#1《少女に押し倒された!?》
初投稿です。その為、お見苦しい点が多数あるかもしれません。その場合は、温かく見守って下さると幸いです。誤字脱字などがありましたら、修正しますのでご報告をお願いします。
前置きが長くなりましたが、どうぞお楽しみ下さい。
俺は凰牙。普通の高校に通う、普通の高校生だ。親は海外にいて、俺は日本で一人暮らし。とは言っても、親がお金持ちなお陰で、生活に何不自由な点はない。そんなわけで学校から家に帰る。家に帰る途中には公園があり、いつもその公園で寄り道をしてから家に帰っていた。
今日もいつものようにその公園に寄る。自販機でジュースを買い、ベンチに座ると……地面に倒れている少女を見つけた。その少女は空のような色の長い髪に、図形の模様が描かれている深い緑色の長袖の服を着て、髪色と同じ色の、フワフワと大きく膨らんだ切り込み模様の入っているスカートを履いている。背中には蝙蝠のような漆黒の羽が左右対に生えていた。その羽は今は地面にペタッとくっ付いていた。全長は百五十センチいくだろうか?そのくらいの大きさの少女だった。見た目的には小学校高学年だろうか。とりあえず声を掛けてみるか。
放置するのもアレだろうと思った俺は、公園の地面でグッタリして倒れている少女に声を掛けた。
「大丈夫か?」
「ふあ……人間……?」
そう聞いて来た少女の目は光が無く、何処か虚無感を漂わせていた。
「あ、おう。人間だが」
俺がそう言った瞬間……
「おわ!?いきなり何だ……ふぐぅ!?」
俺はその少女に押し倒され、口を塞がれてしまった。少女の目は先程と打って変わって生気に溢れ、心なしかキラキラと輝いているように見える。
「大丈夫♪魔力を吸うだけだから、死なないよ」
少女は微笑みながらそう言った。俺には、その微笑みが悪魔の微笑みにしか見えない。
何が大丈夫なんだよ。そもそも魔力って何だ?それに、吸うってどう言う……
そんな事を考えていると、突如首筋に痛みが走る。だが、痛みは一瞬だけで、次第に心地よくなっていった。だが、この心地よさは、性的な快感とはまた違う、安心出来るような心地よさだ。そして、体の中の“何か”が吸い取られていっている感覚が押し寄せてくる。抜け出そうとしても、身体に力が入らず、それどころか力は抜けていくばかり。どうしようもないと悟った俺は、感覚に身を任せ、意識を手放した……
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「……きて」
声が聞こえる。
「お……きて」
その声は、聞き覚えがあって。
「起きて……よぉー」
若干、泣きそうな声色だ。
「美味しいからつい吸い過ぎちゃったのー、起きてよぉー」
いや、若干どころじゃない。今にも泣きそうだった。
俺は身体に力が入る事を確認して、起き上がる。
「……起きたから、泣くな。」
「あ!起きた!よかった……」
安堵した様な表情を浮かべる少女。安心した反動なのか、その目からは涙が零れていた。
「おい、泣くなよ……」
こんなところ、誰かに目撃でもされたら色々と誤解されかねない。さっさと泣き止んでほしいところではあるが……
「らって……らってぇー、下手したら君、半年位昏睡しかねなかったんだよ?僕のせいで。らから、おぎでぐれでよがっだー」
その少女は俺に抱きつき、泣きながらそう言った。今も泣いている。
俺が……昏睡、なぁ。もしそうなってたら、この少女は俺には想像も出来ない様な罪悪感に蝕まれていたのかもしれない。そうならなくて良かったと、俺は心から安堵する。それと同時に、少女が泣き止むまで、優しく抱いてやった。少しでも、気持ちが落ち着くのが早くなる様にな。
初投稿でしたが、楽しんで頂けたでしょうか?
楽しんで頂けたのならば幸いです。
不定期ですが、読んでて癒される様な、そんなお話を読者の皆様にご提供できればな、と思っております。よろしくお願いします。