表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界武器召喚 〜伝説の武器を召喚したかった勇者〜  作者: ショコラ・ショコラレート
19/21

拾捌

「そっか。じゃあ少しだけルール説明の方をさせてもらうな。」

ディーナーは説明をし始めました。

細かいルールなどはありましたが、基本的に抑えておいた方が良さそうなルールは


・戦いは対戦相手が場外に出る、気絶をする、降参を宣言する。のどれかを満たした場合に強制決着とする。


・武器は主催側が用意をした木製の刀、盾など限定で申請をすることで使用することが出来る


・魔法は使用した時点で強制敗北となる。


・制限時間は10分であり、両者ともに倒れなかった場合は審判の判断でどちらがより優勢だったのかで勝敗が決まる。


・大会はトーナメント形式であり1度敗北した時点で終了


この5つさえ抑えておけばきっと大丈夫であろう。





「ルールとしてはこんなものだな。何か確認しておいた方が良いものはあるか?」

ルールは把握できましたが、少し気になるものができたので、ディーナーに質問をしておきましょう。

「少し、大会とは関係ないのですが、聞いておきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「おう、なんでも言ってくれ!!」

「では、聞かせてもらうのですが、[魔法の使用は禁止。]というルールがあるのですが、人間以外も参加するということなのでしょうか?」

ヒマワーがこの街に入った時には特に何も言われていなかった。

きっとレフトが一緒にいたためかと思っていましたが、どうやらそれは違ったみたいで。






「そんなことか。この武術大会は昔から代々続いている文化の1つなんだ。

この武術大会の目的は武人の心を育むということであるため、この大会には人間以外もエントリーすることが出来るし、大会当日から1週間前後は人間以外の種族の街への出入りを解放しているんだ。」

では、この街にヒマワーさんが無事に入ることが出来たのはたまたま運が良かっただけということなのでしょうか。





「他になにか聞きたいことはあるか?」

それぞれが質問はない。という意思表示を見せた。

「それじゃあ、オイラはそろそろ大会の作業をしないといけないから先に行ってくるが、今回の大会は初のシークレット枠があるらしい。まぁ、決勝後のエキシビションマッチのようなものだな。

ま、オイラも誰が参加するのかは知らないから特に何か相手を対策できるという訳でもないがな。まぁ、頑張ってこいよ!!」

そんな事を言ってからディーナーは走り出していきました。




「えっと……会場はここに来る途中で見かけたドーム……ですよね?」

「あぁ、そう説明されていたな。一先ず、行ってみるとするか。」

説明されていた会場に私たちは向かいました。





到着後はエントリーのチェックインをし、私たちはとりあえず、会場の視察に向かいました。

観客席から会場を見ると、15m×15mほどの広さのフィールドがそこに広がっていました。

観客席からはフィールドや、上に展示されているスクリーンにまだ名前が記載されていないトーナメント表が書いてあるのでした。

会場は10万人ほど収納できそうなほどのとても大きな会場でした。




そんな会場の視察もおわり、選手控室まで私たちは向かいました。

控室の中へ入ると、そこはとても広い部屋で、大きさは小さめな体育館ほどの大きさがありそうでした。

その中には視認しただけでも40人を超える人物が中にはいました。

中に入ると、

「君達はもしかして、初参加の子かな?」

と声をかけられた。

相手は笑顔を浮かべている灰色の髪をした女性がいた。




「えっと、俺たちに何か用ですか?」

ぶっきらぼうな口ぶりでレフトは答えた。

そんな口ぶりを気にせずに、女性は話を続けた。

「そうね。まずは挨拶からよね。私の名前はシェリー。よろしくね。3人はなんて言うのかしら?」

「えっと……ヒマワーです。」

「シェラと申します。シェリーさん、よろしくお願いします。

私とヒマワーは答えたものの、レフトは無視を貫き通していた。

「あらあら、嫌われちゃったのかしら?それとも最初の答えを待っているの?それなら教えてあげるわ。

といっても、私があなたたちに声をかけたのは3人が………いえ、ここにいる人たちが気になっているからよ。」






シェリーと名乗った女性は急にそんなことを言い放ち、私たちが何かを言うまでもなく話を勝手に続けました。

「私はね。物心がついた頃にこの大会を観客席から見物していたの。

そしたら、今まで感じたことのないような激しい攻防のぶつかり合い!!必死にお互いが戦いを盛り上げる様子、最後にはお互いが握手で終わる戦いにすごく興奮したの!!

えっとね。簡単に説明するなら私はこの大会の出場選手全員のファンなの。」

そんなことを早口で語る彼女はものすごく輝いた目をしていました。

「だから、貴方たちのことも……」

「時間になりましたので、選手の皆さんはトーナメント表を確認した後、準備を30分で整えてください。」

どうやら時刻は11時30分になったようでした。

このアナウンスを聞いた彼女は「またね。」と手を振って去っていきました。






「何か凄い人だったな。」

私とヒマワーは無言で共感しました。

トーナメント表を確認したところ、出場選手は合計で65名。

トーナメント自体は5回勝つことで優勝なのだが、決勝戦を行なった後に、シークレット選手との戦いが待っていました。

何とも不満の飛び出そうなトーナメント表でしたが、意外にも不満の声はあまり多くはなかったように感じました。

私たち3人は



第二試合にヒマワー。

第八試合にレフト

第二十試合に私がたたかうことになっていました。



ヒマワーは選手控室に向かい、私とレフトは観客席から第一試合を見守ることにしました。

客席は既に9万人ほどの人種を問わず様々な人が客席に集まっており非常に熱気が高まってきていました。

空けていたヒマワーの席は「隣、失礼するわね。」とシェリーがちゃっかりと私の隣に座ってきました。



「それでは、第一試合を開始します!!

対戦カードは、赤コーナー、キムール!!

青コーナー、サツリク!!」

観客席はウォォォォ!!とより一層熱気に包まれていきました。

「シェラさんだったわよね。この大会みるのも初めて?」

「はい。」

シェリーはガツガツと私に声をかけてきます。

「なら、私が知っている選手たちについて教えてあげるわね。」

シェリーは売り子から買ったであろう、ジャンクフードを次々と口に頬張り説明をしてくれました。




「まず、あの赤コーナーのキムールさん。前回大会優勝をしていて、今大会でも非常に注目度は高いわ。彼は槍をメインにして間合いを取りながら戦うのを得意としているわ。

てっきり彼がシークレット選手枠だと思っていたのだけど、どうやら勘が外れたようね。

青コーナーのサツリクさん?は初めてみる方ね。

どんな何も持っていないようだけど、どんな戦いをするのか楽しみだわ。」




「では、第一試合、スタートです!!」



その合図とともに第一試合が始まりました。

まずは、サツリクが一気に距離を縮めるべく颯爽と飛び出していきました。

その走り出したサツリクの首元にめがけて、キムールは槍を力強く一突きしました。

無防備に突撃してきたサツリクはもろに首に突きのダメージを受け、その隙をみて、キムールはサツリクの腹めがけてクリティカルヒットをしたような綺麗な一蹴りをし、サツリクは宙へと舞い、そこをさらにキムールが追撃の一突きをしました。

会場からは「これで決まったな。」「無名ならば力量ぐらい見極めた試合をしてくれ。」だの声が上がっていました。



キムールもサツリク相手に手を出して

「これ以上は勝負にならないだろう。降参を進めるよ。」と言いました。


そんなキムールの姿を見て観客が勝負ありと思った中、サツリクは苦しい顔を一つもせずに、キムールの足を掴み立ち上がりました。

「ちょこまかと面倒だったが、ここまでくれば俺が勝ったな。」

突如その声が会場中に響いた後、サツリクはキムールの足を引っ張って地面に叩きつけ、そのまま馬乗りの姿勢になり、キムールの顔めがけて何度も何度も殴り続けました。

パンチが16発ほど決まった辺りで審判が第一試合を強制終了させ、勝者はサツリクということになりました。




勿論、この大会の観客席からは「武人を侮辱している。」という反発の意見や、「素人だと相手を見くびっていたキムールの自業自得。」という二つの意見が綺麗に真っ二つになっていた。

「いくらキムールさんが油断していたからって、あのサツリクって男は許せないわね。」

隣でシェリーは爪を噛みながらそんな感想を口にした。



その後の第二試合での、ヒマワー戦はヒマワーが敵の足をなぎ払い体勢を崩させたところでヒマワーが相手を場外に投げ飛ばして勝利となった。




「シェラさん……どうだったかな?」

ヒマワーが場内からニコニコとしながら戻ってきた。

「凄く、かっこよかったです。」

と返しておき、ヒマワーは可愛らしく喜んでいた。

ヒマワーが来たことで、ここがヒマワーの席だと察したのか、シェリーは「そろそろ試合の準備があるから。」といって席から離れていきました。




その後も第三、第四などと試合が続いていき、ついに次は第八試合になりました。

第八試合といえば、レフトが出場します。

対戦相手は誰かな。と疑問に感じ、トーナメント表を見ていると同時に、選手入場が始まりました。




「では、今から第八試合を行います。

対戦カードは、赤コーナー レフト!!」

「レフトさん……頑張ってください!!」

と隣からヒマワーが必死に応援をしていました。

不覚ながら少しばかり可愛らしいと思いました。



「青コーナー シェリー!!」

と、ここで対戦相手としてシェリーが出てきました。

果たして、彼女は選手を調べるのが好きといっていたので、データをもとに戦っていくタイプだと推測できるのですが、データのない相手には、どのような戦い方をするのかは見ものです。



武器はレフト、シェリー共に盾を装備しています。

「それでは、第八試合を開始します。スタート!!」

そして、今レフト対シェリーの戦いの火蓋が切られました。



武術大会編がスタートしました。

果たして、シェリー対レフトの対決の行方とは……

次回に続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ