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リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて  作者: 石原レノ
再開の果ての切なさを超えて
34/52

体育祭その2

ふふふふふふふふはははははは!

「さてさて続いては!障害物走だぁぁぁあ!跳び箱、走り高跳び等々の幾多もある障害を制覇し、その栄光を掴めぇぇぇぇ!」

もう何度目となるのか、ノリの良すぎるアナウンスは体育祭中盤となっても勢いを(おこた)ることは無かった。それに合わせて会場内の全員が絶叫する。正直耳が痛い。

「僕、この競技だから行かなきゃ」

「おぉ、頑張れよ」

手に持っていたハチマキを頭に巻き、「よし」と言って気合を入れる華恋。何ともまぁその容姿は男にはそうそう見えない。少し小走りで行くところもまた、、、おっと、俺はゲ〇ではありませんよ?もちろんホ〇でもございません。公園で堂々と「やら〇いか」とか言ったり、屋上へ日光浴に誘ったりする事は一切しませんので。

「よぉし!選手も揃った所で!早速入場だ!皆盛り上がっていくぞぉおぉぉお!」

「きゃぁぁぁぁあ」

「頑張ってぇぇぇぇえ!」

「応援してるからぁぁあ!」

前回とはどこが違う歓声の種類。華恋がいるからであろう。華恋は多くの女子と一部の男にもモテてるから自然と意識しなくても歓声の内容は変わってくるだろう。

障害物走に用意された障害物は最初の地点に跳び箱、次の地点にハードル、中間地点には走り高跳びの道具が置かれていた。そしてそれ以降に設置されていたものは、、、、

「あれ、、足つぼマッサージのやつだよな」

そう、走り高跳びの後、次のランナーがいる所まで実に数メートル、足つぼマッサージ用のマットがびっちりと敷き詰められていた。

「さてさて気になる足つぼマッサージだが、ここは手を使ったりしてはダメだぞ!あくまでも足を使ってゴールする事が大前提だ!分かったらとっとと並べ!」

足つぼマッサージを見て(なげ)くやつも居れば、何だか体を火照らせるやつもいたりと十人十色な光景は辺り1面の観客達に楽しみを与えた。

そして運命の第1走者目、華恋は、、、

「あれ?華恋ちゃん2走者目じゃん」

1走者目の後ろで顔を青くしてガタガタ震えていた。まぁ気持ちも分からんではないが、そこまで震えるものなのだろうか、、。

「それでは位置について、、、、、よぉーい」

ピストルの音と同時に走者たちは走り出し、まず最初の跳び箱を5分の3人が制覇する。これを飛べなければ男がすたる、、、俺は飛べないけど、、。

そしてハードル、走り高跳びをクリアして、最後の壁とも言えるものに差し当たり、、。

「うぎゃぁぁぁい!」

「お、おぉぉぉぉおおおお!」

「いでぇ!いでぇよぉ!」

足つぼマッサージに到達したランナーは揃いも揃って激痛を訴えるような叫び声を上げる。そう、大袈裟なのも有名どころの一つなのだ。

「ぉぉぉぉぉおおおぉぉぉお!」

「な、なんっのぉぉぁぉお!」

「い゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ!」

前回とは全く違う、もはやバ○オハザー〇である。

あと少しで華恋の番となるのだが、華恋は表情を曇らせまくっておどおどしていた。どことなく足が小刻みに震えているのが見える。

「ど、どうしよう、、、僕あんなの耐えきれないよ、、、」

そうは言ってもバトンはすぐそこまで迫ってきていた。バトンが近づいてくるにつれて足の震えは限界に達する。

そして、、、、華恋の手にバトンが渡った。

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