祈誓の騎士　二　黄土の騎士編

　愛するチエのために、自らをヒトではなく単なるモノ、しかも神へ自らの身柄を単なるモノとして捧げることに徹した不器用な男の不器用な慈愛の物語。
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　チエに別れを告げて伊豆へ転校したユウトは、時の断片に入り込み、その先で樹海に惑う幼いチエを助ける経験をする。そこからユウトは、知恵を陰で支える守護天使への困難な道を自（みずか）らたどり始めた。
　そのチエは、ユウトへの思いを断ち切るようにして、新天地の高校へ転校していた。そこで、かつてのいじめっ子のカズキと再会した。ユウキたち周囲は、チエとカズキとの関係を曲解してチエを追い込んだ。チエは追い込まれたものの、ユウトに助けられる。この時から、ユウトは陰からチエを守る決意を強めた。
　やがて、チエへのいじめの裏に蠢く得体のしれない衆羅(しゅら)と呼ばれる異能者たちがあらわになった。ユウトは彼らに対抗して知恵を守り抜くために、強い意志を持って守護天使への道をさらに進んだ。彼は、守護天使へと至る最初の段階、黄土の騎士となって圧倒的な力を獲得し、異能者たちとの激烈な戦いへと身を投じていった。