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リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて  作者: 石原レノ
再開の果ての切なさを超えて
36/52

恥さらし笑

さて、体育祭も終盤に差し掛かった時、俺には最大の試練が立ちはだかろうとしていた。

それは、、、

「はーい!次は障害物競走・Χとなりまぁす!出場する選手は直ちに入場門へ起こし下さぁい!」

、、、ナニソレカッコイイ。

「次瀧じゃないの、、、って瀧!?何だか変な汗かいてるように見えるんだけど!?」

「だ、ダイジョブ、、、も、問題ない―」

「たっくんってば興奮してるの?」

「おー瀧。俺の分まで頑張れよ。死ぬのは確定だけど」

「いや励ましてよ!何で俺が死んだり変態なのが前提なのさ!」

「ほら!そこ!佐々波瀧!お前選手だろ!早く整列しろ!」

慰めて欲しかったという甘い考えはどうやら通用しなかったようだ。俺はしぶしぶ入場門へと向かった。


障害物競走・Χとは華恋がやったアレよりもきわどく激しいものである。設置される障害物も同様に毎年変わるため、何が置かれるかは直前になるまで分からない。現時点で言える事は、、、

ヤバイシヌマジコレ

くらいである。

そうこうしている間にとうとう入場の時となった。選手全員が表情を青くして入場する様子は、傍から見ると実験施設に行く様なものである。勿論実験台は俺た(ry


全員が準備を整え、目の前に設置された障害物は、、、

「なっ、、、、」

無と言わんばかりの目の前の光景に、選手達は絶句していた。そう、何も設置されてないのである。この光景に喜ぶ選手もいれば、言葉も出ない選手もいる。ただ俺は、、、

「こりゃなんかあるなうん。こんなことあり得るかようん。いやホントやめて欲しいようん」

余計に変な汗が出てきた。ナニコレコワイ。

「それではこれより競技を開始します!位置についてー」

幸い俺の順番は中盤な為、これからもし変なことが起きても、対策は練られる。それに

「危険だと思ったら逃げよう(`・ω・´)キリッ」

「お、おおおおおおおお!」

俺が静かに決意したのもつかの間、突然の悲鳴に観客を含む選手達の視線が一気に現場へと送られる。

「まさか、、、な?(^ω^;)」

見ると視線に映った光景は、落とし穴がいくつも出来ており、そこに落ちたと思われる生徒達がうめき声をあげていた。

「おいおい。ちょっとまてよ(゜Д゜≡゜Д゜)?」

「おーーっと!早くも今回設置された落とし穴に落とされたようだぁぁぁあ!選手達はこの見えない罠をどうやってかいくぐり、ゴールするのか!必見です!」

いや何だよそれ。そんなん聞いてないし、、、えぇ!?(;゜Д゜)

どの選手達もみな、全力で走ることなど到底出来ず、ビビリビビリで進む。そしてお待ちかねの俺の順番である。

「(゜Д゜≡゜Д゜)(゜Д゜≡゜Д゜)」←瀧

1体いつの間に掘ったのか。以前として場所の特定ができない見えない罠は、次々に選手達をおとしめていく。そして、、、

「た、瀧!頑張んなよ!」←真優

「(´・ω・`)」←瀧

「たっくん!頑張って!」←美優

「(´・ω・`)」←瀧

「瀧!頑張ってー!」←リン

「瀧!頑張ってね!」←華恋

「( ゜д゜)クワッ----->(´・ω・`)」←瀧

そして、、、、俺とともに地獄を味わう役者が揃い、クラウチングスタートをとる。

「(´・A・`)ドウシヨウ 」

「よーーーい!」

そして、、、

バンッ!

第10レース開始の音が鳴り響いた。

俺と一緒に走る選手は俺を含めて5人。約100mの一直線なのだが、横に異様に広い。つまり、100×100mの区切られた範囲の中ならどこを走っても構わないという事だ。そして俺は気づいた。最善かつ落とし穴に落ちない。唯一の方法を、、、、

「ねぇ、、、あれって、、、」

「そうだよね、、、でもさ」

「卑怯だなぁ、、、」

観客者たちがひそひそと話す対象と言うのが、ある選手の後ろを走っている俺である。だがしかし、これも勝つためだ、俺は恥を忍んででも組に貢献したい。しなければならないのだ。このくらいの罵倒は痛くもかゆかも、、、、ないことは無いですはい正直こんなこと今すぐやめたいけど落ちたら痛いし、、、

「うおっ!」

そうこう心内で言っていると前の選手が1人犠牲になった。俺はその穴を飛び越えようとジャンプをしたのだが、、、何故か急に引っ張られた感覚に見舞われ、地べたに体を強打する。

「いってーな、、、何なんだよ」

「お、俺は、、、」

足を見ると、足首の部分をがっしりと掴まれていた。そして、かすれ気味のおぞましい声とともに、、、

「お゛れ゛はまだ落ちて何かい゛なぁぁぁぁぁぁぁぁあい゛!」

俺の足を掴んだまま、ズルズルと這い上がってくる謎の選手Aは狂気と殺気に満ちた顔であった。そりゃあもうバ〇オハザ〇ドなんてへでもないくらいの、、。

「う、う゛おおおおぉおお!」

俺は恐怖に我を忘れ、手を振りほどいて血相をかいて走り出した。運良く穴に落ちず、選手が落ちているであろう穴の間を走り抜ける。だが、果たして幸運だったのだろうか。この時の俺の光景には穴に落ちている生徒達の顔が全てゾンビのように見えた。

そしてゴールまであと数mに差し掛かった時、、、

「なっ!?」

さっきと同様に足を掴まれその場に倒れる。そして、、、(ry

もう既に立つ気力もない俺は、ふらふらと、倒れそうになりながらゴールした。

「おめでとうございます!4位ですよ!」

俺はやり遂げたのだ。卑怯な事をして、恐怖を感じながらもこうして4位に、、、、は?

「え、まてまて。俺4位?(´・ω・`;)」

俺がそう問いかけると係の人は快く頷いた。

「さてさて!この障害物競走・Χバ〇オハザ〇ドリアル再現編も大盛り上がりとなりました!あと後半、頑張って下さい!」

そしてタイミングよく俺のゴールするまでの行動全てが黒歴史となるようなアナウンスが入った。

ここで出来た俺の黒歴史は以下の通りである。

1,卑怯な事をしてでも勝とうとした挙句4位

2,この障害物競走の内容を知らずに、作り物であるゾンビに公の面々で大ビビリ。

3,よく考えてみると厨二臭い。

この瞬間。俺は奈落の穴へと落とされた。

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