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一章07

ひとまず、これでストックは尽きました。続きは暫くお待ちください。

 ――風を切り裂いて、ワイバーン……ライが飛ぶ。


 大怪鳥ほどではないが、ライは大きい。大人の男性くらいの背丈で、翼を広げた横の長さは、その三倍ほどの大きさだ。藍色の肌に、黒蜜のような瞳が美しく、優雅に空を飛ぶ様は、とても綺麗に映るだろう。……第三者にとっては。


 ピャアアアアアアア!


 また、ライが鳴いた。

 眼下を見ると、転がっていたはずの無数の死体が消えている。

 誰かが回収したのだろうか?


 ……砲弾が飛ぶ中で、ククリはそんなことを考えた。


「現実逃避してる場合じゃないよ?」

 参がぽか、とククリの頭を叩いた。

「近付いただけで、コレか。オーリーは砦にいるに違いないな」

 グラッチェがにやりと笑う。

「…………」

 ククリはもう一度、眼下を見る。

 地面は遥か遠く。


 ――ククリ達三人は、ライの背に乗り空を飛んでいた。 


「しっかりつかまっていろ! ライ、いくぞ!」

 砦から飛んでくる砲弾を、ライは華麗に避けていく。

 急降下と急上昇を繰り返し、くるりくるりと回転し、宙返りを披露する。

 乗り慣れているグラッチェと、ヒューマノイドの参は真顔だが、ククリはあっという間に気分が悪くなった。

「うっぷ……ジェットコースター……みたいだ」

 ジェットコースターがなんなのか分からないが、そんな言葉が口から漏れた。

 最後の砲弾を避け、砦の窓に突進する――。


 パリン、と音を立てて砦の一室――大広間に入り込み、三人はライから降りた。

 コンクリート造りの砦の三階。四階建てなので、あえて最上階は避けて乗り上げた。

「貯金庫は最上階には無いだろ」

「そういうもんなんスか?」

「……そんな決まりはないけれど。どのみち、分からないからどこでもいいんじゃない?」

 投げやりに、参は言った。

「……取り合えず、突破しますね」

 部屋に入ってきた仮面の男達に、参が指の銃口を向け、魔弾を放つ。

 百発百中。魔弾は仮面を突き破り、次々と仮面の男達を昏倒させた。

「あれは……キッカ博士のところの化け物じゃないか!」

「なんでこんな所に……」


 くるくるくるくる、と参が踊り、両手を広げる。

 パンパンパンパン、と魔弾がばら撒かれ、弾丸が滑らかに、一発も逸れることなく仮面に突き刺さる。

「……相変わらず、強いな。俺達は散々苦労したんスけどね」

「彼らの持つ武器は確かに強いけど、彼ら自身はそうでもないですよ? 最初の時みたいに不意打ちされない限り、まず負けることは無いわ」

 こともなげに、参は言った。


 俺よりグラッチェは格上だと思っているけど、参にいたっては桁一つ違うレベルだ。次元が違う。

俺がレベル3とかその程度なら、グラッチェはレベル7くらい。参はレベ40くらいだと思う。

「そこまでだ、化け物めっ!」

 盾を構えながら、ローブを着込んだ男が叫ぶ。珍しいことに、その男は仮面を被っていなかった。


 異邦より来たれ、高位の魔獣よ

 蹂躙せよ 我が敵を燃やせ

 双爪を血で染めよ 牙で骨を断て

 その身は紅く輝いてこそ美しい


 光の粒子が何も無い所から溢れ出し、結集し一つの形を作り上げる。

 黒い体毛に覆われた、深紅の瞳の魔獣が召喚された。

 呼び出された魔獣――巨大な黒い獅子が、こちらを睨む。


 ガァァァァ!


「……戦闘力低下。脅威対象のレベルを引き上げます」

 ガシュ。

 参の手からカードが飛び出す。

 アウトローが銃を撃ち、的の中心に当てているイラストが淡く輝き、絵が変わる。アウトローが銃を撃ち、的から外しているイラストに変わった。

 先程と打って変わり、参は銃を闇雲に乱射する。豆鉄砲数撃ちゃ当たるというべきか、黒い獅子にも幾らか魔弾が当たるものの、致命傷には及ばない。

 黒い獅子は雄叫びを上げると、参に突進した。

「……ク」

 キュルキュルキュル、と人からは絶対にならない異音が鳴り、黒い獅子の前足を受け止める。

 足元の、コンクリートの地面にヒビが入り、参の顔が苦悶に歪む。

「待ってろ、今……」

 ククリが爆裂弾を撃つ。だが、黒い獅子は気にも留めない。

「……ハァァァァ!」


 キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル……!


 異音が鳴り響き、参が黒い獅子を弾き飛ばす。

 すかさず、指から魔弾を連射する。黒い獅子は、僅かに悲鳴を漏らした。

 今度は参が地面を駆けて突進し、右ストレートを横腹に叩き込む。

 ……余りに早すぎて、ククリには参の動きが殆ど見えなかった。

 鈍く、重い音が鳴り、遅れてバキリ、と骨の折れる音がする。そしてそれが連続する。

 その度に黒い獅子の悲鳴が漏れ、トドメとばかりに、参は黒い獅子の額に指先の銃口を向け、乱射した。


 ガァァァァァ……。


 黒い獅子が塵となって消え失せる。

 ガシュ、と音が鳴り、またカードが飛び出し、イラストが変わる。

 銃口をローブの男に撃つ。今度は眉間に突き刺さり、男は昏倒した。

「強いな……」

「それ、なんのカードなんスか?」

「命中率百パーセント/零パーセント。交互に使わないといけない条件が厳しいけど、強力なカードだと思ってるわ」

 一定時間、命中率アップ。

 一定時間、命中率ダウン。

 交互にしか使えないが、その分、ステータスの上昇値は高い。

 かなりクセが強そうだが、使いこなせればなかなか強いかもしれない。

 俺には無理そうだけど……。

 参が命中率ダウン中でも、一定の戦闘力を持つからこそ使えるカードだ。まだまだ未熟なククリには荷が重い。

「よし、このまま一気に金目のものを奪うぞ!」

「これだけ金持ちが集まってんだ、何かあるはずだ」

 グラッチェとククリが目を煌かせる。

 二人が駆け出す。その後を、一言呟いて参が追った。 

「……まるで、山賊ですね」



 砦は、お世辞にも堅牢とは言いがたかった。

 元々ゲームを監視するべく建てられた簡素なもので、非常事態への備えは対人というより、大怪鳥のような大型の魔獣の襲撃に備えたもので、攻撃力はあっても防御力は無い。一旦中に入ってしまえばこっちのものだ。

 仮面の集団は大型の銃やグレネードが主力武器であり、室内では取り回しが悪い。

参が圧倒的に強いということもあり、三人は破竹の勢いで砦の中を荒らし回った。しまいには仮面の集団が逆に砦から逃げ出すほどで、その勢いを止めることは出来なかった。

 人狩り(ヒューマンハント)で殺された、名も知らない仲間達の思い。

 騙されて、命を賭けさせられた恨みとその復讐心。

 ――それらの思いを、その手に込める。

 だからか、三人……特に、ククリとグラッチェは容赦が全く無かった。

 手当たり次第に攻撃しながら、ただただ進む。

 高価な調度品を何度も見かけたが、かさばるので放置するか、破壊する。

 現在、隠しようが無い参以外、二人は顔を黒い布で隠してた。

「参は大丈夫なんスか? 身元がバレて」

「大丈夫です。非合法な場ですから訴えにくいですし、私はキッカ博士に造られたヒューマノイドですから」

「……ホントに?」

「一見アレですけど、博士は天才です。私のような、カードを扱えるヒューマノイドはとても希少なんですよ?」

「へぇ……」

 この国において、それなりに社会的地位がある、ということか。

「おい、見ろよ」

 グラッチェがかなり強くククリの脇腹を突く。

「痛っ。……何スか?」

 グラッチェが指し示したのは、豪奢なテーブルの上に無造作に置かれた、小さな袋だった。……その袋の隙間から、数枚の金貨が見えていた。

 たった数枚で、十分だ。

 金貨は、所得格差の大きいダタン帝国で、上位層のために造られた貨幣だ。

 その価値は、凄まじい。

 金貨の価値は銀貨の三十倍。……そして、銅貨の()()()()()

「これだけあれば……十分だな」

 グラッチェはソレを素早く掴むと、中身を確認する。

 

 金貨四枚。

 銀貨十枚。

 銅貨十五枚。


「……私はいらないので、二人ではんぶんこしてください」

 中身を見もせずに、参はあっさりとそう言った。

「そう……だな……」

 グラッチェが渋面で頷く。

「? どうかしたんスか? これだけあれば、十分じゃないスか」

「ああ。まぁな……」

 取り分を貰おうと、ククリが金貨を掴もうと手を伸ばす。



 ――パチパチパチパチ、と拍手が鳴り響いたのは、そんな時だった。



「……よくもやってくれました。褒めてあげましょう。あなた達はそこらの愚物に比べて、多少デキがいい貧乏人らしい」

 拍手をしながら部屋に入ってきたのは、オーリーだった。たった一人で、護衛を連れていない。最も、ククリはオーリーが誰かと一緒にいるところを見たことが無かったが。  

「ほざけ。よくも俺達を嵌めやがったな」

 グラッチェが袋を自分の背嚢にしまう。グラッチェの怒りに呼応して、背後にいるライが鋭い鳥類のような雄叫びを上げた。

「? 何がです?」

「金のことだ。……このゲームを勝ち残っても、報酬を払われた者はいないんだろう?」

 それを聞いて、ククク、とオーリーは笑った。

「……逆に尋ねますが、貰えると本気で思っていたんですか? あなた達はり人狩り(ヒューマンハント)を好むクズ共のエサですよ? エサに金を与える人間がいますか?」

「いい度胸だ。歯を食いしばれ」

「ムカつくッスね」

 二人が銃を握る。だが、参がさっと腕を上げて制止した。

「これ以上は止めておきましょう? 面倒事が増えるだけです。さっさと立ち去れば、それで私達の勝利です」

「はてさて、そう上手くいくかな? ニッカ博士のお人形よ」

「……」

 参は無視した。だが、オーリーは続ける。

「ここで死んだ中には、この国の有力者が大勢混じっている。キッカ博士のお人形である貴様にも、その原因の一端がある。博士も、もう終わりだね」

「……終わりなのは、あなたでは? ここはあなたの庭で、彼らはあなたのせいで死んだとも取れる。死んだ中に有力者達がいるというのなら、あなたは責任……いいえ、ただの『見せしめ』『八つ当たり』で殺されるわ」

「――そうかな?」

「ええ。そうよ」

 参が頷く。

「大勢は覆らない。あなたの信用は地に落ちた。『裏の場』であるここでのことが、『表』で生きるキッカ博士に与える影響は小さい。けど、『裏』でしか生きていないあなたにとって、今回の失態は致命的。――報いを受けるべきよ」

「……機械が『目には目を、歯に歯を』の論理を使うとはね。驚きですよ」

「違う。自業自得よ、ただの」

「流石ですね。()()博士のお人形は、言うことがイチイチストレートで癇に障る」

「私はいい。でも、博士の侮辱は許さない」

 オーリーの負け惜しみは、参の癇に障った。

「黙れ! 貴様らのせいでメチャクチャだ! 我が一族が少しづつ積み上げてきた積み木を一瞬でバラバラに崩して、許せるワケがないでしょうが!」

 オーリーはそう言うと、一枚のカードを取り出した。

 魚が巨大な竜に変身する姿が描かれたカード。

「! させないっ」

 参が指先の銃口を構え、オーリーめがけて放つ。

 魔弾がオーリーの額を貫く。……そして、すり抜けた。

 太めの老人の姿は幻影のように消え失せる。その下から、全く別の人間が現れた。

 ネグリジェを着込んだ、若い……ククリより少し年上の少女が、そこにいた。

 本来の背丈がオーリーよりも低かったため、魔弾はすり抜けたのだ。

「変化系のカードか……! じゃあ、あれが本当の姿なのか? ただの子供じゃないか……」

 グラッチェが驚きのあまり、目を丸くする。

「外見で舐められないように、ということですか。哀れです」

 少女……オーリーの顔が、怒りで歪んだ。

「黙れ、私の人生を勝手に評価するなっ!」

 オーリーが叫び、もう一枚、カードを取り出した。

 描かれているのは、筋肉質の(けだもの)の顔に貼りついた仮面が、ボロボロと欠片になって砕けていく姿。

「お父様から受け継いだ、我が一族繁栄の夢を、よくもよくもよくもっ……!」

 二枚のカードが光る。

 竜が描かれたカードは、白く。

 獣の描かれたカードは、黒く。

 竜のカードの名は、「滝登り」。大怪鳥を越える、最高ランクの魔獣『竜種』に変身できるカード。強すぎる力の代償に、使用者は余さず生命力を吸い尽くされ、確実に命を落とす。

 獣のカードの名は、「山月鬼」。理性を失う代わりに身体能力、生命力を倍増させるカードだ。

 二つのカードは、非常に相性がよかった。

「っ、させません!」

 参の指から無数の弾丸が発射される。それらはあまさずオーリーの身体に当たり、腹、首、額と、全身のいたるところを直撃した。

 だが既にカードは発動している。もう、止まることは無い。


 ――ネグリジェが弾け飛ぶ。


 白と黒の光に包まれ、オーリーが身体を丸める。――そのまま、風船のように、オーリーの身体が、膨らみ、形を変えていく。……やがてそこには、巨大な竜が現れていた。


 グゥゥゥゥ……ゴガァァァァ!!!


 ピュ、ピュ~


 オーリー……竜が鳴く。それに臆したのか、ライが情けない声で鳴いた。

 こんな小さな部屋では身動きが取れない、とばかりに、竜が立ち上がる。それだけで壁や天井が砂糖菓子のように崩れ去り、崩落が起こった。


 ククリは自分が砦の中の一室にいたのか、はたまた野ざらしの廃城にいたのか、一瞬分からなくなった。

 竜がこちらを見て、屈んで前足を振るう。――それを、参が受け止めた。

 鈍い音と共に火花が散り、近くにいたククリにも衝撃が伝わる。


 キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル……!


 異音が再び、室内を満たす。

 ただ前回とは異なり、誰がどう見ても、力の差は歴然としていた。


 キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル……!


 ――やがて、参の体内からバキ、と何かが折れる音が聞こえた。


 ギュルギュルギュルギュル……ガ、ガガガガガ……。


 押し負ける。参の身体が、瓦礫と共に階下に沈んでいった。

「参さん! だ、大丈夫ッスかぁ!?」

「馬鹿野郎、他人の心配してる場合か!」

 再び、竜の前足が迫る。

 ククリが爆裂弾を撃ったが、まるで効いていない。

 グラッチェに引っ張られるようにしてククリは参が落ちていった穴に飛び込んだ。

 両手を頭に回し、落石に備える。――その直後、拳くらいの大きさの石が頭上に落ちてきた。


 ……今は、運が悪いッスね。


 「女神の微笑み」を使うが、今回ばかりは幸運を手繰り寄せるくらいじゃ、どうにもなら無さそうだ。

 床に着地し、衝撃が足を走り抜ける。そして、ククリはどこか違和感を感じた。周囲を見渡して、ようやく気付く。

 ……足場が歪んでいる。

 地面と平行ではなく、床は斜めになっていた。

 勿論、竜が現れたせいだ。


 ゴガァァァァ!!!


 頭上ではもぐら叩きでもするかのように、竜が当てずっぽうに床を殴っていた。

 竜の前足はちょうど一つ上の階まで届き、この階……一階には届かない。首の皮一つで繋がっている気分だと、ククリは思った。


「参、参は大丈夫ッスか?」

 瓦礫がどかされる。

「大丈夫……。一応は、ですけどね」

 瓦礫の下から出てきた参は、隻腕になっていた。

 千切れた腕を握りしめ、参は上を見上げる。

「時間、なさそうですね……」

 竜の爪がこの階に到達するまで、あと僅かな時間しか残されていない。

「勝てる……ッスかね?」

「負けます。火力も、何もかもが違いすぎる」

 参は、断言した。

「無理だ。三十六計逃げるにしかず、だな」

 グラッチェがそう言って、口笛を吹いた。

 ライがすぐに逃げるように飛んできて、グラッチェに抱きつく。

「こいつも無事だったんスね」

「ああ、助かる。……本当によかった」

 そう言って、グラッチェはライの背に飛び乗った。

「乗れ。イチかバチか、コイツで突破するぞ」

「了解」

 参が乗り、ククリも飛び乗った。そして、一枚のカードを取り出す。

「――これを、陽動に使いましょう」

 それは、羽を生やした小さな少女が描かれているカードだった。



 三人がいた階にまで竜の爪が届いた時、同時に、ライと、もう一つ、光り輝く球体が飛び出した。


 ガァァァァ……?


 二つは、全くの別方向に飛ぶ。

 竜は咄嗟に、球体の後を目で追った。

 球体の正体は、参のカード『飛翔妖精(フライングフェアリー)』。魔物を呼び寄せる効果がある、陽動用のカードだ。

 ほんの数秒だが、竜の意識がそちらに向く。その間に、三人を乗せたライは全速力で遠ざかった。

 ライは輸送に使われているワイーバーンだ。その速度は尋常ではなく、数秒もあればかなりの距離を稼げる。

「逃げ切ったな……!」

 振り向いて、ようやく球体が陽動で、こっちが本命だと気付いた竜を見て、ククリは逃亡の成功を確信する。

 ――フラグが立ったな。

 ククリの前世の記憶が、そう警告した。だがあいにく、その言葉の意味が分からない。ただ、ゾワッと、背中を舐められるような悪寒がした。


 ――――ダンッッ!!!


 竜が、跳躍する。

 その巨体で、軽々とした身のこなしでジャンプする。

 背後で砦が、今度こそ本当に崩れ去る。だが、そんなものには見向きもせずに、竜は飛ぶ。

 前足が、蛇の如く伸びる。槍の如く突き出される。

「やられるかっ。これが、最後の勝負だ……!」

 グラッチェがニヤリと笑い、攻撃を避けるべく斜め上方向に向かって飛び上がる。


 はたして。最後の勝負に、グラッチェは勝利した。

 竜の突きは空を切る。

 だが――。


 ()()()


 ずっと酷使していたからか。それとも、砦が壊された時に、落石で傷が入っていたのか。

 三人をライの上に固定していたベルトが千切れる。

 グラッチェはベテランの運び屋であり、ライは相棒だ。ベルトが千切れたからといって、落ちはしなかった。

 参はヒューマノイドだ。ワイバーンの上でバランスを取ることくらい、朝飯前だ。

 ただし、ククリは違う。

 なんの経験も無い転生者だ。

 加えて、一番後ろに座っていたということも災いした。


 ベルトが千切れ、ククリは宙に投げ出される。


「「――――!!!」」


 二人が何か言うが、あいにく、ククリには届かない。

 落下していくククリを逃すはずも無く、竜が勢いのまま大口を開け、ククリを飲み込む。


「……ツイてないな」


 薄れゆく意識の中で、ククリはぽつりと呟いた。

ひとまず、ここまで読んでくださりありがとうございます。

なろう小説として、ハーレムどころか、ヒロイン登場が二章ってどうよ? ……ってことで、新キャラとしてキッカ博士作ったり、オーリーを女体化したりしたけど、博士は満足。いいキャラになったかな? と思う。オーリーについてはわからない。

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