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第00-00話 プロローグ
もうすぐ夏だと言うのにまるで冬のような冷たく肌を刺すような寒さが身を引き締めさせる。
空は鉛のように重く暗い雲が幾重にも重なって光を遮っている。
それはまるでコレから起きる悪いことを予兆するような不気味さを放っていた。
私たちは冷たく強い風が吹き抜ける不穏な空気の中、屋上から屋内へ向かう為の唯一の入口に対峙するように横並びに並んでいた。
扉についている取っ手がまわり、ゆっくりと……本当にゆっくりと重たい鉄の扉が開いていく。
緊張のあまり私は息を飲んだ。
きっと七人もそうなのだろう。
先程から張り詰められていた緊張感が更に強まるのを感じた。
私は重い扉を開き、ここへ上がって来た人物に向かい口を開いた。
「御待ちしていました
ここに来たって事はもうわかってるんですよね………
今回の……いえ、コレまでの事件全て………
貴方が"犯人"だったんですね……? 」