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転生したが、チートは秘密?  作者: ヤマオヤジ
第1章 プロローグと少年期
6/8

第四話:競馬に凝っても・・・・①

 僕の名は吉岡翔太。小学校四年生の普通の男子児童ってやつ。


 まあ、顔立ちはブサ面ってなほどじゃないけど冴えない顔の方か。

 

 親は中流のサラリーマン家庭なんだけど、うちの学校は結構、会社社長の息子とか、ご令嬢とかのそこそこのお金持ちのところの子供が多い。


 まあ、本当の御子息・御令嬢は私立とかにお受験で入るんだろうからそこまではいかないんだろうね。この小学校は都立の方だし。


 それでも、僕のような一般庶民は実をいうと少数派で、華やかな格好をしているお譲ちゃんお坊ちゃんが大半を占めている。

 だから僕のような冴えない服装をしている普通すぎる男子なんか当然女子たちは相手にはしない。


 お金持ちの子たちは服装だけではなく、学校の行き帰りは自動車で送り迎えしてもらうからすぐにわかる。


 当然、持っているゲーム機や遊びなんかもまるで違うので、話が通じなかったりする。つまり住む世界が違うってやつか。

 まあ、一般庶民派も取り巻きと化してご機嫌を取る連中も出てくるけどね。

 

 こういうの、派閥とか、階級社会だとかお父さんが言っていた。


 要するに、お金持ちで社会的に地位のある父親の子供のまわりには、取り巻きのような子供のグループができる。

 特に女子はそういうグループを作りたがるようだ。

 

 僕の右側の女子の佐久間悦子さくま えつこなんか、僕と口を聞こうともしない。代わりにいつもブランド物でビシッと決めているスポーツ万能の竹中栄治たけなかえいじに近づこうと必死だ。

 

 一方、僕の左側の女子の小柳エリカは可愛い顔しているのに安そうな服しか着てこないし、洋服もそんなに持っていないようだ。着てくる洋服のパターンが決まっていることからそれがわかる。


 女子たちも彼女の家の経済状態を何となく察しているようで、付き合いも表面上だけで、敬遠気味にしているし、彼女も、どの派閥に入るでもなく、いつも窓の外を見ている。

 

 でも、小柳エリカは、僕が話しかけても気さくに答えてくれるし、どんくさそうな僕でも、別に無視したりはしないでくれる。




 

 さて、十月になると、僕の家のお父さんが最近、「競馬◎◎」と描かれた小さなタブロイド版の新聞を良く持ってくるようになった。

 競馬っていうのは馬のレースで一等二等の馬を当てるとお金がもらえるってやつ。要するに賭け事なんだろうね。


 でもなぜか、僕はこれにすごく興味がある。


 興味があるって言うより競馬に関する知識が頭の中に初めっから入っている感じがして、「オッズ」だとか、「単章・連勝複式」なんて言葉や、なんて名前の馬が何年に何着だったとか、デビュー何日目に◎◎勝で優勝したとか・・・今登録されている馬の名前では、その中で年齢、騎手なんかについての話が頭に浮かんでくる時もあるし、お父さんのタブロイド版の競馬の新聞を熱心に読んでいる自分がいたりする。


 「追い、翔太。子供がそんなもの読んでもわからんだろうが。」

 

 お父さんは苦笑しながら言うんだけど。



 だから僕はこう答えることになる。

 

 「いや、馬の顔を見てただけ」


  ・・・なあんんてごまかしても、実はどの馬がどのレースで勝ちそうかっていうのがわかる。


 これは例の「能力」の一種なんだろうか。


 最近わかったんだことなんだけど、僕の頭の中で声がする時や、見たことのない光景や文字、数字が浮かぶことがある。わからないことをじっと考えている時にそんなことがよく起こる。


 それでだいたい競馬の新聞を読んでたり、テレビで競馬の番組を見ていると、どの馬が何着かとかの情報が浮かんで来て、たいていその通りになる。

 

 でも、これが外れる時があって、それはいくら考えても頭の中で声がしなかったり、光景も文字や数字も浮かんでこない。


 そんな時でもわからないことを調べる方法が最近分かった。夜寝た時、だいたいでっかい図書館が出て来たことがあったんだけど、実は、その図書館、大抵の事を調べることができる。

 天使は、ここの事をアカシックどったらこったらとか言ってっけ。


 だから、競馬でひともうけしようなんてするのは簡単なことなんだ。

 

 けど、それをしゃべろうとしたり、ためしに競馬の馬券を買ってもらおうなんて考えたりすると、天使からもらったペンダントがだんだん赤くなる。


 このペンダントが赤くなるのは、そんなことはしてはいけないと言う意味だと言う天使の警告だと最近わかった。 


 うちのお父さんは、普段は競馬をやらないけれど、菊花賞と天皇賞だけは競馬をやるんだそうだ。

 できればお父さんに優勝する馬の名前を教えてお小遣いもらいたいところだけど・・・・だめだろうなあ。そんなことやっちゃ。


 念のためにペンダントを見てみるとやはり、色は「赤」


 あ~あ。



 十月の終わりの日の学校帰り、僕が委員会活動で家に帰るのが遅くなったんだけど、隣の席の小柳エリカがなかなか帰ろうとしないで、放課後も掃除が終わった後に残って本を読んでいたりしたのを見かけた。


 ちょっと青ざめた顔していたんで、心配で話を聞いてみると、はじめは黙っていた彼女、僕の顔をじっと見ていた。

 すると、僕のペンダントがトレーナーの下から白く光ったんだ!


 その瞬間、彼女の顔はジワっと涙ぐんだかと思ったら、その後、わっと泣きだした。


 びっくりしていると、とにかく僕が泣かせているみたいなんで、なだめすかして、事情を聞いて見た。


 すると・・・・


 彼女のお父さんは毎日、仕事もしないで競馬や競輪で家を空けてばかりいるし、お母さんは、この間、家を出て行ってしまった話とか、そんな話をヒックヒック泣きながら話してくれた。

 しかも、お父さんから借金をとり返えそうとする怖いおじさんたちが何人も来ていて、家に入れないのだそうだ。


 ちょっと待て。借金?いくらぐらいあるんだろう。それを返せないとどうなるん

だろうな。


 僕は、チョット心配だったけど、小柳エリカを残し、彼女の家の住所を何となく聞き出し、何気なくその家を通りかかってみた。


 その家には「借金返せ!」と大きく書かれた紙があちこちに貼られていて、怖そうなおじさんたち、お兄さんたちがたむろしていた。


 これじゃ、小柳エリカは家に入れない。どうにかしなくちゃ。


 僕には例の「能力」っていうのがいくつかあるんだけど、その中には人目に付かなければある程度は自由に使っていい能力もある。そのうちの二つが、「拡大聴力」と「拡大視力」。ようするに十メートルぐらい離れたひそひそ話や数キロ先の物を望遠鏡の様に拡大して見る能力。もちろん、使っちゃダメな時はペンダントが赤く光る。


 どうやら今回は使っていいらしい。


 それを使って僕は怖そうなおじさんたちの話を遠くから聞くことにした。


 「あの小柳の野郎。いくら経っても借金返さねえらしい。」


 「ああ、競馬と競輪で何とか返すつもりになっているが所詮はむりじゃないっすか。」


「あいつ、賭け事に向かねえのに、すっかりのめり込んじまって」


「こっちも元金を早く返してもらわねえと、指が飛んじまうんで。」


「こうなったら、あのオヤジ、さらってどこかタコ部屋に押し込んで働かせるしかねえな。」





 まずい話を聞いてしまった。これじゃ、小柳エリカだって家に入るどころかさらわれてしまうじゃないか。

 

 このおっかないおじさんたちは、小柳エリカのお爺さんやお婆さんの家にも行っているているらしい。それじゃ、お爺ちゃん達を頼っていくこともできないな。


 よし、とりあえず、「能力」を使ってこのおじさんたちを蹴散らして、小柳エリカが家に入れるようにしてあげよう・・・・と思ったら、ペンダントは光らない。

 

 「やっちゃだめ?」ときくとペンダントが赤く光った。



 これは早く小柳エリカのお父さんの借金を返さないと根本的な問題にならないからかもしれないな。


 今、このおっかないおじさんたちを蹴散らしても、そのうち彼女のお父さんがさらわれてしまう。場合によっては彼女も・・・何とか助けられないかな。

 

 じゃこんなのはどうだろうか。


 小柳エリカのお父さんに会って「菊花賞」のレース結果を教えて、それで借金を返してもらう。


 でも天使は許してくれるだろうか。そう考えながら水晶のペンダントを見ると赤い色が浮かんできた。これもだめか。


 でもさ、これじゃ、彼女は家には入れないじゃないか。とりあえず今晩だけでもこの怖い人たちを追い払わなくちゃ。


 さて、どうする。


 すると、トレーナーの下のペンダントがピカッと光ると、悪智恵?が浮かんできて、僕はそれを実行することにした。


 僕は小柳エリカの家に近づくと、怖いおじさんたちの前で、こう言った。


 「おじさんたち、ここの人、引っ越したって」


 「なにい? 夜逃げかよ。」


 ばたばたと怖いおじさんたちは口々に「あの野郎」とか口走って去って行った。


 急いで学校に戻ると、小柳エリカはまだ机の上にうつ伏していた。


 彼女に事情を話し、一度この隙に、家に戻らせて必要な荷物を持たせ、彼女のお母さんの妹のつまり、彼女の叔母さんの家に避難するように、そのように説得すると、彼女は大きくうなずいて僕のアドバイスに従ってくれた。


 あれ?僕、彼女の叔母さんならかくまってくれるってどうしてわかったんだろうね。   


 しばらくすると、ペンダントの光は消えた。このペンダント、だんだん僕の意思よりも、逆に僕を色々と誘導するようになってきたな。

 

 

 僕はその晩、水晶のペンダントを握りしめて天使にお祈りをしながら眠った。

こうすると、天使が夢に現れて相談ごとに乗ってくれる。

 

 僕は小柳エリカについて天使に相談した。


「・・・・って事情なんだ。見ていたと思うけど。」


 難しそうに腕を組んだ天使はこう言った。


「ああ。見ていたよ。それで、君はどうしたいんだい?」


「覆面かぶった僕が、菊花賞レースの一等と二等の馬名を書いた封筒を小柳エリカのお父さんに渡せばいいと思うんだけど。そして、ペンダントで記憶を消すってのは・・・」

 

「無理だね。」


 天使は「呆れたぜ・・・」という表情で冷たく首を横に振った。


「第一、覆面かぶった男の勝ち馬情報なんて誰が信じる?

それにペンダント使って記憶を消したら、その封筒の中身だって消えるよ。

駄目だね。何とかしてあげたいけど。」 



「でもこのままじゃ、小柳エリカのお父さんさらわれちゃうよ。それどころか、彼女自身も・・・・」


 僕は天使に必死に詰め寄った。


 「わかったよ・・・」


 天使が、諦めたように僕に言った。

 

 「じゃ、こうしなよ。あの小柳エリカって子は、お母さんが出て行く前にお父さんには絶対内緒だって、生活資金用のお金を預けているんだ。

そして、お父さんと君と一緒に競馬場に行って、その生活資金を掛けさせる。」



 「ええ?そんなの無理だってば。彼女が僕をそこまで信じるはずないよ。」



 「きみ、僕を誰だと思ってんの。」


 「え?ひ、ひょっとして協力してくれるの?」


 「もう一回言うけどね。君、僕を誰だと思ってんだっつーの?

  これでも天使だよ。君が善行(ぜんこう)をしたいと心に誓ったら、それを助けるのも役目なんだってば。」


 「いや、それはわかったよ。十分わかった。でもそれと彼女が僕なんかの競馬の知識を信じてくれるはずがないじゃないか。」


 「彼女にこの話をする時、ペンダントを見せて、この話をすること。そしてこの作戦を実施している間はずっとペンダントを胸もとから出しておくこと。大丈夫だよ。もう一人の君が後はきちんとやってくれる。今日もそうだったろ?」


 え? え? もう一人の僕?それってだれ?


 「天使ともう一人の自分の能力を信じなさい。」そう言って天使は消えて行った。

すみません、またシステムの勝手がよくわかっていませんし、誤字脱字も結構多いようです。今、誤字脱字や、エピソードの矛盾点を手直しして見ました。また何かありましたら。。。。m(_ _)m

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