に、少女に酷い拷問をしたタニスンと同じですから、私はこの女に対しての扱いは、はまだまだ温いと思います。
と、話していると、いつの間にかルイネとエレンが帰って来ていた。
帰って早々ですが、ルイネさんとエレンは使用人専用の食堂に、使用人をすべて集めてください。
連絡はネットワークでお願いしますねと、瑠璃が指示し、ルイネとエレンは執務室から出て行った。
「タニスンには、自由都市国家連合の何処かの市の冒険者ギルド支部長予定していますから、この女は執事としてタニスンの下に送る事にしましょう。
しかし、生き物が仕舞えないアイテムボックスは、この場合は本当に不便ですね」と、瑠璃がアースンに言う。
瑠璃の話を聞き、アースンは不思議気に瑠璃を見ていた。
「そうでしたね、私はジュークとタニスンに自由都市国家連合の何処かの市のギルド支部長をやらせようと、思っているんですよ。
この前、イストール魔王に話したから、アースンにも話したと思っていましたが、私の思い違いでした」と、瑠璃が言う。
アースンもこの前、毒入りサンドイッチの取り合いを直に見たと思いますが、今自由都市国家連合の国民は、雨の中食糧確保に難儀していますから、私はジューク家族とタニスンが食い殺されれば良いと思っています。
それが、私が見せる生き地獄ですねと、涼しい顔をして言う瑠璃にアースンが唖然とした。
その後、エレンから使用人を全員食堂に集めたと、ネットワークで瑠璃に連絡があり、アースンを連れて使用人専用の食堂に転移した。
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