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未完成な不良少年たち  作者: 島 洋一
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いじめの始まり

未完成な不良少年たち


いじめの始まり


「俊彦が集団でうろついてる。」

私の家は精肉店を営んでおり地元のニュースはタイムラグもなくお客さんから情報が入ってくるのが日常でした。私の一つ年上で不良少年をやっている従兄弟の俊彦。早くに父親を亡くし母親である恭子の手によって何不自由なく育ったかのように見えていた。少なくとも私にとっては本家である俊彦の住まい、買って貰う贅沢品嗜好品には、舌を巻き絶句するほどでした。ただ畜産業を住まいより車で40分の位置にある豚舎まで毎日かよう恭子伯母さんは昼間、家に居ることは無く俊彦は近くの友人だけが学校から帰宅後の遊び相手だったのです。金はある。友人もいる。大人への階段を早く登ろうとするのが思春期。そんな時に「悪さ」を日々戒めてくれる母親は不在。父親は死別。婆さんは孫が可愛かったかお金を年金支給額全部を中学生である俊彦に貢ぐ始末。婆さんは寝たきりの状態でありお金は必要はなかった。時折俊彦は「貰います。」とだけ言い勝手にお金を婆さんの巾着より失敬するようになりました。

そう。私はそんな俊彦がうらやましくもあり「不良少年」がもてはやされた時代背景にあった昭和に生まれた未完成な不良の俊彦。未完成な勉強はできた発達障害児の私の話です。


 「俊彦が二十人くらいで自転車を転がしてる」と電話が掛かってきた。そんな電話が掛かるような田舎町で私はいじめられていた。何故か分からなかった。

ただ俊彦はこの田舎町では中学三年生にして有数の不良少年と言われていた。この頃になると幼少時代のよく遊んだのは記憶のすみっこにあるだけで同じ学校に通いながらよそよそしい他人でのようであった。

そんな電話が掛かってくれば私の父親と母親は黙っていなかった。すぐに父親は原付自転車で母親は車で俊彦を探した。

「父親のいない子供だから真面目に育ってほしい。」

それだけが亡き巌おじさんへの供養のように感じる父母の俊彦への干渉だった。


私はそんな俊彦を父母の真面目を押しつける干渉から解放してやりたいとさえ思っていた。私の学校は日本では有数の学力レベルの低い町であり高校中退率が進学者の半分に迫るような中学校です。不良少年の方が女の子にもてました。かっこよくなくても不良グループ「魔怒呂s」に入ってさえいれば彼女は出来た。


この時(俊彦とその仲間に取り入るチャンスかも?)と私は漠然と(不良の友人)が欲しく自転車で両親が怖い顔で出かけた後に心配そうな顔をして家を出た。

自転車を適当に転がしていたら不良グループの同級生のリーダー鶴崎伸一と親がヤクザという一つ上の学年の樽井に出くわした。

とっさに「逃げて」と私は声を発した。

これは私の社交目的の策略的な不良達へのエールだとそのときは考えた言葉だった。二人は何事も無かったかのように一瞥しただけで自転車に乗ったまま無視した。私は不良には成りたくは無かったが学校での(安全)のために不良を盾に取ろうと考えた思惑は成り立たなかったようだ。

 鶴崎と樽井がごそごそと話した。そして私を心配そうに見たのが不思議ではあった。樽井は俊彦の不良仲間。私と俊彦と従兄弟だと知ってるはずである。それが私が一つ上の不良グループからはリンチされない唯一の訳ではあることも、、、


 私は中学校には皆勤賞で通いました。しかし不良少年達が何をしに学び舎に来るのか分かりませんでした。俗に学校には給食があるので朝早くから来るのかもしれません。「不良少年」私は心底、軽蔑してます。


その日から目つきが変わった。

俊彦を追いかけた次の日から私の中学生活の事情が変わりました。

鶴崎伸一は、不良でありながら私より早く学校に来て教室から登校してくる同級生を観察することにしてるようでした。私には分からない感覚です。自転車追い回し事件より前は普通の表情で見られてましたがこの日から面ちぎり、睨みが始まり私は内心、恐怖を覚えてました。が従兄弟が一つ上に居座っているので「何もされないだろう」と言い聞かせながら生活を普通にしてました。が一週間、10日と睨みが続くと

発達障害の私は「何かご用ですか?」と普通に話す。

これが鶴崎をさかなでたようで突っかかってきました。ひょいと除ける。ひょいっと除ける。ひょいと除ける。。私は剣道の猛者です。素人の突入など軽く除けられます。

で鶴崎は完全に私をターゲットにしました。


朝の登校から睨む不良が二人になりました。もう気分を逆なでるのは辞めました。何故?私を不良の仲間に入れようとはしないのか?「魔怒呂s」に入れと誘ってはくれないのか?誘われたら嬉しい気分ですが、入らないです。「不良のグループには」。ただ知り合いというだけで私をたたいたり、リンチしたり、パシリにしたりしないで欲しかった。そんなことをやられたら自殺までしそうになった武村君のように私も苦しかったはずです。思春期に「死が楽」なんて思わされる学校生活。それを未完成な不良 鶴崎伸一 島俊彦 魔怒呂sの仲間は平気なのです。人の死のうとする「絶望」が分からないだけに・・・

だから「未完成」

今から私が浄化して差し上げます。

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