野球好きであるがゆえの悲劇
僕はテレビで野球中継を見ている。
時刻は19時前。
三回を終わって7-0で応援しているチームが大量リード。
これは勝ったな。
勝利を確信した僕はテレビを消した。
おそらく20時過ぎには七回か八回のイニングになっているだろう。
なので、その頃になったらもう一度テレビを付けて、勝利の瞬間を見届けよう。
大好きなチームが頑張っている。今度は僕の番。
勉強に取り掛かる。
それから時間を忘れるほど勉強に集中した。
気が付けば21時。
しまった夢中になり過ぎて、勝利の瞬間を見逃した!!
僕はダメもとでテレビをつける。
まだ野球中継の画面。
ホッとしたのも束の間、丁度ゲームが終わった。
何点入ったのかな。
表示された最終スコアを見て、僕の思考がフリーズした。
「11-12」でひいきのチームが逆転負けしていた。
(勉強するとひいきのチームが負けるのでは…)
この日、そんなトラウマを僕は植え付けられたのだった。
以来、プロ野球のシーズン中は勉強がまったくできない。