不良との境目
第三章 不良との境目
その頃の私は中学二年生。剣道を愛していた。県大会では3位入賞。県代表として日の丸を背負い韓国にも遠征した。教育委員会の老先生などは私を褒めた。勉強も出来て剣道も強い。文武両道とは島洋一のことだと、、、、こういう大人しくて従順で気の弱い生徒は先生に好まれる。剣道が強いといえども私は気が弱かった。多分、本能的に闘争心が欠落してるようにも思う。不良少年のような気勢があれば島洋一は九州くらいは取ったかもしれない。
このころから剣道の試合で負けが込むようになってきた。原因が集団リンチにあるのかどうかは分からないが兎に角、中学二年生の秋季大会くらいからは勝った覚えが無い。
中学の二年生が終わろうとする時、そう3年の俊彦が卒業間近に成ったとき俺は俊彦に学校で呼ばれた。珍しいことで俊彦は学校ではマンニの私とは話しもしない。
空き教室になって体育道具などをおいてある部屋に俊彦と山中さんが待っていた。山中さんは俊彦と連むくらいだから不良です。学年で一、喧嘩が強いらしい。中学三年にして180を越える身長に100キロは越えるであろうガタイ。中学生では勝てないだろう。
相変わらず俊彦は馬鹿でした。
「洋一も不良にならないか?」
「はぁ?」
「伸一らと連まないか?と言ってるんだが、、、」
俊彦は知らないらしい。なんで敵の見方にならなければ成らないの俺には「矛盾」と思えた。スポーツの世界だけだ。そんな綺麗事をを本当に出来るのは。
何をしでかすのかが分からなかったが俊彦と話すことは俺も嬉しかった。
親戚づきあいは続いてはいるのですが俊彦はいつになく家には居ない。俺が親と兄弟達と遊びに行くときもどのときも居ないようだった。
久しぶりに小学生時代の兄弟のように話してみたが俺の理解できない感性を培ったようだ。
「大町伝統の左の背負い投げを洋一に教えてやっけん!」
「柔道の?俺は剣道部よ!別に要らんよ!」
「大町の番長にだけ引き継がれる左の背負いぞ!嬉しくないとね?」
「俺が番長になれるわけないよ。」
「覚えるまで俺と山中が教えるけん、昼休みのここに来い!」
なにを考えてるのか理解不能だが
「昼に来ることはわかった。」とだけ言って内心、俊彦が学校で話してくれた事は本当に」嬉しかったのだ。血は水より濃いです。」