表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

サンタクロースの憂鬱

作者: 佳夢
掲載日:2023/01/09

この時期になるといつも思う。

なぜ、プレゼントをお願いされるのかと。


仕事をしつつ考察を重ね解った事がある。

人は嬉しい時や記念日、または何かを企む時

プレゼントを送るようだ。


それを用意するのは、最低限面識があったり、

親しい人達であり、我々サンタクロースではない。


にもかかわらず、見ず知らずの人達からお願いされるのだ。


そもそもサンタクロースとは職種であって名前ではない。

人間達はサンタクロースを何だと思っているのだろう。


サンタクロースの仕事は人間の心のバランスをとる事。

主な仕事は心の中にある感情を貰う事だ。


それも心の中にある『 負の感情 』である。

それには条件があり、貰う人が生み出した『 正の感情 』と同量の『 負の感情 』を貰う事になっている。


人は正の感情を生み出せても感じにくいらしい。


だから同じ量の負の感情を貰い、正の感情を感じやすくするのだ。

何となく心が温かく感じる事があると思うが、その時は自分達が負の感情を貰う仕事をした時なのだ。


そこまでしても正の感情は、時間と共に普通の感情になり、

場合によっては、負の感情になってしまう。


負の感情が多くなり過ぎると、争いや戦争がおこり、それでもバランスが保てなくなると、その文明は滅亡となる。


もっとも文明の滅亡は文明の発展のバランスも絡むので、負の感情だけの問題ではないのだが。

話すと長くなるのでまたの機会にしよう。


ともかくそうなると、管轄している自分達にペナルティがあるので、何時でも各地のリーダーがモニタリングしていて、自分達に指示がくる。


ちなみに集めた負の感情はツリーを通して浄化される。

ツリーは基本的に人間には見えない。

それでも稀にに見える事があるらしく、

人々はそれを世界樹と呼ぶらしい。


ともかく、人は12月になるとそわそわしだし、

我々にプレゼントの希望を伝えはじめる。

それについても考察してみた。


人間界では12月にクリスマスなるものがあるようだ。

そのクリスマスについても調べてみたが、良くわからなかった。

国や地方、場所により異なっているからだ。


基本的には心が温かくなる行事なのだと言う事はわかった。

しかし解らない事がある。

何故か、なげやりになる人や、落ち込む人が、一定数いるのだ。


心のバランスを取る事が仕事の我々からすれば、全ての人が温かい心でいて欲しいものだ。


結果、人間界ではカタチはそれぞれだが、

クリスマスを大切にし、楽しむ事を、多くの人々が望んでいるようだ。

ここでプレゼントの考察で得た答え【人は嬉しい時や記念日、または何かを企む時プレゼントを送る】とクリスマスが合致した。


そんな事もあり、ウチのリーダーはそれを自分達にも、上手く利用して、キャンペーンよろしく自分達をフル稼働させるのだ。


ところでリーダーは人間界のクリスマスをいたく気に入ったようで、この時期の仕事にも注文をつけてくる。


「負の感情を貰う時だが、切なさをなるべく残せ。切なさは、ロマンだ‼︎ ・・・いや違う、切なさは適度にある方が 嬉しさを感じやすいのだ‼︎ 」と、何か違う気もするが、リーダーの指示はチームの方針なので、わからないながらも頑張っている。おかげでいつもより時間がかかり、少し忙しい。

そんな中、自称ロマンチストでクリスマス好きなリーダーは、最近ツリーに飾り付けまで始めた。


そもそも人間にはツリー自体が見えていないのだから、

飾ってもあまり意味がない気がするが、それを言っても

聞く耳を持たない。

そんなこんなで人間界のツリーには負けたくないらしいが、

あのサイズのツリーを飾り付けさせられる此方の身にもなってほしい。同僚達も駆り出され毎年派手になっていくツリー。

大丈夫だよ人間界にはこんなサイズのツリーなんて無いんだから。


と言う事で、また憂鬱な時期が来たのである。



考察と思考、確認を積み重ねわかった事がある。

なぜリーダーは人間界のツリーに負けたくなかったのか。

なぜリーダーは人間界のクリスマスを気に入ってるのか。

それになぜ人々は我々にプレゼントをお願いするのか?

その答えだ。

我々サンタクロースは人間に見えないように、

人間と少しずらした次元で活動するのだが、

222年前に、寝ぼけたまま仕事を始めたたリーダーが

次元の調整を間違え人間に見つかってしまった。


その事を管理する上級サンタクロース達に、

発覚するのを恐れたリーダーは、見つかった人に対し、

プレゼントと言う名の賄賂を渡し誤魔化そうとしたらしい。


そんな事をしても、見つかってしまった事は管理側にばれたのだが、そもそも見られても大した問題ではなかったらしい。


それよりもプレゼントをあげてしまった事の方が問題らしく、

その対処でリーダーとその時の上司が人間界で100年かけて

辻褄合わせの設定を浸透させたらしい。

そして、その事はあえて我々には伝えられていないが

人間界では、いろいろな設定がプラスされ広く浸透している。


寝ぼけて、赤いナイトキャップと赤いパジャマに身を包んだまま

仕事をするリーダー。




結局あんただったのかリーダー。



サンタクロースの憂鬱の原因は身内にあったようだ。



憂鬱だ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ