~転生した男の独り言~
短編で書いてみました。
テーマは、TS少女かな?と。
人生何があるか? 判らないと言うが……これは本当だなと感じてしまった。はい、何言ってるんでしょうね?。いや~愚痴も言いたくなるってもんですよ。だって……今の俺の状況。裸のおっさんが、目を血走らせて俺を見てるんですから。裸、裸ですよ? 俺の目の前に裸のおっさんですよ。裸だと解るのは、灯りに照らされてるし、服を着てないのは明らかであって、下半身のあれもバッチリと見えちゃってるんですから。えっとですね……しかも興奮してるからか、あれが大きいですよ? 俺を見て興奮してますね。確実に。しかもこのおっさん。イケメンと言う訳でもないし。顔が脂ぎってるし、見た目も最悪なんですよ……
「ユ、ユリシア……い、いいよな……ハアハア……」
そんな事を言ってきやがりました。はい、俺に言ってますね。何がいいのでしょうか? そう言えば自己紹介がまだでした。俺の名前はユリシアと言って、まあ、一応女の子なんだけど、内心では俺って言ってるから、実は俺、転生と言うのか? 元男だったんだよね。思い出すのは、会社を出て一杯飲もうかなって思って、居酒屋に行って、そこでまあ……お酒も飲みまくったら、隣のねーちゃんが「いい飲みっぷりですね~なら、これもいっときます? 私の自信作なんですよ~」って言われて、女の子からの手作り料理を頂いた事までは覚えていて、確か食べた瞬間。口の中が凄い痛み出したんだっけ? で……どんどん気が遠くなって、うっすらと覚えてるのは「あれ? ど、どうしました!? 調味料がまずかったですかね!?」とか聞こえてきて……それで気がついたら……ユリシアと言う少女になっていたと言う事に。何で少女と言う事が判るのかと言うと、それは自分の背が140ぐらいしかなく、気がついたときに言われたのが「ユリシア、お前も12歳になったな? なら……そろそろいいよなあ?」と、おっさんが言ったからで……これでとりあえず判った事は、俺は12歳のユリシアと言う女の子になったと言う事だった。で、冒頭に戻るという事に。
とりあえず……状況を整理しよう。まず、俺は少女。で、目の前に裸のおっさんがいて、俺に向かって「いいよな?」って言ってくる。それってもしかしなくても、あれですよね? 子作り関係の事ですよね?
しかも「ユリシア……今からお前を抱くぞ。だから……立派な子を産んでくれよ?」とか言っちゃってますよ。
はい、これで確定。このおっさんは俺に孕ませて子供生ませようとしてますよ。俺のいた世界だと思いっきり犯罪だろーね。うん。ちょ~っと年齢的にも早いんじゃないですか? 子作り的な事は。
これがまあ……イケメンな男だったら、百歩譲ってそれもありかな~とはちょっとは思うけど、見た目がおっさんですよ。これは何の罰ゲームですか? 俺が何かしましたか……って気にもなるってもんですよ。
とりあえず……ここは話し合いで、何故このように至ったかを詳しく聞きださないと……
「あ、あの……何でこのような事を……」
初めて声、出してみたけど、声も可愛いな。鏡が無かったから自分の姿が判らないけど、俺ってもしかしたら美少女かも知れないな? まあ……美少女じゃなきゃ、このおっさんも裸になりはしないと思うけど……
「何でだと? それは決まってるだろ。ユリシア、お前は俺の妻なのだからな」
「妻……」
ええ!? 嘘だろ!? このおっさんが旦那だと? マジかよ!? 最悪だ……それが事実なら、かなりの悪夢なんだが……。俺が絶望していると
「さあ、今宵は愛し合おうじゃないか……ユリシア」
い、いやだ~~~~~~!!!!!
生きていれば、幸せな事もあるかと言われれば、まあ……あるかも知れないかなと。
はい、ユリシアです。えっと……まあ、この体になって、色々ありましたが、なんていうかですね。
今は幸せですよ。うん。その幸せの理由と言うのはと言うと。
「ママ……」
娘が激プリチーだと言う事だね。うん。結局、12歳の時、おっさんに子作り的な事をさせられて、まあ……運が悪かったのか、一発で当たりやがりましたよ。で、俺から生まれたのが、この娘と言う事で。この娘、あのおっさんの血が混じっていると言うのに、母親似なのか成長していくにつれて、かなりの美少女になってというか……なんか……似すぎてて、12年たった時、俺、24歳なのに娘が12歳なんだけど、俺と背が一緒。胸のサイズ一緒、体重一緒って、思いっきり双子みたいになっちゃったんですけど。つまり……俺、24歳になったのに、未だにロリ体系って事ですよ。どうやら……12歳当時に俺の成長止まったみたいだなと。
で、そんなそっくりな娘に今現在
「ママ……大好き……」
迫られてるんですけど、これは答えた方がいいんだろうか?
しかも夫のおっさんが
「っく……ユリシアが二人に見える。嬉しいんだが……娘のアリシアに手を出しちゃ不味いしな……!」
娘が俺と同じになってしまったから、おっさんが俺に手を出さなくなったって事かなと。
何でも間違えて娘に手を出したら、後から判った事だが、おっさんは世間では有名な人物で知られてるみたいで、愛妻家として有名なんだそうで。いや、12歳当時の俺に手を出した時点で愛妻家とか言うのも変な話だけど。まあ、見た目を気にしなければ、おっさんといる事も苦痛じゃ無くなって来たし。これが慣れてしまうと言う事なのか……とも思ってしまった。
「ママ、子供作ろう……?」
そんな事言ってるけど、子供は出来ません。何言ってるんでしょうね? この娘は?
これが俺の転生してからの人生だった。
結局謎のままだったのが、あの時、居酒屋で食った物。何の調味料が不味かったんだ?って思っていたのだった。